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Constable "To Our Blessed Lady"

ヘンリー・コンスタブル
「天の貴婦人マリアさまに」

女王のなかの女王さま、意味のない野心によって
ぼくの心はこの世の王の寵愛を求めてしまいます。
あなたの子イエスにすべてを支配させてください。この世の
王や女王たちも、天では彼の召使いの召使いにすぎませんから。
あなたのやさしさに誘われ、ぼくは恋に
落ちてしまいそうです。すてきなお顔を見せてください。
あなたの前では美しい天使たちもくすんで見えます。
天使たちもあなたを思って熱く燃えています。
そうです、野心を抱くことによって、ぼくはへりくだることができます。
天の王さまの見ている前で、ぼくは彼の召使いすべてに
仕えます。ほめていただけるでしょうから。
そしてあなたを愛します。欲望も清らかなものになるのです、
いちばん美しい女王であるあなたがぼくを見てくれて、そして
嫉妬に頬をふくらませながら、「わたしだけを愛して」と命じてくれたなら。

*****
Henry Constable
"To Our Blessed Lady"

Sovereign of Queens: If vain Ambition move
My heart to seek an earthly prince's grace:
Show me thy son in his imperial place,
Whose servants reign, our kings & queens above.
And if alluring passions I do prove,
By pleasing sighs: show me thy lovely face:
Whose beams the Angels' beauty do deface:
And even inflame the Seraphims with love.
So by Ambition I shall humble be:
When in the presence of the highest king
I serve all his, that he may honour me.
And love, my heart to chaste desires shall bring,
When fairest Queen looks on me from her throne
And jealous bids me love but her alone.

http://www.sonnets.org/constable.htm#211

*****
(キーワード)

ソネット sonnet
キリスト教 Christianity
騎士ロマンス・宮廷風恋愛 chivalry, romance, courtly love

*****
聖母マリア信仰と宮廷風恋愛が交錯している作品。
まったく不敬(でおもしろい)。

コンスタブルはエリザベス、ジェイムズ1世の頃の
宮廷人。詩人・宗教論者として評価が高かった。

カトリックに改宗し、イギリス国内における
平和的なカトリック信仰を推進しようとして失敗。
数回投獄され、その後、追放される。

*****
学生の方など、自分の研究/発表のために上記を
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Constable, ("My Ladies presence makes the Roses red")

ヘンリー・コンスタブル
『ディアナ』 9
(愛しいあのひとがそばにいると薔薇は赤くなる)

愛しいあのひとがそばにいると薔薇は赤くなる。
あのひとのくちびるを見て恥ずかしくなるから。
百合の花は嫉妬で白くなる。
彼女の手が白いから。
マリーゴールドは花を大きく広げる。
あのひとには太陽と同じ力があるから。
すみれが青紫色になったのは、
あのひとが流したぼくの心の血に染まったから。
つまり、花の魅力の源はすべてあのひと。
あのひとの甘い息が、花にすてきな香りを与え、
あのひとの目の光に命をもらって、
大地はあたたかくなって、種も芽を出す。
あのひとが花たちにあげる雨の水は
ぼくの涙。あのひとがぼくをさんざん泣かすから。

* * *
Henry Constable
Diana 9
("My Ladies presence makes the Roses red")

My Ladies presence makes the Roses red,
because to see her lips, they blush for shame:
the Lyllies leaues (for enuie) pale became,
and her white hands in them this enuie bred.
The Marigold the leaues abroad doth spred,
because the sunnes, and her power is the same:
the Violet of purple cullour came,
did in the blood shee made my hart to shed.
In briefe, all flowers from her their vertue take;
fro[m] her sweet breath, their sweet smels do proceede;
the liuing heate which her eye beames doth make,
warmeth the ground, and quickeneth the seede:
The raine wherewith shee watereth the flowers,
Falls from mine eyes, which she dissolues in showers.

* * *
ブラゾン詩。比喩の羅列。

* * *
英語テクストは次のページより。
http://www.luminarium.org/renascence-editions/diana.html

STC 5637 (1592) では16番。

* * *
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