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東寺 2016

東寺
201612




























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武相荘 2017

武相荘(鶴川)
201701








*****
ニールと。

Neil (1): Jumping Jack
Neil (2): Photos from Thailand
Neil (3)
Neil (4): Rebuilding House

*****
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From Franklin, Poor Richard's Almanack, 1737

ベンジャミン・フランクリン
『リチャードのカレンダー』(1737年)より
(いい法律家は嫌な隣人)

そうそう、この者たちは仲よくつるむ、
牧師、法律家、死神の三人組。
弱かろうが強かろうが誰もが死神に連れて行かれる。
正しかろうが悪かろうがみんな法律家に金をむしられ、
生きていようが死後だろうが誰もが牧師の金づるだ。

*****
Benjamin Franklin
From Poor Richard's Almanack, 1737
("A good Lawyer a bad Neighbour")

Certainlie these things agree,
The Priest, the Lawyer, & Death all three:
Death takes both the weak and the strong.
The lawyer takes from both right and wrong,
And the priest from living and dead has his Fee.

http://www.vlib.us/amdocs/texts/prichard34.html

*****
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Bridge, Three Songs with Viola

フランク・ブリッジ
「三つの歌:ヴィオラとともに」


1. 遠く、遠く、離れ離れに
マシュー・アーノルド (1822-1888)

遠く、遠く、離れ離れに、
わたしたちの魂は羽ばたき、別れた。
人の心がわかる人なんていない。
そう、自分の心だって、わかる人なんて誰もいない!

吹いて、風のみんな! わたしを舞いあがらせて!
ここは荒地、
抱きしめて、〈自然〉の母さん!
あなたの子を、あなたの腕に。

お願い、わたしの気持ちを静めて! 落ちつかせて、
そして涙を乾かせて、
あなたの高い山の上で、
〈朝〉の最初の光で。


2. どこに行くの、魂は?
ハインリヒ・ハイネ
(英訳 ケイト・フライリグロート=クローカー)

教えて、
わたしたちが死んだら、
どこに行くの、魂は?
どこ? どこに行くの、火は? 消えてしまったら?
どこ、風は?
どこに行ったの、さっき吹いていた風は?
どこ? どこに?
どこに行くの、魂は?
わたしたちが死んだら?


3. 歌は、声が静かに死に、消えても
パーシー・ビッシュ・シェリー

歌は、声が静かに死に、消えても、
響く、記憶のなかに。
香りは、きれいな菫(すみれ)が病んでも、
残る、菫の香りで甦った心のなかに。

薔薇の花びらは、花が枯れ、死んでも、
あふれるほどに飾られる、愛しい人のベッドに。
わたしの想いもそう。あなたが去っても残り、
〈愛〉の神のベッドを飾る、あふれるほどに。


*****
Frank Bridge (1879-1941)
Three Songs with Viola


1. Far, far from each other
Matthew Arnold (1822-1888)

Far, far from each other
Our spirits have flown;
And what heart knows another?
Ah! who knows his own?

Blow, ye winds! lift me with you.
I come to the wild.
Fold closely, O Nature!
Thine arms round thy child.

Ah! calm me! restore me;
And dry up my tears
On thy high mountain-platforms,
Where morn first appears.


2. Where is it that our soul doth go?
Heinrich Heine (1797-1856)
(tr. Kate Freiligrath-Kroeker, 1845-1904)

One thing I'd know,
When we have perished,
Where is it that our soul doth go?
Where, where is the fire, that is extinguished?
Where is the wind?
Where is the wind but now did blow?
Where is it? Where is it?
Where is it that our soul doth go?
When we have perished.


3. Music, when soft voices die
Percy Bysshe Shelley (1792-1822)

Music, when soft voices die,
Vibrates in the memory.---
Odours, when sweet violets sicken,
Live within the sense they quicken.

Rose leaves, when the rose is dead,
Are heaped for the beloved's bed---
And so my thoughts, when thou art gone,
Love itself shall slumber on. . .


http://www.lieder.net/lieder/assemble_texts.html?SongCycleId=9
(一部編集---下記の改変をもとに戻したわけではない。)

*****
アーノルドの詩は "Parting" からの抜粋。
改変あり。オリジナルは、婚約者以外の女性に
惹きつけられた男性詩人がその女性との別れの
つらさを語るもの。

ハイネの英訳はオリジナルでは四行。

シェリーの詩にも改変あり。

*****
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Marvell, "The Garden"

アンドリュー・マーヴェル
「庭園」

馬鹿すぎる、無我夢中にがんばって
勝利の棕櫚(しゅろ)、権力の樫、名声の月桂を求めるなんて。
休むことなく働いて、
その報酬が草枝の冠だけなんて。
けちな細枝のせまい陰では、
日差しと熱さは防げない。
花と木が集まるところにこそ
大きな花冠と休らぎがあるのに。

美しい〈休息〉の少女、見いつけた!
君のかわいい妹の〈無垢〉も、見いつけた!
ぼくはずっと勘違いしていた。君たちを
人が集まるにぎやかなところに探していた。
棕櫚や樫や月桂の聖なる木をこの世で探すなら、
自然のなかを見るべきだった。
人の集まる都市など野蛮、
孤独で楽しいこの庭園に比べれば。

どんな白や赤でも敵わない。
ここの緑がいちばん人を恋に誘う。
恋に燃えるひどい男たちは
木に愛しい女の名を刻む。
かわいそうに、彼らは知らない、気づいていない、
女よりも木のほうがずっと美しいのに!
そう、きれいだ! 木の君たち! どんな文字を
刻んでも、それは結局君たちの名。

人の熱く、抑えられない欲望に追われ、
〈愛〉の神はここ、いちばんの隠れ処(が)に逃げこむ。
神々に狙われ、追いかけられる美しい女たちも、
いつもここで草木に変身する。
アポロンがダプネを狩るように追ったのは、
彼女を月桂に変身させたかったから。
パンが走って求めたのは、
ニンフのシュリンクスではなく、葦笛になった彼女。

まさに最高、ここでのくらしは!
熟れた林檎が上から落ちてきてくれる。
房をなして輝く葡萄が
口にワインを注いでくれる。
椿桃や他のおいしい桃が
ぼくの手に向かって手をのばす。
つまづけばそこにはメロン、
花の罠にかかって転べばそこは草のベッド。

一方心は、低次なからだの喜びから
隠遁し、より高次な幸せに浸る。
心とは海、この世のすべてのものの
像が宿る、そんな海。
むしろ心はつくる、それらを超える
別の世界を、別の海を。
この世のすべてのものは消え、
緑の木陰で緑の想いと化していく。

ほとばしる噴水の近くで、
または果物の木陰の苔の上で、
からだという服を脱ぎ棄て、
心は枝に入りこんで昇っていく。
鳥のように枝にとまって歌いながら、
銀の翼を繕い整える。
遠くに飛びたつ準備をしつつ、
羽を波打つ七色の光に輝かせる。

あの楽園の庭でもそうだった。
アダムはそこでひとり歩き、幸せだった、イヴがいない頃。
汚れなく美しかったあの場所以上に
汚れなく美しい助け手などいるわけない。
が、人には許されなかった、
あそこでひとりで生きるなど。
まさに二重の楽園だから、
楽園をひとり占めすることは。

熟練庭師がここにつくった
見事な最新式の花時計。
天のやさしい日の光が
花の香る十二宮を駆けぬける。
働き蜂たちは、働きながら
時を見る。人もそう。
美しく実りある時間は
草花の時計でなくてはわからない!

*****
Andrew Marvell
"The Garden"

How vainly men themselves amaze
To win the palm, the oak, or bays;
And their uncessant labors see
Crowned from some single herb or tree,
Whose short and narrow-vergèd shade
Does prudently their toils upbraid;
While all the flowers and trees do close
To weave the garlands of repose.

Fair Quiet, have I found thee here,
And Innocence, thy sister dear!
Mistaken long, I sought you then
In busy companies of men:
Your sacred plants, if here below,
Only among the plants will grow;
Society is all but rude,
To this delicious solitude.

No white nor red was ever seen
So amorous as this lovely green;
Fond lovers, cruel as their flame,
Cut in these trees their mistress' name.
Little, alas, they know or heed,
How far these beauties hers exceed!
Fair trees! wheresoe'er your barks I wound
No name shall but your own be found.

When we have run our passion's heat,
Love hither makes his best retreat:
The gods who mortal beauty chase,
Still in a tree did end their race.
Apollo hunted Daphne so,
Only that she might laurel grow,
And Pan did after Syrinx speed,
Not as a nymph, but for a reed.

What wondrous life is this I lead!
Ripe apples drop about my head;
The luscious clusters of the vine
Upon my mouth do crush their wine;
The nectarine and curious peach
Into my hands themselves do reach;
Stumbling on melons as I pass,
Insnared with flowers, I fall on grass.

Meanwhile the mind, from pleasure less,
Withdraws into its happiness:
The mind, that ocean where each kind
Does straight its own resemblance find;
Yet it creates, transcending these,
Far other worlds, and other seas;
Annihilating all that's made
To a green thought in a green shade.

Here at the fountain's sliding foot,
Or at some fruit-tree's mossy root,
Casting the body's vest aside,
My soul into the boughs does glide:
There like a bird it sits and sings,
Then whets and combs its silver wings;
And, till prepared for longer flight,
Waves in its plumes the various light.

Such was that happy garden-state,
While man there walked without a mate:
After a place so pure and sweet,
What other help could yet be meet!
But 'twas beyond a mortal's share
To wander solitary there:
Two paradises 'twere in one
To live in Paradise alone.

How well the skillful gard'ner drew
Of flowers and herbs this dial new;
Where from above the milder sun
Does through a fragrant zodiac run;
And, as it works, th' industrious bee
Computes its time as well as we.
How could such sweet and wholesome hours
Be reckoned but with herbs and flowers!

http://www.luminarium.org/sevenlit/marvell/garden.htm

*****
キーワード:
隠遁 retirement
心の安定 ataraxia
食べものがみずから人のところにやってくる sponte sua
ホラティウス Horace
オウィディウス Ovid
ピューリタン Puritan
千年王国、千年王国思想 Millenium, Millenarianism
黙示録 Apocalypse
終末論 eschatology

*****
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二十歳のソネット(フェリス、2016)

二十歳のソネット(フェリス、2016)

以下、30分でソネットをつくる、という
演習の学生作品より。若干加筆修正有。

ルールは次のとおり:
- 14行
- 8+6, 12+2 などの形式遵守・無視は自由
- 脚韻等不要
- 内容自由

*****
1.(いつも水槽で浮かんでいるだけのあなたは)

いつも水槽で浮かんでいるだけのあなたは
退屈ではないのだろうか
苦しくないのだろうか
ふわふわ流れに身を任せているだけで

目もよく見えず、耳なんてあるのかもわからない
だからこそあなたはとても敏感
少し触れただけですぐに相手を傷つける
まるで触るなと言っているかのように

時々そんなあなたがとても羨ましくなる
何も考えず、ふわふわ漂っているだけで
素敵な名前がつけられるのだから

いつか見たあなたの姿は
まさにその名前にぴったりだった
海に浮かぶ月なんて

Y. K.

*****
2.(なぜあなたの目に多くのもののが映るのだろう)

なぜあなたの目に多くのもののが映るのだろう
美しいもの汚いもの、すべてなくなればいい
わたしだけを除いて
わたしだっていろんなものを見て目移りする
世界には誘惑がたくさんあるから
でもわたしにはあなただけ、だから変えてしまおう
わたしの目に映る男は草になってしまえ
あなたの目に映る女は花になってしまえ

ほらね、素敵でしょう
草原にいるあなたと
お花畑にいるわたし
こうすればきっと本当の意味であなただけ
こうすればきっとあなたはわたしだけを見る
素敵でしょう

A. T.

*****
3.(そこにあるのは紅一色)

そこにあるのは紅一色
海の青と草原の緑を背に
君は輝いている
君を手に入れるために
矢を使えば傷つけてしまう
君を手に入れるために
木を揺さぶれば熟す前に落ちてしまう
ぼくには君とつながる手段がない

ぼくと君がいっしょになれる世界は
いったいどこにあるのだろう
思うにそれは存在しない
思うにそれは「死」だ
ぼくが君を手に入れられるのは
君が熟して地に落ちてきたときだけだ

S. S.

*****
4.(平和とは何なのだろうか)

平和とは何なのだろうか。
人と仲よくすること、けんかをしないこと……
様々な考え方があるだろう。

しかし今日もどこかで争いが起きている。
平和を目指すにはどうすればよいか。
人々が仲良くできるように手助けをする。

ではどのようにして手助けをするか。
まず、自分の考えを押し通せるほどの強さを手に入れる。
その強さとはどのようにして手に入れるのか。

強さをわかりやすく示すのは争いにおける勝利だ。
そうだ。結局、争わなけれ平和は目指せない。
完全なる和睦など存在しないのだ。

平和とは何なのだろうか。
今日もどこかで争いが起こる。

T. N.

*****
5.(君はひまわりが好きかい)

君はひまわりが好きかい。
僕は、太陽の光を一身に受け、
それに向かって手をのばすひまわりが
大好きだ。

私はひまわりがきらい。
太陽からの期待に応えるように
つねに上を向いて笑ってるようで、
無理してる少女みたい。

一緒に歩いた田舎道、
ひまわりを見た君の笑顔は
つくりものじゃなかったよ。

あなたは知らない。
あのひまわりはもういない。
種を落として消えてった。

S. S.

*****
6.(あれも欲しい、これも欲しい)

あれも欲しい、これも欲しい
世の中はたくさんのものであふれている
ちょっと、そこの彼女、私を見ておくれ
私はあなたと仲良くなれる
ちょっと、そこの彼女、僕を見ておくれ
僕はあなたと一緒にいたい
たくさんのものがわたしを呼んでいる
わたしも君らと仲良くなりたいけど、ひとりしか選べない。
ふたりとも、わたしに選ばれたいなら何かアピールせよ!
私はあなたを幸せにする
僕は彼女より価値が落ちるけど
それこそが僕のアピールポイントだ!
わたしは、「僕」、君を選ぶよ!
お財布にやさしい君が好きだ。

A. K.

*****
7.(今、私は深い海の中にいる)

今、私は深い海の中にいる。
私が目指すところは地上で、地上には私の糧がある。
だけど上に泳いでも泳いでも目の前には水。
早く地上に行かないと息が切れて死んでしまう。

あなたはきっと私とは違う地上の世界で幸せに生きているのだろう。
私はあなたに会いたくて必死に泳いでいるのに、
溺れかけているのに、あなたは助けようとしてくれない。
だって海の奥深くにわたしがいることを知らないから。

海の中も美しい。だけどあなたと一緒の地上の世界はもっと幸せだろう。
他の人に釣られそうになっても私は行かない。あなただけだから。

どんな危険も乗り越え、ひたすら先が見えない真っ暗な海を泳ぐ。
早くあなたの世界の光だけでいいから見たいのに。

私はもうすぐ息絶える。ようやくわかった、私には遠すぎる存在だということが。
あなたに会えずに私はもっと海深くへと沈んでしまいます。

K. I.

*****
8.(汚れを知らない真白な雪原に大きな黒い鳥が舞い降りた)

汚れを知らない真白な雪原に大きな黒い鳥が舞い降りた
広い世界を知っている、美しい鳥
ためらいなく受け入れて、遊ばせる雪原は鳥の邪悪さを知らない
疑いもせず、ただ信じて、広い世界に憧れていた

ある日落とされた裏切りの雨
飛びたつ鳥と、動けない雪原
降りしきる雨に打たれて、楽しい思い出が洗い流されていく
冷たく、暗い、裏切りの雨

汚されて、穢されて、落とされて、
残っているのは荒れた大地
戻れない、むなしい心
とけた雪が恨みの川となって
山を下り、海へ流れ、黒い鳥を追いかける、逃がさない
真白だった雪原はもうどこにもない

N. Y.

*****
9.(温かく冷たい笑顔でほほえみ、従う。)

温かく冷たい笑顔でほほえみ、従う。
王さまが満足する。ほうびを与える。
頭が暗く寒々しく喜んでいる。
心臓のことなどおかまいなしに。

心臓は傷つき血が流れている。
怒りに震えて、恐怖に震えて。
赤く、青く、墓場まで血を運んでいく。
心が泣いている。

顔の表面にいるあなたは誰?
私はあなたが恐ろしい。
冷たい目をした、感じの良い狡猾なあなたが。
王様から見て一番良い人、私から見て罪人のあなた。

このまま墓場に連れて行かれるつもりはない。
震えている心臓よ、剣を持て。

K. N.

*****
10.(あなたはいつも隣にいるのに)

あなたはいつも隣にいるのに
あなたはいつも話してくれるのに
あなたはいつも優しくしてくれるのに
どうしてわたしを選んでくれないの

私のほうがあなたと仲良くしてるのに
私のほうがあなたのことをよく知っているのに
私のほうがあなたのことを好きなのに
どうして私の隣にいる子を選んでしまうの

私は応援もできない
私はふたりを見ることもできない
私はその現実を受けいれられない

私があなたを想っている間ずっと
あなたが選ぶ人はいつも決まって
私の一番近くにいる人だった

N. S.

*****
11.(私は私が嫌いだ)



N. N.

*****
12.(真っ白なキャンバスに己の姿を描く)

真っ白なキャンバスに己の姿を描く
あの時はよかった
あの時は悪かった
これからはこうしたい

この手で色を足していく
描いて描いて描き続けていたら、ふと気づいた
色が混ざってくすんでいる

違う、望んで汚れてきた訳じゃない
願うはずなどない

でも赤、青、緑が混ざれば黒になる

過去は燃やして捨てよう
目の前に広がるのは白の世界
もう一度、手には三本の筆
そしてまた堕ちていく、灰の中へ

K. T.

*****
13.(わたし、あなたのお人形)

わたし、あなたのお人形
はじめて会ったとき、やさしい笑顔で声をかけてくれたね
日に日にあなたがわたしの頭の中いっぱいになったの
あなたとわたしの気持ちが同じになったとき
わたしってなんて幸せなんだろうって思った
毎日がぴんく色で世界が変わった気分!
わたし、あなたの言うことならなんでもきいてる
男の子の友だちはもうひとりもいない
女の子の友だちとも遊びに行かない
あなたの好きな髪色にして
あなたの好きな服を着る
まるでお人形みたいに

でもね、知ってるの
あなたがわたしみたいなお人形をたくさん持ってること

Y. S.

*****
14.(あなたは白い霧のなかにいる)

あなたは白い霧の中にいる
どれだけ手を伸ばしても
どんなに大声で名前を呼んでも
あなたを捕まえられない

想いは通じあっているはずなのに
いつになったらこの霧は消え去り
青空があらわれるのだろう
私にはわからない

私はこの霧の中ひとりで泣く
あなたに会えないとわかっていても
あなたへ伸ばした私の手、私の声を感じて

あなたが戻ってくることを想像する
いつか霧が晴れわたる青空に変わり
爽やかな風があなたを連れてくることを願って

K. S.

*****
15.(あと一歩、その一歩が踏み出せない)

あと一歩、その一歩が踏み出せない
夢はどんどん膨らんで私の胸を高鳴らせる
素敵な服を着て心は自由に踊る
何にも縛られず真っ直ぐ走り抜ける
ほら聴いて、周りの小鳥も歌ってる
太陽だって私を照らしてる
波の音も汽車の音も全部私のもの
私と一緒に躍ってる

朝になると真っ白なキャンバスに戻る
昨日描いた夢も現実に邪魔される
どうか神様、私に贈りものをください
高価なものはいりません
たった一つでいいのです
ほんの少しの勇気を私が持てたなら

M. A.

*****
盗用・商用・悪用禁止。著作権はそれぞれ作者に。


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ノート:詩の(よくて)変化・(悪くて)衰退

ノート:詩の(よくて)変化・(悪くて)衰退

(イギリスにおいて)詩がかつてのような文学・
娯楽の中心ではなくなった原因、およびその結果は、
次の点に尽きるのではないか。

どんな人・もの・こと・場所・生きかた・その他が
いいか悪いか、好きか嫌いか、というごくふつうの
話題・問題を扱う手段・媒体が、詩ではなくなった。
18世紀以降、小説・写真・映画・TV番組などへと
少しずつ移行してきた。

たとえば、下のジョンソンのエピグラム 94が描いて
いるのは、(ダンの諷刺は未読で知らないが、)
人や社会を笑う作品を楽しめる貴族女性。
今の日本でいうなら、諷刺的な漫才やコントを
見て楽しめる高学歴で知的で美しい女性、という感じ。

現在では、このような人物のイメージは、
小説・映画・TVドラマ・ニュースなどによって
提供される。詩ではなく。

(ポップ・ソングの歌詞には当然従来の詩の役割が
一部継承されているが、音・メロディがつくことによって
言葉の内容が相対的に重要ではなくなってきている。)

*****
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Jonson, Epigram 94 ("To Lucy, Countesse of Bedford")

ベン・ジョンソン
エピグラム 94
「ベッドフォード伯爵夫人ルーシーに捧げる詩、
ダン氏の諷刺詩とともに」

ルーシーさま、まさにこの世に光り輝く星、
詩神たちの太陽であり、夜明けの星であるあなた!
もし(詩人でなく)詩が自分の主題を選べるならば、
誰の詩だってあなたを歌いたいと願うでしょう。
これらダン氏の諷刺詩にも、あなたがご所望という事実によって、
諷刺以外の内容が与えられています。稀有な詩とは稀有な人を歌うもの。
逆に諷刺においては、ほとんどの人が否応なく
その主題として皮肉に描かれ、稀有な人は出てきません。
醜いところを暴かれて喜ぶ人はおらず、
むしろ嘲笑されれば腹を立てるものですから、
ダン氏に諷刺される人々のなかで生きていて、
そしてこれらの詩を求め、読み、楽しむことが
できる人は、必然的に、最高に優れた少数のお方ということに
なります。そんな最高のなかの最高のお方、それがあなたです。
ルーシーさま、まさにこの世に光り輝く星、
詩神たちの太陽であり、夜明けの星であるあなたなのです。

*****
Ben Jonson
Epigram 94
"To Lucy, Countesse of Bedford, with Mr. Donnes Satyres"

Lucy, you brightnesse of our spheare, who are
Life of the Muses day, their morning Starre!
If works (not th' authors) their own grace should look,
Whose poems would not wish to be your book?
But these, desir'd by you, the maker's ends
Crowne with their own. Rare poems aske rare friends.
Yet, Satyres, since the most of mankind bee
Their un-avoided subject, fewest see:
For none e'er tooke that pleasure in sins sense,
But, when they heard it tax'd, tooke more offence.
They, then, that living where the matter is bred,
Dare for these Poemes, yet, both aske, and read,
And like them too; must needfully, though few,
Be of the best: and 'mongst those, best are you;
Lucy, you brightnesse of our spheare, who are
The Muses evening, as their morning-starre.

http://www.luminarium.org/sevenlit/jonson/lucy2.htm

*****
キーワード:
エピグラム epigram
称賛詩 panegyric
諷刺詩 satire

*****
「諷刺」というと文学的に古風で高尚な感じがして
どうも堅苦しい。よりふつうの感覚で理解するために、
たとえば、「お笑い」といいかえたらどうだろう。

あるいは逆に、エピグラムや喜劇やでジョンソンが
試みたのは「お笑い」を芸術の領域にまで高めること
であった、と想像してみてはどうか。ギリシャ・ローマの
古典の力を借りつつ。

(以上、少し話はそれるが。)

*****
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Marvell, "On a Drop of Dew"

アンドリュー・マーヴェル
「露の玉」

ほら、東方の真珠のような露が、
朝日の胸からこぼれ、
花咲く薔薇のなかに
(うれしくなさそうに、
生まれ育った清らかな世界に戻りたいようすで)
包まれている。
そしてその小さな丸のなかに、
生まれ育った空を映している。
まるで相手にしていないかのように、
赤い花にはほとんどふれようとしない。
ただ空を見つめ、
悲しげな光を放っている、
涙のような光を。
空から遠く離れてしまったから。
落ち着きなく露は転がり、不安げに
震える、汚れることが恐いから。
そんな露がかわいそうと、やがてあたたかい太陽は
蒸発させて空に返す。
魂はまさにそんな露、そんな光、
永遠の世界の泉からやってきた透きとおった光。
からだという花に降りてきた見えない光。
前にいた天国のことをずっと覚えていて、
きれいな葉、緑の花には近づかない。
自分の光を集め、
汚れのない思いをめぐらせて、
玉のなかに大きな天国をつくる。
慎み深い小さな姿で、
すべてのものに背を向ける。
あたりの世界に見向きもせず、
日の光だけを受けいれる。
下界は暗いから、天国だけに光があるから。
この世は卑しいから、天国だけに愛すべきものがあるから。
この世に縛られず、いつでも天に帰ろうとしている。
準備万端、いつでも天に昇ろうとしている。
下界にふれているのは一点だけ、
他のすべてのところは上に向かっている。
そんな露のように、神聖なマナも降りてきた、
白く、一面に、冷たく凍って。
今、露もこの世で凍っている。でも、いずれとけ、蒸発し、
輝く全能の太陽の光のなかに帰っていく。

*****
Andrew Marvell
"On a Drop of Dew"

See, how the orient dew,
Shed from the bosom of the morn
Into the blowing roses,
(Yet careless of its mansion new,
For the clear region where 'twas born,)
Round in itself incloses;
And, in its little globe's extent,
Frames, as it can, its native element.
How it the purple flower does slight,
Scarce touching where it lies;
But gazing back upon the skies,
Shines with a mournful light,
Like its own tear,
Because so long divided from the sphere.
Restless it rolls, and unsecure,
Trembling, lest it grow impure;
Till the warm sun pity its pain,
And to the skies exhale it back again.
So the soul, that drop, that ray
Of the clear fountain of eternal day,
(Could it within the human flower be seen,)
Remembering still its former height,
Shuns the sweet leaves, and blossoms green,
And, recollecting its own light,
Does, in its pure and circling thoughts, express
The greater heaven in an heaven less.
In how coy a figure wound,
Every way it turns away;
So the world-excluding round,
Yet receiving in the day;
Dark beneath, but bright above,
Here disdaining, there in love.
How loose and easy hence to go;
How girt and ready to ascend;
Moving but on a point below,
It all about does upwards bend.
Such did the manna's sacred dew distil;
White and entire, though congealed and chill;
Congealed on earth ; but does, dissolving, run
Into the glories of the almighty sun.

http://www.luminarium.org/sevenlit/marvell/dewdrop.htm

*****
キーワード:
キリスト教 Christianity
この世に対する侮蔑 contemptus mundi

*****
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Browning, "A Grammarian's Funeral"

ロバート・ブラウニング
「文法学者の葬儀:ヨーロッパ文芸復興直後」

さあ行こう。遺体を運ぼう。
みんなで歌おう。
出発だ、民家の畑、なんの変哲もない、
はみ出ることのない村から。
そんなところは、大地の胸に抱かれ、
鶏の鳴く夜明けまでぐっすり眠っていればいい。
遠くを見よう、もう日が昇ってるだろう?
山の頂に光の輪郭が見えるだろう?
あそこにわたしたちの町がある。
気高く、熱い思考が
今にもあふれんばかりに集まっている、
香炉にあふれる煙のように。
字の読めない低地の群れや作物を棄て、
墓に行こう、
高い山に登ろう、頂上の都市に行こう、
群れなす知性がそこにある!
いくつも山頂が天に聳(そび)えている。が、ひとつ、
いちばん高い山に雲がかかっている。
違う、あの光っているところは
頂上を囲む要塞だ。
あそこに行こう。頂上まで登ろう。
なにをぐずぐずしている?
低俗なわたしたちは低地と夜に生きているが、
あの方は夜明けを目指していた。
歌にあわせて歩こう。胸を張ろう。顔を上げよう。
道の人たちに気をつけろ!
亡くなった先生を運んでいるんだ、肩にのせて。
有名だが、静かな方だった。

眠れ、農作物と家畜の群れ! 眠れ! 夕暮れの村、畑!
雨風を気にもせず!
わたしたちは先生を山の上の墓に運ぶ、
そして歌う。
先生はあなたの顔と声をもっていた、
詩の神アポロン!
先生はもとは特に名もない人だった。春は気づかない、
やがて冬が来ることに。
こうして魔法の杖ひと振りで若さが消えた。
麻痺して小さくなって、
先生は呻いた、「もう新しいリズムとステップが!
俺のダンスはもう終わりか?」
そう、世の中そんなもの。(山の側を歩け!
町に向かうぞ!)
先生も気づいて、誇り高く、
人からの哀れみを気に留めず前に進んだ。
遊びを棄てて仕事に励み、組みあって戦った、
逃げようとする世界と。
「閉じられた巻きものにはなんと書いてある?
書かれたことを見せてくれ、
もっとも知恵ある者たち、詩人や賢者が
書いてきたことを!」 そして大学に入り、
世界という書物の最後のページまで暗記した。
賢かった、先生は。
本当に頭がよかった。でも頭は禿げで、目は鉛色で、
話しかたも変だった。
「人生を楽しまないと」、と人はいう、
「人生の幕を開けよう!」。
先生はいった、「それで本当の生が手に入るのか?
まだ辛抱だ!
判読しにくい知恵の書を読みこなせたとしても、
まだ註が終わってない。
わたしはすべてを知りたい。ほとんどとか多少とかじゃ駄目だ。
大変とか楽とか、そんなこともどうでもいい!
ごちそうの最後のパン屑まで食べつくして、
そして全部消化してやる」。
そう、先生はそんな人生を生きる決意だったが、
学び尽くしたら、
本から学べるすべてを吸収したら、
そんな生などすぐにどうでもよくなった。
全体をしっかり思い描こう、各部をつくるのはそれからだ。
建物の完成像をよくよく考えよう、
それから建てはじめよう、火を飛ばして石英を打って、
漆喰(しっくい)を煉瓦(れんが)に塗って!

(よし、町の門まで来たぞ。市場が目の前に
口を開けて広がっている。)
そう、確かに先生はちょっと変わっていた。
(心をこめて歌おう!)
先生にとっては、生きることよりも生きかたを学ぶことが大事だった。
学ぶことに終わりはなかった。
まずは貯えだ。使いかたは神が
考えてくれるだろう。
そうは思わない者たちはいった、「時は逃げていく、
生きることを楽しめるのは今しかないぞ!」
でも先生はいった、「時がなんだ? 〈今〉なんて犬と猿に
くれてやれ! 人には〈永遠〉がある!」
こうしてまた本に戻る。頭はますますうなだれていき、
尿路結石の激痛が走る。
目は鉛の色から鉛の滓(かす)の色になる。
咳の発作に襲われる。
「先生、少し休んでください」……でも先生は休まない。
(もっと気をつけろ。
ちゃんと二列になれ。道が狭いぞ!)
なにも気にせず
研究に戻る、初心以上のやる気とともに、
竜のように獰猛に。
神聖で病的な渇きに苛まれて学びの瓶を吸い尽くし、
先生の魂は水腫のように腫れあがっていった。
だが、そう、たとえば急いで丸を書くのと同じ。
将来のことを考えず、
目先の利益にとらわれていたら
ろくな取り引きはできないというもの。
だから偉いことではないか? 先生は神に
(試練に応えてくださる神に)
与えたのだ、天国の幸せが
この世の不幸の報いとなると証明する機会を。
先生は精神の偉大さを信じていた、精神の精神たる
所以(ゆえん)を示したのだ。
先生は幸せの満額を受けとることにこだわった。よく馬鹿が
するように、分割払いで幸せを受けとろうとはしなかった。
一か八かの生きかただった。天国で成功できるなら
この世で失敗してもいい、という。
「先生は死の力を信じますか?」--「あたりまえだ、
この世の誘惑など糞喰らえだ!」
ちっぽけな者は小さな目標を立てて、
それを目指し、なし遂げる。
気高い者は偉大な目標を立て、
そしてなし遂げる前に死ぬ。
ちっぽけな者はひとつひとつ仕事をし、
すぐに百の仕事をする。
気高い者は百万を目指し、
そして挫折する。
ちっぽけな者はこの世に生きる。あの世がほしくなったら、
この世で勝手につくればいい!
気高い者は生を神に委ね、心安らかに生きて
やがて神のもとへ行く。
こうして、首を絞めてくる死神と戦いながら、
先生は細かい文法の研究に勤しんだ。
死にそうになってぜいぜいいいながら、語や品詞を語りつづけた。
もう口も十分まわっていなかったが、
先生は "ὅτι" の問題を解決した--「おっしゃ!」
"οὖν" についてもちゃんと理解した。
前接の "-δε" について教えてくれた、
もう下半身は麻痺していたのに。
よし、高台についた。ここでいい。
自由に飛ぶがいい!
翼ある君、飛翔する君!
燕たち! 鴫(しぎ)たち!
ここが頂点だ。ふつうの人はみな下の世界に
生きている。それしかできないからだ。
先生は生きることより学ぶことを選んだーー
そんな方を下に埋もれさせるわけにはいかないだろう?
ここだ、先生にはここがふさわしい。彗星が流れ、雲が生まれ、
稲妻が放たれ、
星たちが行き交うこここそふさわしい! 嵐のように弾けろ、喜び!
露とともに立ちのぼれ、安らぎ!
いと高き目標を掲げた方にふさわしく、
先生にはいと高きところで
眠っていただこう。ふつうの人には思いもよらぬ高みにいるのだ、
生前も、そして死後も。

*****
Robert Browning
"A Grammarian's Funeral, Shortly after
the Revival of Learning in Europe"

Let us begin and carry up this corpse,
Singing together.
Leave we the common crofts, the vulgar thorpes
Each in its tether
Sleeping safe on the bosom of the plain,
Cared-for till cock-crow:
Look out if yonder be not day again
Rimming the rock-row!
That's the appropriate country; there, man's thought,
Rarer, intenser, 10
Self-gathered for an outbreak, as it ought,
Chafes in the censer.
Leave we the unlettered plain its herd and crop;
Seek we sepulture
On a tall mountain, citied to the top,
Crowded with culture!
All the peaks soar, but one the rest excels;
Clouds overcome it;
No! Yonder sparkle is the citadel's
Circling its summit. 20
Thither our path lies; wind we up the heights:
Wait ye the warning?
Our low life was the level's and the night's;
He's for the morning.
Step to a tune, square chests, erect each head,
'Ware the beholders!
This is our master, famous calm and dead,
Borne on our shoulders.

Sleep, crop and herd! sleep, darkling thorpe and croft,
Safe from the weather! 30
He, whom we convoy to his grave aloft,
Singing together,
He was a man born with thy face and throat,
Lyric Apollo!
Long he lived nameless: how should spring take note
Winter would follow?
Till lo, the little touch, and youth was gone!
Cramped and diminished,
Moaned he, "New measures, other feet anon!
My dance is finished?" 40
No, that's the world's way: (keep the mountain-side,
Make for the city!)
He knew the signal, and stepped on with pride
Over men's pity;
Left play for work, and grappled with the world
Bent on escaping:
"What's in the scroll," quoth he, "thou keepest furled?
Show me their shaping
Theirs who most studied man, the bard and sage,
Give!"—So, he gowned him, 50
Straight got by heart that book to its last page:
Learned, we found him.
Yea, but we found him bald too, eyes like lead,
Accents uncertain:
"Time to taste life," another would have said,
"Up with the curtain!"
This man said rather, "Actual life comes next?
Patience a moment!
Grant I have mastered learning's crabbed text,
Still there's the comment. 60
Let me know all! Prate not of most or least,
Painful or easy!
Even to the crumbs I'd fain eat up the feast,
Ay, nor feel queasy."
Oh, such a life as he resolved to live,
When he had learned it,
When he had gathered all books had to give!
Sooner, he spurned it.
Image the whole, then execute the parts—
Fancy the fabric 70
Quite, ere you build, ere steel strike fire from quartz,
Ere mortar dab brick!

(Here's the town-gate reached: there's the market-place
Gaping before us.)
Yea, this in him was the peculiar grace
(Hearten our chorus!)
That before living he'd learn how to live—
No end to learning:
Earn the means first-God surely will contrive
Use for our earning. 80
Others mistrust and say, "But time escapes:
Live now or never!"
He said, "What's time? Leave Now for dogs and apes!
Man has Forever."
Back to his book then: deeper drooped his head:
Calculus racked him:
Leaden before, his eyes grew dross of lead:
Tussis attacked him.
"Now, master, take a little rest!"—not he!
(Caution redoubled, 90
Step two abreast, the way winds narrowly!)
Not a whit troubled
Back to his studies, fresher than at first,
Fierce as a dragon
He (soul-hydroptic with a sacred thirst)
Sucked at the flagon.
Oh, if we draw a circle premature,
Heedless of far gain,
Greedy for quick returns of profit, sure
Bad is our bargain! 100
Was it not great? did not he throw on God,
(He loves the burthen)
God's task to make the heavenly period
Perfect the earthen?
Did not he magnify the mind, show clear
Just what it all meant?
He would not discount life, as fools do here,
Paid by instalment.
He ventured neck or nothing-heaven's success
Found, or earth's failure: 110
"Wilt thou trust death or not?" He answered "Yes:
Hence with life's pale lure!"
That low man seeks a little thing to do,
Sees it and does it:
This high man, with a great thing to pursue,
Dies ere he knows it.
That low man goes on adding one to one,
His hundred's soon hit:
This high man, aiming at a million,
Misses an unit. 120
That, has the world here-should he need the next,
Let the world mind him!
This, throws himself on God, and unperplexed
Seeking shall find him.
So, with the throttling hands of death at strife,
Ground he at grammar;
Still, thro' the rattle, parts of speech were rife:
While he could stammer
He settled Hoti's business—let it be!—
Properly based Oun— 130
Gave us the doctrine of the enclitic De,
Dead from the waist down.
Well, here's the platform, here's the proper place:
Hail to your purlieus,
All ye highfliers of the feathered race,
Swallows and curlews!
Here's the top-peak; the multitude below
Live, for they can, there:
This man decided not to Live but Know—
Bury this man there? 140
Here—here's his place, where meteors shoot, clouds form,
Lightnings are loosened,
Stars come and go! Let joy break with the storm,
Peace let the dew send!
Lofty designs must close in like effects:
Loftily lying,
Leave him—still loftier than the world suspects,
Living and dying.

http://www.gutenberg.org/ebooks/4253

*****
キーワード:
カルペ・ディエム carpe diem
メメント・モリ memento mori
この世に対する侮蔑 contemptus mundi
劇的独白 dramatic monologue

*****
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Marlowe, "The Passionate Shepherd to His Love"

クリストファー・マーロウ
「恋する羊飼いの歌」

ほら、来て、いっしょにくらそうよ。ぼくの恋人になって。
いっしょに、楽しいことは何でもしよう、
丘や谷や野原や
森や高い山に行って。

いっしょに岩にすわって、
羊飼いたちと、草を食べる羊たちをながめよう、
浅い川の流れるところで。小さな滝のところでは、
鳥たちがマドリガルを歌ってる。

バラのベッドをつくってあげる。
花束もたくさんつくってあげる。
花冠や、ワンピースもつくってあげる、
ギンバイカの花や葉で刺繍して。

ドレスもつくってあげる、
子羊たちのいちばんいい毛で。
あたたかいスリッパもつくってあげる、
ふちどり模様と純金の金具をつけて。

麦わらや蔦(つた)の若芽でベルトをつくってあげる、
珊瑚の留め金をつけて、琥珀(こはく)の鋲の飾りをつけて。
楽しそう、じゃない?
ほら、来て、いっしょにくらそうよ。ぼくの恋人になって。

羊飼いの子たちも踊って歌うよ。
五月の朝、毎日、君のために。
楽しそう、じゃない?
ね、いっしょにくらそうよ。ぼくの恋人になって。

* * *
Christopher Marlowe
"The Passionate Shepherd to His Love"

Come live with me, and be my love;
And we will all the pleasures prove
That hills and valleys, dales and fields,
Woods, or steepy mountain yields.

And we will sit upon the rocks,
Seeing the shepherds feed their flocks
By shallow rivers, to whose falls
Melodious birds sing madrigals.

And I will make thee beds of roses
And a thousand fragrant posies;
A cap of flowers, and a kirtle
Embroidered all with leaves of myrtle;

A gown made of the finest wool
Which from our pretty lambs we pull;
Fair-lined slippers for the cold,
With buckles of the purest gold;

A belt of straw and ivy-buds,
With coral clasps and amber-studs:
And if these pleasures may thee move,
Come live with me, and be my love.

The shepherd-swains shall dance and sing
For thy delight each May-morning:
If these delights thy mind may move,
Then live with me and be my love.

http://www.luminarium.org/renlit/passionateshepherd.htm

*****
(20170107)
抜けていたスタンザ4の訳を追加。

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Shelley, ("Music, when soft voices die")

パーシー・ビッシュ・シェリー (1792-1822)
(歌は、声が静かに死に、消えても)

歌は、声が静かに死に、消えても、
響く、記憶のなかに。
香りは、きれいな菫(すみれ)が病んでも、
残る、菫の香りで甦った心のなかに。

薔薇の花びらは、花が枯れ、死んでも、
あふれるほどに飾られる、愛しい人のベッドに。
ぼくの想いもそう。君が去っても残り、
〈愛〉の神のベッドを飾る、あふれるほどに。

*****
(20161230作)
パーシー・ビッシュ・シェリー (1792-1822)
(歌は、静かな声が死んで消えても)

歌は、静かな声が死んで消えても
記憶のなかに響く。
香りは、かわいい菫(すみれ)が病んでも、
菫が甦らせた感覚のなかに生きつづける。

薔薇の花びらは、花が枯れて死んでも、
愛しい人のベッドに飾られる。
ぼくの想いも同じ、君が去っても残り、
〈愛〉の神のまどろむベッドになる。

*****
(20120817作)
(「音楽--やさしい歌声が死んでも」)

音楽--やさしい歌声が死んでも、
それは、記憶のなかひびく。
香り--きれいなスミレが病んでも、
それは、それが生き返らせた感覚のなかで生きつづける。

バラの花びら--バラが死んでも、
それは、愛しい人のベッドにたくさん飾られる。
そして、頭に残るいろいろな君の姿は、君が行ってしまった後でも、
ぼくの愛を抱いて眠らせてくれる。

*****
Percy Bysshe Shelley
"To ― " ("Music, when soft voices die")

Music, when soft voices die,
Vibrates in the memory―
Odours, when sweet violets sicken,
Live within the sense they quicken.

Rose leaves, when the rose is dead,
Are heaped for the beloved's bed;
And so thy thoughts, when thou art gone,
Love itself shall slumber on.

*****
7 thought[s]
頭のなかにあるひとつひとつの思考、概念(OED 2)。
[T]hy thoughts = thoughts of you.

*****
リズムについて。



一応ストレス・ミーター(四拍子)だが、歌のビート(拍子B)に
あわせるのではなく、各語の自然なストレスにしたがって読まれるべく
独特のリズムが与えられている。(特に1, 3行目。)

ひびきあう語(脚韻以外):
voices-vibrates-violets
beloved's-bed
love-slumber

*****
シェリーに関するT・S・エリオットの名言--

1
シェリーの考えるようなことは、からだが受けつけない。
I find his [Shelley's] ideas repellent.

2
年をとってもシェリーを読みつづけられる人はどれくらいいるだろう?
[F]or how many does Shelley remain the companion of age?

("The Use of Poetry and the Use of Criticism" より)

シェリーは未熟、おセンチでナルシスティックなガキ、と批判する
エリオットだが、そんなおセンチでナルシスティックなところが
一切見られないエリオットの詩や散文にも、(種類は違うが)
同レベルのナイーヴさが、実は感じられたりする。

*****
英文テクストは、The Complete Poetical Works of
Percy Bysshe Shelley, vol. 2 (1914) より。
http://www.gutenberg.org/ebooks/4798

*****
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