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"The Star-Spangled Banner"

「星きらめく旗」

おおお! 夜明けの最初の光に見えるか?
夕暮れの最後の薄明かりにわたしたちが見たものが?
そう、厳しい戦いのなか、太い縞模様と輝く星の旗を
わたしたちは見た。城壁の上、あれは美しく風に流れていた。
夜になっても、ミサイルの赤くまぶしい炎、空で爆発する爆弾の光で
わかっていた、あの旗はまだそこにある、と。
だから、教えてくれ! 星きらめく旗はまだなびいているか?
自由な者の国の上に? 勇気ある者の故郷に?

*****
"The Star-Spangled Banner "

O! say can you see by the dawn's early light,
What so proudly we hailed at the twilight's last gleaming,
Whose broad stripes and bright stars through the perilous fight,
O'er the ramparts we watch'd, were so gallantly streaming?
And the Rockets' red glare, the Bombs bursting in air,
Gave proof through the night that our Flag was still there;
O! say does that star-spangled Banner yet wave,
O'er the Land of the free and the home of the brave?

https://en.wikisource.org/wiki/Defence_of_Fort_McHenry_(broadside)

*****
内容に特に関心はないが、何かの参考までに。

1812年戦争中、昼の戦いに耐え(アメリカの旗が立っていて)、
夜の戦いにも耐えていた(旗がまだ立っていた)、そんな
アメリカのある要塞が、朝になってもまだ攻め落とされずに
耐えているだろうか(まだ旗は立っているか)? という歌。

*****
私見だが、詩としても、曲の点でも、
日本の国歌のほうが美しいと思う。
「君」が誰か云々という議論以前の話として。

戦いにおける勝利ではなく人の幸せを祈るあの詩、
安易な同調や盛りあがりを拒むあの曲。

*****
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Dickinson, "I taste a liquor never brewed"

エミリ・ディキンソン(1830-1886)
「この世にないお酒を飲んだ」

この世にないお酒を飲んだ--
ブリキのコップ、真珠のお酒--
フランクフルトのぶどうだって
こんなすてきなお酒にならない!

空に酔っぱらって--ひっく、わたし--
露に飲んだくれて--
もうふらふら--夏が終わらないって最高--
青い空であちこち飲み屋に入りびたり--

酔っ払いの蜂が
ジギタリスの花の店から追い出されてる--
蝶々は--もうお酒はやめよう、って--
じゃあ、わたしが飲んであげる!

天使が白い帽子を振ってる、雪みたい--
聖人さまは--窓のところ--
わたし見られちゃった、酔っぱらって
もたれてるのを--太陽に!

*****
Emily Dickinson, 1830 - 1886
"I taste a liquor never brewed" (214)

I taste a liquor never brewed –
From Tankards scooped in Pearl –
Not all the Frankfort Berries
Yield such an Alcohol!

Inebriate of air – am I –
And Debauchee of Dew –
Reeling – thro’ endless summer days –
From inns of molten Blue –

When “Landlords” turn the drunken Bee
Out of the Foxglove’s door –
When Butterflies – renounce their “drams” –
I shall but drink the more!

Till Seraphs swing their snowy Hats –
And Saints – to windows run –
To see the little Tippler
Leaning against the – Sun!

https://www.poets.org/poetsorg/poem/i-taste-liquor-never-brewed-214

*****
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Poe, "Annabel Lee"

エドガー・アラン・ポー
「アナベル・リー」

何年も何年も、何年も前、
この海の近くの王国で、
女の子がひとり住んでいた。知ってるかもしれない、
名前はアナベル・リー。
あの子は生きていた、ただ
ぼくを愛するため、ぼくから愛されるため。

ぼくはこどもで、あの子もこどもだった、
この海の近くの王国で、
でもぼくたちは愛しあっていた、それ以上だった……
ぼくとぼくのアナベル・リー……
愛しあっていた、翼のある天使たちが
あの子とぼくをほしがるくらいに。

だから、ずっとずっと前、
この海の近くの王国で、
雲から風が吹いてきて、凍ってしまった、
ぼくのかわいいアナベル・リー。
それであの子のお金持ちの親戚がやってきて、
ぼくからあの子を奪っていって、
お墓のなかに閉じこめた、
この海の近くの王国で。

天国にいても、天使たちはぼくたちの半分も幸せじゃなかった、
あの子とぼくがうらやましかった……
そうに決まってる! ……だから(みんな知ってる、
この海の近くの王国では)
夜に雲から風が吹いてきて、
ぼくのアナベル・リーを凍らせて殺した。

でもぼくたちの愛にはかなわない、
大人たちの愛も……
頭のいい人たちの愛も……
だから、天国の天使たちも、
海の底の悪霊たちも、
切り離せない、ぼくの魂を
かわいいアナベル・リーの魂から。

だから、月が明るく光る夜、いつもぼくは
かわいいアナベル・リーの夢を見る。
だから、星が空に昇る時、いつもぼくは
かわいいアナベル・リーの目を感じる。
だから、夜、ぼくは寝る、
大好きな……大好きな……命より大事な妻といっしょに、
海の近くのお墓のなか……
波響く海の近くのお墓のなか。

*****
Edgar Allan Poe
"Annabel Lee"

It was many and many a year ago,
In a kingdom by the sea,
That a maiden there lived whom you may know
By the name of Annabel Lee;
And this maiden she lived with no other thought
Than to love and be loved by me.

I was a child and she was a child,
In this kingdom by the sea,
But we loved with a love that was more than love—
I and my Annabel Lee—
With a love that the wingèd seraphs of Heaven
Coveted her and me.

And this was the reason that, long ago,
In this kingdom by the sea,
A wind blew out of a cloud, chilling
My beautiful Annabel Lee;
So that her highborn kinsmen came
And bore her away from me,
To shut her up in a sepulchre
In this kingdom by the sea.

The angels, not half so happy in Heaven,
Went envying her and me—
Yes!—that was the reason (as all men know,
In this kingdom by the sea)
That the wind came out of the cloud by night,
Chilling and killing my Annabel Lee.

But our love it was stronger by far than the love
Of those who were older than we—
Of many far wiser than we—
And neither the angels in Heaven above
Nor the demons down under the sea
Can ever dissever my soul from the soul
Of the beautiful Annabel Lee;

For the moon never beams, without bringing me dreams
Of the beautiful Annabel Lee;
And the stars never rise, but I feel the bright eyes
Of the beautiful Annabel Lee;
And so, all the night-tide, I lie down by the side
Of my darling—my darling—my life and my bride,
In her sepulchre there by the sea—
In her tomb by the sounding sea.

https://www.poetryfoundation.org/poems/44885/annabel-lee

*****
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Dickinson, "Tell all the truth"

エミリ・ディキンソン
「本当のことしか言わないで、でもはっきり言わないで……」

本当のことしか言わないで、でもはっきり言わないで……
いつでも、うまく行くのは遠回り
明るすぎて目が痛い、楽しくない
そんな真理の急襲
稲妻が落ちる時のよう、優しい話に
安心してきたこどもたちに
まぶしすぎる真理の光には少しずつ慣れないと
でないと目がつぶれてしまう……

*****
Emily Dickinson
"Tell all the truth but tell it slant — " (1263)

Tell all the truth but tell it slant —
Success in Circuit lies
Too bright for our infirm Delight
The Truth's superb surprise
As Lightning to the Children eased
With explanation kind
The Truth must dazzle gradually
Or every man be blind —

https://www.poetryfoundation.org/poems/56824/tell-all-the-truth-but-tell-it-slant-1263

*****
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Dickinson, "I’m Nobody! Who are you?"

エミリ・ディキンソン (1830-1886)
「わたしは名なし、あなたは誰?」

わたしは名なし、あなたは誰?
あなたも……名なし?……もしかして?
おんなじね!
しーっ! 内緒……ばらされちゃうと嫌だから!

ほんと嫌……よね……自分が誰か、人に知られるなんて!
人前にしゃしゃり出る……蛙みたい……
ゲコゲコ名前を言って……六月じゅうずっと……
泥沼にちやほやされて!

*****
Emily Dickinson (1830-1886)
"I’m Nobody! Who are you?" (260)

I’m Nobody! Who are you?
Are you – Nobody – too?
Then there’s a pair of us!
Don’t tell! they’d advertise – you know!

How dreary – to be – Somebody!
How public – like a Frog –
To tell one’s name – the livelong June –
To an admiring Bog!

https://www.poets.org/poetsorg/poem/im-nobody-who-are-you-260

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Plath, "Ariel"

シルヴィア・プラス
「エアリエル」

暗闇の鬱血(うっけつ)
次に中身のない青
あふれ出る岩山、そこまでの距離

神の女獅子
わたしは馬とひとつ
踵と膝で合体--畑が

割れて後ろに、同じ色
茶色の弧の
首、手が届かない、

黒人の目の
黒苺暗い
鎌--

黒くて甘い血が口いっぱい

何か

空から引っぱる
足を髪を
踵からはがれる土

白い
ゴディヴァのわたし、脱ぎ捨てる
死の手、死の義務

そしてわたしは今
泡を吹く、麦畑、きらきらの海
あの子の泣き声が

壁に溶ける
そしてわたしは
矢、

雫、飛んで
自殺、馬といっしょに
飛びこむ、真っ赤な

目、煮え立つ朝の太陽に

*****
Sylvia Plath
"Ariel"

Stasis in darkness.
Then the substanceless blue
Pour of tor and distances.

God’s lioness,
How one we grow,
Pivot of heels and knees!—The furrow

Splits and passes, sister to
The brown arc
Of the neck I cannot catch,

Nigger-eye
Berries cast dark
Hooks—

Black sweet blood mouthfuls,
Shadows.
Something else

Hauls me through air—
Thighs, hair;
Flakes from my heels.

White
Godiva, I unpeel—
Dead hands, dead stringencies.

And now I
Foam to wheat, a glitter of seas.
The child’s cry

Melts in the wall.
And I
Am the arrow,

The dew that flies
Suicidal, at one with the drive
Into the red

Eye, the cauldron of morning.

https://www.poetryfoundation.org/poems/49001/ariel

*****
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From Franklin, Poor Richard's Almanack, 1737

ベンジャミン・フランクリン
『リチャードのカレンダー』(1737年)より
(いい法律家は嫌な隣人)

そうそう、この者たちは仲よくつるむ、
牧師、法律家、死神の三人組。
弱かろうが強かろうが誰もが死神に連れて行かれる。
正しかろうが悪かろうがみんな法律家に金をむしられ、
生きていようが死後だろうが誰もが牧師の金づるだ。

*****
Benjamin Franklin
From Poor Richard's Almanack, 1737
("A good Lawyer a bad Neighbour")

Certainlie these things agree,
The Priest, the Lawyer, & Death all three:
Death takes both the weak and the strong.
The lawyer takes from both right and wrong,
And the priest from living and dead has his Fee.

http://www.vlib.us/amdocs/texts/prichard34.html

*****
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Hine, "Tableau Vivant"

ダリル・ハイン (1936-2012)
「生きているような彫刻」

きらびやかな馬に乗ったペルセウス、
ドイツの作品、16世紀。
眠るメドゥーサの上を舞う。
蠅や蚊のようにぶんぶん音を立て、
黄金の羽をはばたかせ。顔をそむけ、
彼女の瑪瑙(めのう)の目を見ないようにして。右手には
剣、左手には鏡。

夜の兜をかぶり、闇の靴をはき、
どこを切りつけようか、彼は考える。メドゥーサは眠り、
夢を見ているかのよう。石になった森、
記念碑のように固まった森の精、石の葉、石の人たちの夢を。
自分を見ても生きていられるような、
もしいたとしても、もう会えない、そんな恋人の夢を。

* * *
ハインはカナダ生まれ、アメリカで活動。
大学教員でPoetry誌の編集者、とのこと。

* * *
英語テクストは次のURLを参照。
http://www.rc.umd.edu/editions/shelley/medusa/mcgann.html

* * *
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Matthews (tr.), From Songs of the House God (Navajo)

ワシントン・マシューズ (訳)
「畑の歌 16」 (ナヴァホ族)

真東で、
白い豆と
緑のトウモロコシが
白い稲妻で縛られている。
ほら! 雨が降りそうだ!
青い鳥の声が聞こえる。

真東で、
白い豆と
大きなカボチャが
虹で縛られている。
ほら! 雨が降りそうだ!
青い鳥の声が聞こえる。

* * *
Washinton Matthews (tr.)
From Qastceqogan-bigin (Songs of the House God)

Truly in the East
The white bean
And the great corn-plant
Are tied with the white lightning.
Listen! It approaches!
The voice of the bluebird is heard.

Truly in the East
The white bean
And the great squash
Are tied with the rainbow.
Listen! It approaches!
The voice of the bluebird is heard.

* * *
「家の神」の家族が畑に出ていって、豆などを
稲妻や虹で縛っていると雨が降ってきた、という話。

* * *
英語テクストと註解は次のURLの資料より。

http://www.jstor.org/stable/532830
https://archive.org/details/jstor-532830

(Jstorの "Early Journal Content" --誰でも利用できる 。)

* * *
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Matthews (tr.), "Magpie Song" (Navajo)

ワシントン・マシューズ (訳)
「カササギの歌」 (賭けごとの歌、ナヴァホ族)

カササギ! カササギ! ほらここに。
羽の白いところは、朝の足跡。
夜明けだ! 朝だ!

* * *
Washinton Matthews (tr.)
"Magpie Song" (Navajo Gambling Song)

The Magpie! The Magpie! Here underneath
In the white of his wings are the footsteps of morning.
It dawns! It dawns!

* * *
Here underneath
今、賭けごとをしている小屋やほら穴のなかで、ということ。

In the white of his wings are the footsteps of morning
カササギの羽は黒で、白で縁どりされている。
黒いところが夜、白いところが夜明けの光、というたとえ。

* * *
英語テクストと註解は、次のURLより。
https://archive.org/details/navajogamblingso00mattrich
http://www.sacred-texts.com/nam/por/por23.htm

* * *
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Rukeyser, "Waiting for Icarus" 

ミュリエル・ルーカイザー (1913-1980)
「イカロスを待っている」

彼は言った--帰ったら一緒にワイン飲もう。
彼は言った--なんでももっとうまくいくようになるよ、って
彼は言った--ぼくたちの関係、一歩先に進もうとしてるんだ
彼は言った--もう、絶対父さんにヘコヘコしたりしないから
彼は言った--プロの発明家になる、って
彼は言った--愛してる(あれがわたしに入ってくるとき)
彼は言った--社会に出るんだ、空に出るんだ
彼は言った--ベルトはみんな頑丈だよ
彼は言った--ロウは最高級品だし
彼は言った--ここの海岸で待ってて
彼は言った--泣かないで

わたしは思い出す--カモメたちと波
わたしは思い出す--海に浮かぶ島がだんだん暗くなって
わたしは思い出す--女の子たちが笑ってて
わたしは思い出す--いってた、あの人、あんたと別れたいだけなのよ
わたしは思い出す--お母さんはいってた、発明家なんて詩人と同じで社会のゴミ
わたしは思い出す--お母さんはいった、発明したものを本当に使うなんて、もっとバカ
わたしは思い出す--こうもいってた、いちばんバカなのはそんな連中を好きになる女たち
わたしは待っている、一日中、それか、もっと経ったかも。
あの羽、わたしが試したい、っていえばよかった。
そのほうが、こんなことになるよりよかった。

* * *
Muriel Rukeyser
"Waiting for Icarus"

https://murielrukeyser.emuenglish.org/wp-content/uploads/2014/02/Waiting-for-Icarus.pdf

* * *
このような羅列系の文章の場合、だいたい
真ん中と最後がポイントかな、と思って
「彼は言った」11行と「わたしは思い出す」
7行をそれぞれ見てみると……。

Cf. オウィディウス『変身物語』8巻

* * *
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Densmore (tr.), "Song of the Thunders"

フランシス・デンスモア (訳)
「雷たちの歌」

ときどき
飛んでいるとかわいそうになる、
自分が。
風に運ばれて
空を横切っているなんて。

* * *
Frances Densmore (tr.)
"Song of the Thunders"

Sometimes
I go about pitying
myself
while I am carried by the wind
across the sky.

* * *
英語テクストはThe Path on the Rainbow (1918) より。
https://archive.org/details/pathonrainbowant00cron

* * *
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Densmore (tr.), "Song of the Trees"

フランシス・デンスモア (訳)
「木々の歌」


だけが
こわい。

* * *
Frances Densmore (tr.)
"Song of the Trees"

The wind
only
I am afraid of.

* * *
英語テクストはThe Path on the Rainbow (1918) より。
https://archive.org/details/pathonrainbowant00cron

* * *
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Densmore (tr.), ("whenever I pause")

フランシス・デンスモア (訳)
(「ふと止まるといつも」)
(『チペワの歌』より)

ふと止まるといつも

村の

* * *
Frances Densmore (tr.)
("whenever I pause")
(From Chippewa Music)

whenever I pause
the noise
of the village

* * *
アメリカン・インディアンの歌。

ただ思っただけだが、ウィリアム・カルロス・
ウィリアムズの短い詩の元ネタ(のひとつ)は、
こういうところなのか、と。

俳句のよう、とも。

* * *
英語テクストは、Chippewa Music (1913) より。
https://archive.org/details/chippewamusic02densuoft

* * *
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Emerson, ("Let me go where'er I will")

ラルフ・W・エマーソン(1803-1882)
(「どこに行こうと」)

どこに行こうと、
いつも空で生まれた音楽が聞こえる。
それは古いものすべてから聞こえる。
新しいものすべてから聞こえる。
きれいなものすべてから、汚いものすべてから、
楽しげな歌が鳴りひびく。

それは、バラのなかにだけ、
鳥のなかにだけ、あるのではない。
虹が輝いているところにだけ、
女の人の歌が聞こえるところにだけ、あるのでもない。
もっとも暗く、価値のないもののなかでも、
いつも、いつも、何かが歌っている。

それは、天の星たちのあいだにだけ、
ふくらみ、咲きはじめた花のなかにだけ、あるのではない。
コマドリの豊かでなめらかな声にだけ、
雨のなかほほえむ虹にだけ、あるのでもない。
泥だろうとカスだろうと、あらゆるもののなかで、
いつも、いつも、何かが歌っている。

* * *

Ralph Waldo Emerson
("Let me go where'er I will")

Let me go where'er I will,
I hear a sky-born music still:
It sounds from all things old,
It sounds from all things young,
From all that's fair, from all that's foul,
Peals out a cheerful song.

It is not only in the rose,
It is not only in the bird,
Not only where the rainbow glows,
Nor in the song of woman heard,
But in the darkest, meanest things
There alway, alway something sings.

'Tis not in the high stars alone,
Nor in the cup of budding flowers,
Nor in the redbreast's mellow tone,
Nor in the bow that smiles in showers,
But in the mud and scum of things
There alway, alway something sings.

* * *

ワーズワースをアメリカ流にひとひねりしたような作品。
同じ内容のくり返しは、未完成の断片だから、ということで。

* * *

英語テクストは、Leaves of Life (1914) より。
http://www.gutenberg.org/ebooks/14849

次のところにも(pp. 272-73)。
Emerson, Complete Works, vol. 9 (1897)
http://archive.org/details/emersonscomplete09emer

* * *

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