英語の詩を日本語で
English Poetry in Japanese
Robinson, "Song" (Ye crystal fountains, softly flow)
メアリー・ロビンソン(1756/7/8? -1800)
「歌」(水晶の泉……ゆっくりあふれて)
I
水晶の泉……ゆっくりあふれて。
やさしい風……でも、やんで。
わたしの好きな人、若くて、きれいで、一途だったあの人が
ひっそり眠っているから、向こうの野原で。
II
やさしい神さまたち、あの人に安らぎを、
あの人の胸に永遠の安らぎを、お願い。
あの人のまぶしさを翳らせないで。
あの人の心を乱れさせないで。
III
すみれたち……あの人のところに芽生えて。
鳥たち……悲しい歌を歌って。
ばらたち……あの人の頭のところに咲いて、そして
甘い香りで苔のベッドを包んであげて。
IV
愛の神さまたち、すぐ持ってきて、
春を彩るいろんな緑の葉を。
誰も入ってこれない茂みをつくって、そして
わたしの好きな、あの美しい人を守ってあげて。
*****
Mary Robinson (1756/7/8? -1800)
"Song" (Ye crystal fountains, softly flow)
I
Ye crystal fountains, softly flow,
Ye gentle gales, ah! cease to blow,
For know my blooming constant swain,
Doth calmly sleep, on yonder plain.
II
Propitious pow'rs, afford that rest,
Which ever dwelt within his breast,
With caution guard his radiant charms,
And shield his heart, from rude alarms.
III
Around my love, ye violets spring,
In plaintive notes, ye warblers sing,
Ye roses bloom, about his head,
And sweetly scent, his mossy bed.
IV
Ye little Cupids, quickly bring,
Each green, that decks the verdant spring,
There form a sweet sequest'red grove,
And hide secure, my beauteous love.
https://www.eighteenthcenturypoetry.org/works/pro75-w0220.shtml
*****
学生の方など、自分の研究・発表のために上記を
参照する際には、このサイトの作者・タイトル・
URL・閲覧日など必要な事項を必ず記し、
剽窃行為のないようにしてください。
ウェブ上での引用などでしたら、リンクなどのみで
かまいません。
商用・盗用・悪用などはないようお願いします。
「歌」(水晶の泉……ゆっくりあふれて)
I
水晶の泉……ゆっくりあふれて。
やさしい風……でも、やんで。
わたしの好きな人、若くて、きれいで、一途だったあの人が
ひっそり眠っているから、向こうの野原で。
II
やさしい神さまたち、あの人に安らぎを、
あの人の胸に永遠の安らぎを、お願い。
あの人のまぶしさを翳らせないで。
あの人の心を乱れさせないで。
III
すみれたち……あの人のところに芽生えて。
鳥たち……悲しい歌を歌って。
ばらたち……あの人の頭のところに咲いて、そして
甘い香りで苔のベッドを包んであげて。
IV
愛の神さまたち、すぐ持ってきて、
春を彩るいろんな緑の葉を。
誰も入ってこれない茂みをつくって、そして
わたしの好きな、あの美しい人を守ってあげて。
*****
Mary Robinson (1756/7/8? -1800)
"Song" (Ye crystal fountains, softly flow)
I
Ye crystal fountains, softly flow,
Ye gentle gales, ah! cease to blow,
For know my blooming constant swain,
Doth calmly sleep, on yonder plain.
II
Propitious pow'rs, afford that rest,
Which ever dwelt within his breast,
With caution guard his radiant charms,
And shield his heart, from rude alarms.
III
Around my love, ye violets spring,
In plaintive notes, ye warblers sing,
Ye roses bloom, about his head,
And sweetly scent, his mossy bed.
IV
Ye little Cupids, quickly bring,
Each green, that decks the verdant spring,
There form a sweet sequest'red grove,
And hide secure, my beauteous love.
https://www.eighteenthcenturypoetry.org/works/pro75-w0220.shtml
*****
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Dante Alighieri (tr. D. G. Rossetti), "Of Beatrice de' Portinari"
ダンテ・アリギエーリ
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ訳
「ベアトリーチェ・デ・ポルティナーリ、諸聖人の日に」
つい先日、諸聖人の祝日に、
若い女の人が集まっていた。
先頭の人がいちばんきれいで、
お供として愛の神がそばにいた。
じっと見つめる目は炎を発していて、
その火のなか魂が生きて宿っていた。
目が離せなかったぼくは思った、
疑わなかった、今、天使を見ている、と。
歩きながらその人は軽くおじぎをして、
偉い人たちにあいさつしていた。
魂を清め、気高い思いを分け与えていた。
そう、あれはまさに天国から来た人。
ぼくたちのために、ここ地上にいてくれる人。
あの人に会えたら、ここが天国になる……
*****
Dante Alighieri
Tr. Dante Gabriel Rossetti
"Of Beatrice de' Portinari, on All Saints' Day"
Last All Saints' holy-day, even now gone by,
I met a gathering of damozels:
She that came first, as one doth who excels,
Had Love with her, bearing her company:
A flame burned forward through her steadfast eye,
As when in living fire a spirit dwells:
So, gazing with the boldness which prevails
O'er doubt, I knew an angel visibly.
As she passed on, she bowed her mild approof
And salutation to all men of worth,
Lifting the soul to solemn thoughts aloof.
In Heaven itself that lady had her birth,
I think, and is with us for our behoof:
Blessed are they who meet her on the earth.
http://www.rossettiarchive.org/docs/1-1886.1sted.vol2.rad.html
*****
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ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ訳
「ベアトリーチェ・デ・ポルティナーリ、諸聖人の日に」
つい先日、諸聖人の祝日に、
若い女の人が集まっていた。
先頭の人がいちばんきれいで、
お供として愛の神がそばにいた。
じっと見つめる目は炎を発していて、
その火のなか魂が生きて宿っていた。
目が離せなかったぼくは思った、
疑わなかった、今、天使を見ている、と。
歩きながらその人は軽くおじぎをして、
偉い人たちにあいさつしていた。
魂を清め、気高い思いを分け与えていた。
そう、あれはまさに天国から来た人。
ぼくたちのために、ここ地上にいてくれる人。
あの人に会えたら、ここが天国になる……
*****
Dante Alighieri
Tr. Dante Gabriel Rossetti
"Of Beatrice de' Portinari, on All Saints' Day"
Last All Saints' holy-day, even now gone by,
I met a gathering of damozels:
She that came first, as one doth who excels,
Had Love with her, bearing her company:
A flame burned forward through her steadfast eye,
As when in living fire a spirit dwells:
So, gazing with the boldness which prevails
O'er doubt, I knew an angel visibly.
As she passed on, she bowed her mild approof
And salutation to all men of worth,
Lifting the soul to solemn thoughts aloof.
In Heaven itself that lady had her birth,
I think, and is with us for our behoof:
Blessed are they who meet her on the earth.
http://www.rossettiarchive.org/docs/1-1886.1sted.vol2.rad.html
*****
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画像 2020
画像 2020
1. 真鶴
三ツ石:引き潮の時に道があらわれる
その向かって左の岩
ウツボ
ウニ
夜明けの海岸
2. 横浜
夜
その 2
その内部
朝、ハンマーヘッド付近
https://www.hammerhead.co.jp/history/
朝 2
赤レンガ脇の建物跡
夜の桟橋
朝
夜明け直前
夜明け(なぜこちらのほうが暗く写る?)
オブジェ
オブジェ 2
3. アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)
ピカソ:ウォーホルのポートレイトの元ネタか
天使:美しい虚構
椅子
最近の展示
その 2
4. ベーゼンドルファーがやってきた
*****
商用・盗用・悪用禁止
1. 真鶴
三ツ石:引き潮の時に道があらわれる
その向かって左の岩
ウツボ
ウニ
夜明けの海岸
2. 横浜
夜
その 2
その内部
朝、ハンマーヘッド付近
https://www.hammerhead.co.jp/history/
朝 2
赤レンガ脇の建物跡
夜の桟橋
朝
夜明け直前
夜明け(なぜこちらのほうが暗く写る?)
オブジェ
オブジェ 2
3. アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)
ピカソ:ウォーホルのポートレイトの元ネタか
天使:美しい虚構
椅子
最近の展示
その 2
4. ベーゼンドルファーがやってきた
*****
商用・盗用・悪用禁止
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横浜クイズ
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Secundus, "Elegia V"
ヨハネス・セクンドゥス
エレギア 1.5
君のために、ぼくは心乱れたまま生きていくのかな?
ぼくの笑いも涙も君しだい、ってこと?
美しい君への恋わずらいで、ぼくは早死にするのかな?
死の女王ペルセポネに、もう呼ばれてる気がするし。
君が、燃えるぼくの思いを冷たく拒んでも、
優しくぼくに身をゆだねてくれても、結局ぼくは死に追われてる。
恋が実らないなら生きていけない、
この世の人々のあいだでも、なんなら神の世界でも。
むしろ、君、命より大事な君に抱かれて死にたい。
君の腕のなか、いっしょに倒れこみたい。
君のすべすべの首にぶら下がって何回も死にたい。
高い木で首を吊るくらいなら。
傲慢で冷たいアナクサレテへの復讐のために、イピスは
首を吊ったっけ。悲しく重い体で首がぐにゃっと折れて。
そういうのが恋の結末、というか最初からわかってること。
あああ、悲しい星の下に生まれてるよね、恋する人って。
でも、そんな悲しい光がよい知らせに見えることもある。
ぼくを照らす星の火のような目で、君がぼくを見てくれたなら。
笑ってくれたりこわい目をしたりして、君はぼくに
生きる喜びをくれたり拒んだり、死ぬ思いをくれたり拒んだり。
お願い、ぼくを死なせないで。命と光をちょうだい、お願い。
ぼくを殺しても、ぜんぜんたいした勝利じゃない。
珊瑚みたいな唇を鳩みたいに、ぼくの唇にくっつけて。
舌と歯にちゃんと仕事をさせて。
ぼくに百回して。千回して。熟した果実みたいなキスを。
もうひとつ、あれもしたいな、輝く君と。そしたらもう、ぼくは神。
え、そのあれも、百回じゃなくて数回のキスもしてくれないの?
濡れた唇をぼくの唇にくっつけてくれないの?
舌と歯の戦いって、君、はじめて?
イタリアの女の子たちよりずっとかわいい口してるのに。
君のほうがきれいなんだから、君のほうが上手なはず。
ぼくの言葉を信じてさえくれたらな。神さま、力を貸して。
カオニアの鳩よりに負けないくらい、いやらしいことしよう。
すべてを求めるユピテルの欲望以上に楽しいことしよう。
だって、こわい顔してしわをつくってもしょうがないでしょ?
おでことか、そのうち、いやでもしわになるから。
せっかくのきらきらの目なのに、眉を下げて細目でにらむとか、
よくなくない? 黒い髪で目を全部隠すのもダメだって。
そのうち、光らない目がくぼみに隠れるようになって、
白髪の頭が雪山みたいになる。
そうなったら、もう青白い唇でキスを求めたって無理。
鈍った目の光じゃ、男の心は貫けない。
もう花の冠を玄関に飾りにくる男もいなくなる。
窓の外で歌ってくれる男も、ね。
そんなのいやじゃない? だから運命の女神たちが命の糸を切っちゃう
前に、若くてきれいな人生の春のうちに、薔薇の花を摘んだらどう?
摘まれない薔薇は自然にうなだれて倒れてく。
倒れた薔薇に残っているのは、相手にされない棘だけ。
でも、君にはぼくがいる。いっしょにいい香りの贈りものを摘んであげる。
いっしょに花咲く道を歩いてあげる。
ウェヌスの露できらきらの楽園を歩こうよ。
美しい花の女神さま、君の庭も見に行こうよ。
そこで、すみれや紫の水仙を
やわらかい指先で優しく摘んで。
ぼくはいろんな花で冠を編んであげる。
それを君の頭に載せてあげる、ね、ユリア。
さ、銀梅花の淡い陰のなか、木にもたれてすわって。
でも次に、軽い足どりで、笑いながらぼくを追いかけて。
さ、今度は色づいた草のなかにぼくを倒してみて。
今度はぼくが笑いながら、一生懸命逃げる君をぐるぐる追いかけるから。
そんなこんなしてるぼくたちにアポロが嫉妬して
金色の見張り台から出てきて、ぼくの熱気をさらに倍にしてきたら、
ね、君、燃えあがるぼくを気持ちよく冷ましてくれる風のような君、
薔薇の香りでいっぱいの唇から湿った息を吹きかけて。
それをぼくは、はぁはぁあえいで燃えるかまどみたいな口で受けとって、
焼け焦げた胸の底に送りこみたいな。
そうして、ぼくを焼き殺す炎を消せたらいいのに。世界中の川の水と
海の水、ぜんぶ飲んでも消えない炎なんだから。
純金のように光る目で誰を見つめるの?
ふっくらした指、すてきな足にさわっていいのは誰?
白い乳の胸と乳首を包む苦しそうな帯、ほどくのは誰?
笑顔と優しい言葉は誰のためにとってるの?
その髪型は誰の好み?
いつか君からキスをもらえる恋人は、なんて幸せなんだろね?
とか言って、でも君は、全部、あの気持ち悪い奴のために
とっておくんだよね? レテの川に舟を走らせるカロンのために。
まずカロンに抱きしめられて、次に冥界の神ディスにキスされるとか、
三重の女神ディアナがいちばん嫌がること、いちばん恐れることなんだけど。
死んだ大昔の男たちも君に群がってくるだろうね、
目の穴はあっても目玉がなくて、どす黒い頬をした奴らが。
パリスとか、テセウスとか、浮気者のイアソンとか。
君はきれいだから死後の国でも人気者。
でも、王の亡霊に愛されてもうれしくないはず。
まだ生きているぼくのほうがいいはず。
抱きしめあう腕のなかで逝ったら気持ちいいはず。
ぼくも君の胸と腰に全身全霊で倒れこんで気持ちいいはず。
キスをしながら魂を吐き出して、
キスをしながら魂をもらう。
あれ、これ、ぼくの魂? これはまぶしい君の? 君のだったらいいな。
そしたら、ぼくは君の胸で、君はぼくの胸で、生きることになるから。
こんなふうに愛しあって、春のような若さを満喫したいものだよね。
闇のなか、あの王さま、つまり永遠の死がやってくるから。
若いみんな、ぼくたちはため息をついてるけど、
前も見ずにとぼとぼ歩いてるけど、
酔ってくだらないこと言いながらからかいあってるけど、
でも、急に顔に色が戻ることもある。
こう思ってくれるかな? いい恋に燃えたこともあったんだ、って。
ぼくたちの苦しみが生んだ詩は、いつか読まれるようになるんだから。
*****
Johannes Secundus
Elegia 1.5
Una meas igitur versabit femina curas?
Unaque mi risus, unaque fletus erit?
Una mihi dulces facies moderabitur annos?
Quos mihi Persephone non volet esse diu.
5. Nam seu dura meos illa aversabitur ignes,
Seu facilem sese dat mihi, morte premor.
Nec mihi vita potest duci sub amore sinistro,
Inter mortales nec locus esse Deo.
Sed potius moriar te te, mea vita, tenendo,
10. Inque tuos humeros funera nostra cadant.
Funera de tereti melius pendentia collo,
Quam si sublimi de trabe nexa forent.
Qualis Anaxaretes fastum puer ultus amarum,
Flebile curvata fauce pependit onus.
15. Exitus aut sic est, aut sic sperandus amanti.
O, natum tristi sydere quisquis amat.
Sed tamen in melius haec omina tristia vertent
Lumina, sydereis quae mihi pro facibus,
Aspectu laeto, torva seu luce, negantque,
20. Dantque frui vita, dantque, negantque mori.
Quaeso, negate mori, vitam date lumina, quaeso,
Non sum de cuius morte triumphus eat.
Labra columbatim committe corallina labris,
Nec vacet officio linguave, densve suo.
25. Et mihi da centum, da mitia basia mitia mille,
Da super haec aliquid, lux mea, numen ero.
Nec super haec aliquid, nec vis dare basia pauca,
Labra nec humidulis continuare labris,
Notaque nec dentis, nec sunt tibi proelia linguae,
30. Exsuperas Latias et tamen ore nurus.
Quas superas facie, iam iam superabis et arte,
Dent modo Dii nostris versibus esse fidem.
Nos neque Chaonii vincet lascivia nidi,
Nec Iovis omnivoli deliciosus amor.
35. Nam tibi quid prosit faciem corrumpere rugis?
Hae venient fronti, nec mora longa, tuae.
Quidve superciliis oculos onerare nitentes?
Nec tota nigras spargere fronte comas?
Tempus erit, cariosa specu cum lumina condes,
40. Canus et in gelido vertice crinis erit.
Tunc frustra labris pallentibus oscula quaeres,
Atque aliquem obtusis figere luminibus.
Nulla corona tuos ornabit florida postes,
Cantabit muto limine nullus amans.
45. Quin potius dum fata sinunt, et nigra Sororum
Stamina, verque viret nobile, carpe rosas,
Quae nisi carpentur, languebunt sponte, cadentque,
Et stabit lapsis spina inhonora rosis.
En tibi qui tecum redolentia munera carpet,
50. Tecum florentes et parat ire vias.
Sparsa Dionaeo viridaria rore teremus,
Visemusque hortos Flora decora tuos.
Illic et violas, et purpureos Narcissos
Decerpes teneris molliter unguiculis.
55. Ipse tibi nectam vario de flore corollas,
Imponamque tuis Iulia temporibus.
Iamque sub umbrosa recubabis languida Myrto,
Et modo me celeri laeta sequêre pede,
Iamque colorata provolvar lentus in herba,
60. Et modo te celerem per loca laeta sequar.
Interea has flammas mihi si duplicarit eunti
Invidus aurata Cynthius e specula,
Tu tu sola meis iucunda caloribus aura,
Humida de roseis flamina funde labris,
65. Quae suscepta meis fornacibus oris anheli
Usque sub ambusti pectoris ima meent,
Restinguantque rogum, quem nec vaga flumina terrae,
Tota nec exhausti frigeret unda maris.
Lumina cui servas aurum iaculantia purum?
70. Cui teretes digitos, artificemque pedem?
Fascia lacteolis cui stat distenta papillis?
Cui risus? et cui mollia verba paras?
Cuius dispositus nutritur crinis in usum?
Oscula felicis cuius erunt domini?
75. Ilicet ingrato servaveris omnia Nautae,
Lethaeam veteri qui rate verrit aquam.
Huius ab amplexu venies ad basia Ditis,
Maxima tergeminae cura timorque Deae.
In te turba ruent aevi violenta prioris,
80. Luminibusque cavis, pallidulisque genis,
Et Paris, et Theseus, et non bene fidus Iason,
Haec veniet formae maxima fama tuae.
Quare ne tibi sit tanti regalibus umbris
Posse frui; ut vivus sim tibi vilis ego,
85. Te iuvet in nostris positam languere lacertis,
Me iuvet in gremio vita cubare tuo.
Et cum saviolis animam deponere nostris,
Eque tuis animam sugere saviolis,
Sive meam, Lux, sive tuam; sed sit tua malim,
90. Ipse tuo ut spirem pectore, tuque meo.
Tali vernantem satiemus amore iuventam;
Mors venit aeterna cincta caput nebula.
At vos qui iuvenes suspiria nostra notatis,
Et fractos oculos, et sine mente gradum,
95. Ebria ridentes nullo cum pondere verba,
Et si quis subito venit in ora color,
Postmodo dicetis non infeliciter arsit,
Praemia cum nostri nota laboris erunt.
http://www.wernergelderblom.nl/editie/index.html
(htmlのtxt化にともない順次修正)
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かまいません。
商用・盗用・悪用などはないようお願いします。
エレギア 1.5
君のために、ぼくは心乱れたまま生きていくのかな?
ぼくの笑いも涙も君しだい、ってこと?
美しい君への恋わずらいで、ぼくは早死にするのかな?
死の女王ペルセポネに、もう呼ばれてる気がするし。
君が、燃えるぼくの思いを冷たく拒んでも、
優しくぼくに身をゆだねてくれても、結局ぼくは死に追われてる。
恋が実らないなら生きていけない、
この世の人々のあいだでも、なんなら神の世界でも。
むしろ、君、命より大事な君に抱かれて死にたい。
君の腕のなか、いっしょに倒れこみたい。
君のすべすべの首にぶら下がって何回も死にたい。
高い木で首を吊るくらいなら。
傲慢で冷たいアナクサレテへの復讐のために、イピスは
首を吊ったっけ。悲しく重い体で首がぐにゃっと折れて。
そういうのが恋の結末、というか最初からわかってること。
あああ、悲しい星の下に生まれてるよね、恋する人って。
でも、そんな悲しい光がよい知らせに見えることもある。
ぼくを照らす星の火のような目で、君がぼくを見てくれたなら。
笑ってくれたりこわい目をしたりして、君はぼくに
生きる喜びをくれたり拒んだり、死ぬ思いをくれたり拒んだり。
お願い、ぼくを死なせないで。命と光をちょうだい、お願い。
ぼくを殺しても、ぜんぜんたいした勝利じゃない。
珊瑚みたいな唇を鳩みたいに、ぼくの唇にくっつけて。
舌と歯にちゃんと仕事をさせて。
ぼくに百回して。千回して。熟した果実みたいなキスを。
もうひとつ、あれもしたいな、輝く君と。そしたらもう、ぼくは神。
え、そのあれも、百回じゃなくて数回のキスもしてくれないの?
濡れた唇をぼくの唇にくっつけてくれないの?
舌と歯の戦いって、君、はじめて?
イタリアの女の子たちよりずっとかわいい口してるのに。
君のほうがきれいなんだから、君のほうが上手なはず。
ぼくの言葉を信じてさえくれたらな。神さま、力を貸して。
カオニアの鳩よりに負けないくらい、いやらしいことしよう。
すべてを求めるユピテルの欲望以上に楽しいことしよう。
だって、こわい顔してしわをつくってもしょうがないでしょ?
おでことか、そのうち、いやでもしわになるから。
せっかくのきらきらの目なのに、眉を下げて細目でにらむとか、
よくなくない? 黒い髪で目を全部隠すのもダメだって。
そのうち、光らない目がくぼみに隠れるようになって、
白髪の頭が雪山みたいになる。
そうなったら、もう青白い唇でキスを求めたって無理。
鈍った目の光じゃ、男の心は貫けない。
もう花の冠を玄関に飾りにくる男もいなくなる。
窓の外で歌ってくれる男も、ね。
そんなのいやじゃない? だから運命の女神たちが命の糸を切っちゃう
前に、若くてきれいな人生の春のうちに、薔薇の花を摘んだらどう?
摘まれない薔薇は自然にうなだれて倒れてく。
倒れた薔薇に残っているのは、相手にされない棘だけ。
でも、君にはぼくがいる。いっしょにいい香りの贈りものを摘んであげる。
いっしょに花咲く道を歩いてあげる。
ウェヌスの露できらきらの楽園を歩こうよ。
美しい花の女神さま、君の庭も見に行こうよ。
そこで、すみれや紫の水仙を
やわらかい指先で優しく摘んで。
ぼくはいろんな花で冠を編んであげる。
それを君の頭に載せてあげる、ね、ユリア。
さ、銀梅花の淡い陰のなか、木にもたれてすわって。
でも次に、軽い足どりで、笑いながらぼくを追いかけて。
さ、今度は色づいた草のなかにぼくを倒してみて。
今度はぼくが笑いながら、一生懸命逃げる君をぐるぐる追いかけるから。
そんなこんなしてるぼくたちにアポロが嫉妬して
金色の見張り台から出てきて、ぼくの熱気をさらに倍にしてきたら、
ね、君、燃えあがるぼくを気持ちよく冷ましてくれる風のような君、
薔薇の香りでいっぱいの唇から湿った息を吹きかけて。
それをぼくは、はぁはぁあえいで燃えるかまどみたいな口で受けとって、
焼け焦げた胸の底に送りこみたいな。
そうして、ぼくを焼き殺す炎を消せたらいいのに。世界中の川の水と
海の水、ぜんぶ飲んでも消えない炎なんだから。
純金のように光る目で誰を見つめるの?
ふっくらした指、すてきな足にさわっていいのは誰?
白い乳の胸と乳首を包む苦しそうな帯、ほどくのは誰?
笑顔と優しい言葉は誰のためにとってるの?
その髪型は誰の好み?
いつか君からキスをもらえる恋人は、なんて幸せなんだろね?
とか言って、でも君は、全部、あの気持ち悪い奴のために
とっておくんだよね? レテの川に舟を走らせるカロンのために。
まずカロンに抱きしめられて、次に冥界の神ディスにキスされるとか、
三重の女神ディアナがいちばん嫌がること、いちばん恐れることなんだけど。
死んだ大昔の男たちも君に群がってくるだろうね、
目の穴はあっても目玉がなくて、どす黒い頬をした奴らが。
パリスとか、テセウスとか、浮気者のイアソンとか。
君はきれいだから死後の国でも人気者。
でも、王の亡霊に愛されてもうれしくないはず。
まだ生きているぼくのほうがいいはず。
抱きしめあう腕のなかで逝ったら気持ちいいはず。
ぼくも君の胸と腰に全身全霊で倒れこんで気持ちいいはず。
キスをしながら魂を吐き出して、
キスをしながら魂をもらう。
あれ、これ、ぼくの魂? これはまぶしい君の? 君のだったらいいな。
そしたら、ぼくは君の胸で、君はぼくの胸で、生きることになるから。
こんなふうに愛しあって、春のような若さを満喫したいものだよね。
闇のなか、あの王さま、つまり永遠の死がやってくるから。
若いみんな、ぼくたちはため息をついてるけど、
前も見ずにとぼとぼ歩いてるけど、
酔ってくだらないこと言いながらからかいあってるけど、
でも、急に顔に色が戻ることもある。
こう思ってくれるかな? いい恋に燃えたこともあったんだ、って。
ぼくたちの苦しみが生んだ詩は、いつか読まれるようになるんだから。
*****
Johannes Secundus
Elegia 1.5
Una meas igitur versabit femina curas?
Unaque mi risus, unaque fletus erit?
Una mihi dulces facies moderabitur annos?
Quos mihi Persephone non volet esse diu.
5. Nam seu dura meos illa aversabitur ignes,
Seu facilem sese dat mihi, morte premor.
Nec mihi vita potest duci sub amore sinistro,
Inter mortales nec locus esse Deo.
Sed potius moriar te te, mea vita, tenendo,
10. Inque tuos humeros funera nostra cadant.
Funera de tereti melius pendentia collo,
Quam si sublimi de trabe nexa forent.
Qualis Anaxaretes fastum puer ultus amarum,
Flebile curvata fauce pependit onus.
15. Exitus aut sic est, aut sic sperandus amanti.
O, natum tristi sydere quisquis amat.
Sed tamen in melius haec omina tristia vertent
Lumina, sydereis quae mihi pro facibus,
Aspectu laeto, torva seu luce, negantque,
20. Dantque frui vita, dantque, negantque mori.
Quaeso, negate mori, vitam date lumina, quaeso,
Non sum de cuius morte triumphus eat.
Labra columbatim committe corallina labris,
Nec vacet officio linguave, densve suo.
25. Et mihi da centum, da mitia basia mitia mille,
Da super haec aliquid, lux mea, numen ero.
Nec super haec aliquid, nec vis dare basia pauca,
Labra nec humidulis continuare labris,
Notaque nec dentis, nec sunt tibi proelia linguae,
30. Exsuperas Latias et tamen ore nurus.
Quas superas facie, iam iam superabis et arte,
Dent modo Dii nostris versibus esse fidem.
Nos neque Chaonii vincet lascivia nidi,
Nec Iovis omnivoli deliciosus amor.
35. Nam tibi quid prosit faciem corrumpere rugis?
Hae venient fronti, nec mora longa, tuae.
Quidve superciliis oculos onerare nitentes?
Nec tota nigras spargere fronte comas?
Tempus erit, cariosa specu cum lumina condes,
40. Canus et in gelido vertice crinis erit.
Tunc frustra labris pallentibus oscula quaeres,
Atque aliquem obtusis figere luminibus.
Nulla corona tuos ornabit florida postes,
Cantabit muto limine nullus amans.
45. Quin potius dum fata sinunt, et nigra Sororum
Stamina, verque viret nobile, carpe rosas,
Quae nisi carpentur, languebunt sponte, cadentque,
Et stabit lapsis spina inhonora rosis.
En tibi qui tecum redolentia munera carpet,
50. Tecum florentes et parat ire vias.
Sparsa Dionaeo viridaria rore teremus,
Visemusque hortos Flora decora tuos.
Illic et violas, et purpureos Narcissos
Decerpes teneris molliter unguiculis.
55. Ipse tibi nectam vario de flore corollas,
Imponamque tuis Iulia temporibus.
Iamque sub umbrosa recubabis languida Myrto,
Et modo me celeri laeta sequêre pede,
Iamque colorata provolvar lentus in herba,
60. Et modo te celerem per loca laeta sequar.
Interea has flammas mihi si duplicarit eunti
Invidus aurata Cynthius e specula,
Tu tu sola meis iucunda caloribus aura,
Humida de roseis flamina funde labris,
65. Quae suscepta meis fornacibus oris anheli
Usque sub ambusti pectoris ima meent,
Restinguantque rogum, quem nec vaga flumina terrae,
Tota nec exhausti frigeret unda maris.
Lumina cui servas aurum iaculantia purum?
70. Cui teretes digitos, artificemque pedem?
Fascia lacteolis cui stat distenta papillis?
Cui risus? et cui mollia verba paras?
Cuius dispositus nutritur crinis in usum?
Oscula felicis cuius erunt domini?
75. Ilicet ingrato servaveris omnia Nautae,
Lethaeam veteri qui rate verrit aquam.
Huius ab amplexu venies ad basia Ditis,
Maxima tergeminae cura timorque Deae.
In te turba ruent aevi violenta prioris,
80. Luminibusque cavis, pallidulisque genis,
Et Paris, et Theseus, et non bene fidus Iason,
Haec veniet formae maxima fama tuae.
Quare ne tibi sit tanti regalibus umbris
Posse frui; ut vivus sim tibi vilis ego,
85. Te iuvet in nostris positam languere lacertis,
Me iuvet in gremio vita cubare tuo.
Et cum saviolis animam deponere nostris,
Eque tuis animam sugere saviolis,
Sive meam, Lux, sive tuam; sed sit tua malim,
90. Ipse tuo ut spirem pectore, tuque meo.
Tali vernantem satiemus amore iuventam;
Mors venit aeterna cincta caput nebula.
At vos qui iuvenes suspiria nostra notatis,
Et fractos oculos, et sine mente gradum,
95. Ebria ridentes nullo cum pondere verba,
Et si quis subito venit in ora color,
Postmodo dicetis non infeliciter arsit,
Praemia cum nostri nota laboris erunt.
http://www.wernergelderblom.nl/editie/index.html
(htmlのtxt化にともない順次修正)
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