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From Glanvill, My Lord Bacon's New Atlantis

ジョウゼフ・グランヴィル
「ベイコン『ニュー・アトランティス』概要」より

神に関する愚かで恥ずべき考え--神性を汚し、
人のよいおこないを妨げ、神を敬う多くの人の心を
悩ませ挫く、そんな思想--が広まっていたが、
それに対して彼ら[熱狂的でない聖職者たち]は立ちあがった。
彼らは神の善良さ、人間に対する神の無限の愛を説いた。
神の愛を愚かな願望として退ける者、
神の正義を残酷なまでに厳格なものとする者、
神は理性ある人間の大多数を永遠に憎んでいて
破滅させたがっていると考える者、そんな独裁者・
権力者に神を仕立てあげたがる者に対してである。
このような感じの悪い陰鬱な考えかたに対し、
彼らは毅然と立ちあがった。思えば、あれは
神の清らかさ、善良さを主張すれば非難と憎悪と
ひどい迫害の対象となるような時代であった。
そんな時に彼らは、神の本質と属性について常識的な
見解を示した。神みずから聖書で明かしていることに
合致し、また我々人間の理性的判断にも適う議論を
提示したのである。彼らは常々語っていた、
無限に善良なる神がみずから創造したものの不幸を
もくろんだり、ましてや喜んだりするはずがないと。
神は身勝手な意思にしたがって何かをなすわけではない、
むしろ完璧なる彼の完璧なる意思に従って行為するので
あると。そもそも身勝手な行為とは不完全の証、
無能の証であると。いと高き存在である神が
正義の法に従わないなどということはありえないと。
人が望む望まないにかかわらず、理解している
していないにかかわらず、根源的に、また永遠に、
善良さこそ真理であり正しさであると。この善良さこそ、
世界に対する神の言葉や行為の源であると。
神を称えたいなら、神の完璧さを正しく理解し、
その理解を我々の言葉と行為で示さなくてはならないと。
善良さこそ道徳の目指すものであると。善良でない
権力とは暴虐にすぎない、善良でない知恵は謀略・
狡猾にすぎない、善良でない正義は冷酷にすぎない、と。
たとえ褒め称えられても神はお喜びにならないと。
正しいかたちで神を褒め称えないならば、つまり、
神を愛するよう人を促すような、神とともにあって
幸せと感じられるような、そんな褒め称えかたでないならば。

. . . . . . . . . . . . . . . . .

のぼせあがった妄想家たちはキリストの死が
人に与えた正義を曲解し、道徳を無意味なもの、
卑しいものと嘲っていた。これに対して
正しい聖職者たちは、道徳・美徳の必要性を主張し、
また擁護した。彼らは説いた、まさに道徳・美徳を
最高に発達させたものがキリスト教であると。
十戒の石板一枚目にあるような神への義務のみに従う
宗教には何の意味もない、二枚目に刻まれた
道徳的義務を果たすことのほうが重要である、と。
熱く信じ、身を捧げ、説教を聴き、祈る、など
信仰するふりは極悪人にもできる、
それはただの模倣や習慣かもしれない、
野心や保身のためかもしれない、結局、
そんな信仰の形式にすぎないのだと。本来の
信仰とは、利己心を克服し、感情を支配し、
欲を抑えることに他ならない、真に正しいことを
神に対して、また他の人に対してすることに
他ならない、と。

(つづく)

*****
Joseph Glanvill
From The Summe of My Lord Bacon's New Atlantis
(1676)

They ["the Anti-fanites", i.e., anti-fanatical divines] took notice, what unworthy and dishonourable Opinions were publish'd abroad concerning God, to the disparagement of all his Attributes, and discouragement of vertuous Endeavours, and great trouble and dejection of many pious Minds; and therefore here they appear'd also to assert and vindicate the Divine Goodness and love of Men in its freedom and extent, against those Doctrines, that made his Love, Fondness; and his Justice, Cruelty; and represented God, as the Eternal Hater of the far greatest part of his reasonable Creatures, and the designer of their Ruine, for the exaltation of meer Power, and arbitrary Will: Against these sowr and dismal Opinions They stood up stoutly, in a time when the Assertors of the Divine Purity and Goodness, were persecuted bitterly with nicknames of Reproach, and popular Hatred. They gave sober Accounts of the Nature of God, and his Attributes, suitable to those Declarations of himself he hath made by the Scriptures, and our Reasons: They shew'd continually how impossible it was that Infinite Goodness should design or delight in the misery of his Creatures: That God never acts by meer arbitrary Will, but by a Will directed by the Perfections of his Nature: That to act arbitrarily is Imperfection and Impotence: That he is tyed by the excellency of his Beeing, to the Laws of Right, and Just, and that there are independent Relations of True and Good among things, antecedent to all Will and Vnderstanding, which are indispensible and eternal: That Goodness is the Fountain of all his Communications and Actions ad extra: That to glorifie God, is rightly to apprehend and celebrate his Perfections, by our Words, and by our Actions: That Goodness is the chief moral Perfection: That Power without Goodness is Tyranny; and Wisdom without it, is but Craft and Subtilty; and Justice, Cruelty, when destitute of Goodness: That God is not pleased with our Praises, otherwise than as they are the suitable Actings of his Creatures, and tend to make them love him, in order to their being happy in him.

. . . . . . . . . . . . . . . . .

And because Morality was despised by those elevated Fantasticks, that talk'd so much of Imputed Righteousness, in the false sense; and accounted by them, as a dull, and low thing; therefore those Divines labour'd in the asserting and vindicating of this: Teaching the necessity of Moral Vertues; That Christianity is the highest improvement of them; That the meer first-table Religion is nothing, without the works of the second; That Zeal, and Devoutness, and delight in Hearing, Prayer, and other externals of worship, may be in very evil men: That Imitation, and Custom, and Pride, and Selflove may produce these: That these are no more then the Forms of Godliness: That the power of it consists in subduing self-will, and ruling our passions, and moderating our appetites, and doing the works of real Righteousness towards God, and our Neighbour.

http://quod.lib.umich.edu/e/eebo/A42813.0001.001

partly qtd. in
R. S. Crane, "Suggestions toward a Genealogy of
the 'Man of Feeling'", ELH 3 (1934): 205-30 (208-9)

*****
キーワード:
感受性 sensibility
広教派 Latitude-men

カルヴァン派に対する広教派の反論。
18世紀の感受性の議論の起源のひとつ。

*****
散文。日本語訳の改行は任意。
散文よりも詩(のような体裁)のほうが
実は読みやすい。

*****
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Donne, "Negative Love"

ジョン・ダン (1572-1631)
「否定愛」

わたしは絶対身を落とさない。
目や頬やくちびるを貪って喜ぶ体は卑しい。
まず身を落とさない。
美徳や精神を称えて喜ぶ心も卑しい。
体や心は知っている、何を求めて
自分が熱く燃えるのか。
わたしの愛はもっと愚かでもっと気高い。
求めるものが手に入らないから。
求めるものが手に入った時でも。

もっとも完璧なのは
否定でしか表現できないもの。
わたしの愛こそまさにそれ。
すべての人が求めるすべてにわたしは言う、それじゃない、と。
わたしについてわたしが知らないことを知る人が、
いちばんわたしを知っている。教えて、そんな人、
わたしが求めず求めるものは何? さしあたり、
こう考えれば悩まない。
あたりはない、つまりはずれもない。

20170731

*****
わたしは絶対に身を落とさない、あのように、
目や、頬や、くちびるを餌食として貪り食う者のようには。
まれにしか身を落とさない、あのように、
美徳や精神を称えることしかできない者のようには。
感覚や理解は
何が自分を燃えあがらせるか知っているだろう。
卑しく無知であっても、わたしの愛のレベルはもっと高い。
なぜならわたしは、いつも求めるものを手に入れられないから。
何がほしいかわかっていても。

もし、もっとも完璧なものとは、
否定のかたちでしか表現できないもので
あるならば、わたしの愛こそ、そういうもの。
すべての人が愛するすべてのものに、わたしはいう。ちがう、と。
わたしたちには知りえないことを解読できる人が、
わたしたち自身についてもっともよく知っているというなら、
私の求める、その存在しない何かについて教えてほしい。今のところ、
わたしは、こう考えて悩まないようにしている。求めるものが
存在しないなら、それは手に入らないが、失うこともないだろう、と。

20120922

*****
John Donne
"Negative love"

I Never stoop'd so low, as they
Which on an eye, cheeke, lip, can prey,
Seldome to them, which soare no higher
Then vertue or the minde to'admire,
For sense, and understanding may
Know, what gives fuell to their fire:
My love, though silly, is more brave,
For may I misse, when ere I crave,
If I know yet, what I would have.

If that be simply perfectest
Which can by no way be exprest
But Negatives, my love is so.
To All, which all love, I say no.
If any who deciphers best,
What we know not, our selves, can know,
Let him teach mee that nothing; This
As yet my ease, and comfort is,
Though I speed not, I cannot misse.

Poems (1633), STC 7045

*****
否定神学ならぬ「否定愛」。

7 silly
粗野な、身分が低い、田舎者の、知性に欠ける(OED 3-4)。
1-4行目の宮廷的な「彼ら」they/themとの対比で。

8-9
may I misse what I would have
+
when ere I crave what I would have
+
If I know yet what I would have

9 If
= Even if (OED 4)。

10 simply
例外なく、絶対的に(OED 6d)。

13 I say no
つまり、それはわたしのほしいものではない、ということ。

18 speed
うまくいく、目的を達成する(OED 1)。

*****
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イギリス魔女裁判:データ

イギリス魔女裁判:データ


1. 件数

時期
起訴された人数(人)
処刑された人数(人)
処刑率

ジュネーヴ
1537-1662
318
68
21

ルクセンブルク
1509-1687
547
358
69

ノール県(フランス)
1542-1679
187
90
48

フィンランド
1520-1699
710
115
16

ノルウェー
1551-1760
730
280
38

エセックス州(イングランド)
1560-1672
291
74
24

スコットランド
1563-1727
402
216
54

ハンガリー
1520-1777
932
449
48

スイスでは約10,000人、ポーランドでは約15,000人、
ドイツでは50,000人以上が魔女として起訴されたと
いわれている。

*****
2. 性別

地域
時期
男性(人)
女性(人)
女性率(%)

ドイツ南西部
1562-1684
238
1,050
82

ジュネーヴ
1537-1662
74
240
76

ルクセンブルク
1519-1623
130
417
76

ノール県(フランス)
1542-1679
54
232
81

アラゴン
1600-1650
69
90
57

フィンランド
1520-1699
316
325
51

ロシア
1622-1700
93
43
32

ハンガリー
1520-1777
160
1,482
90

エセックス州(イングランド)
1560-1675
23
290
93

*****
3. 年齢

地域
時期
年齢のわかっている魔法使いの数(人)
50歳以上(人)
50歳以上(%)

ジュネーヴ
1537-1662
95
71
75

ノール県(フランス)
1542-1679
47
24
51

エセックス州(イングランド)
1645年のみ
15
13
87

ヴュルテンベルク?
1560-1701
29
16
55

セイラム(マサチューセッツ州)
1692-1693
118
49
42

*****
4. 魔法使いによってなされたとされた犯罪の種類
(いつ? どこで?)

犯罪の種類
起訴数(件)
起訴された人数(人)

身体に対する危害、あるいは財産に対する損害を加えた
462
271

悪霊に祈願した
28
29

財宝、あるいは紛失物を魔術で探した
9
11

人を殺そうとした、あるいは傷つけようとした
2
2

魔術のために死体を利用した
1
1

予言をした
1
1

魔法使いに相談した
1
1

*****
5. 法令(イギリス)

犯罪の種類
初犯 1563
初犯 1604
再犯 1563
再犯 1604

財宝、あるいは紛失物を魔術で探した
懲役 1年
懲役 1年
終身刑
死刑

魔術で人に危害を加えた、あるいは財産に損害を与えた
懲役 1年
死刑
死刑
死刑

魔術で人を殺した
死刑
死刑
死刑
死刑

墓から死体を掘り出した
……
死刑
……
死刑

悪霊を呼び出した
死刑
死刑
死刑
死刑

魔術で人に危害を加えようとした、あるいは財産に損害を与えようとした
懲役 1年
懲役 1年
終身刑
死刑

魔術で人を殺そうとした
懲役 1年
懲役 1年
終身刑
死刑

魔術で人を 「道ならぬ恋」 に落とそうとした
懲役 1年
懲役 1年
終身刑
死刑

*****
1-3
Brian P. Levack, The Witch-Hunt in Early Modern Europe, 2nd ed.

4-5
A. D. J. Macfarlane, Witchcraft in Tudor and Stuart England

*****
15年くらい前につくったノートから。
何かの参考までに。


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Sensibility: Moral Weeping

著者不明
「道徳的な涙」

道徳的な理由による涙は、その背後に強く気高い感情があることをあらわしている。まったく涙を流さない者など人間とはいえないであろう。泣かないことで英雄的なふりをしたいならばすればいい。ストア派のように感情を麻痺させて威張っていればいい。だが真の人間性とは何か理解している人から見れば、泣かないことは美徳でもなんでもない。もっとも気高く人間的なこととは何か? それは自分や他人の不幸に対して優しく共感する気持ちをもつことに他ならない。そのような感受性を身につけるようみな心がけるべきである。この感受性があってはじめて人はよいことができるようになり、よいことがしたいと思えるようになり、そして、そんなよいおこないこそ幸せをもたらすのであるから。

*****
Anonymous
"Moral Weeping"

Moral weeping is the sign of so noble a passion, that it may be questioned whether those are properly men, who never weep upon any occasion. They may pretend to be as heroical as they please, and pride themselves in a stoical insensibility; but this will never pass for virtue with the true judges of human nature. What can be more nobly human than to have a tender sentimental feeling of our own and other's (sic) misfortunes? This degree of sensibility every man ought to wish to have for his own sake, as it disposes him to, and renders him more capable of practising all the virtues that promote his own welfare and own happiness.

http://graduate.engl.virginia.edu/enec981/dictionary/19anonV1.html

qtd. in R. S. Crane, "Suggestions toward a Genealogy of the 'Man of Feeling'", ELH 3 (1934): 205-30 (206)

*****
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Jonson, ("It is not growing like a tree")

ベン・ジョンソン(1572-1637)
(「木のように育ち」)

木のように育ち
大きくなれば、よい人になれるわけではない。
樫のように長く三百年立っていればいいわけでもない。
いずれ枯れて葉を失い、倒れて丸太になるだけだから。
一日しか咲かない
五月の百合のほうがずっと美しい、
たとえ咲いた日の夜に折れて死んでも……
その日は光り輝いていたのだから。
小さくても完璧で美しい、そんなものがある。
短くても完璧で美しい、そんな人生もある。

* * *
Ben Jonson
("It is not growing like a tree")
From "To the Immortall Memory, and Friendship of
That Noble Pair, Sir Lucius Cary and Sir H. Morison"

It is not growing like a tree
In bulk, doth make man better be;
Or standing long an oak, three hundred year,
To fall a log at last, dry, bald, and sere:
A lily of a day
Is fairer far in May,
Although it fall and die that night―
It was the plant and flower of Light.
In small proportions we just beauties see;
And in short measure life may perfect be.

* * *
7 fall
仮定法(shouldなどが前に省略)。

8 was
仮定法(= would be)。

* * *
英語テクストは、Leaves of Life (1914) より。
http://www.gutenberg.org/ebooks/14849

* * *
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Sensibility: Fordyce

デイヴィッド・フォーダイス
『道徳哲学の基礎』(1754)より

善意の人の喜びは悪人の喜びよりも大きく、また大きくなくともより強い。なぜなら、善意の人は他の人々の喜びを自分のものと感じるからである。皆が、あるいは誰かがより幸せになるということは、善意の人自身にとっても幸せなのである。もちろん、友として他者に共感することに痛みが伴うこともある。心が石であるような馬鹿には感じえない痛みが、である。だがそのような痛みに浸ることである種の心地よい解放感が得られたりもする。それは、そこに溺れていたいと思うような悲しみ、気持ちのよい苦悩である。そのなかで人は甘い涙を流し、自分の善良さを確認して喜ぶのである。善意をなすのに必要な富がなくても、また善意が意図する結果をもたらさなくても……善意の人は自分の優しい気持ちを知っている。これを知っていることこそまさに幸せ、悪をなし勝ち誇る者の喜びに勝る真の喜びなのである。
(263-64)

*****
David Fordyce
From The Elements of Moral Philosophy (1754)
ESTC T142182

qtd. in
R. S. Crane, "Suggestions toward a Genealogy of the 'Man of Feeling'"
ELH 3 (1934): 205-30 (205)

*****
感受性 sensibility

*****
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Philips, "The Splendid Shilling"

ジョン・フィリップス
「輝かしきシリング玉--ミルトン風の詩--」

幸せなる人、それ心配事なき人、争ひ事なき人。
絹革の財布に
輝かしきシリング玉ひとつ残りし人。泣きたくならぬ人、
獲れたての牡蠣売る声聞きて、楽しげな飲み屋の看板見て。
かやふな人は毎夜霧立ちこめし頃、友と「杜松」(ねず)
「鵲」(かささぎ)なる酒場に赴く。
してクロヘやピユリスらニムフに心奪はれ、
艶やかなる瞳に魂射貫かれ、愛炎
燃へ上がらす。かくて幾度となく乾杯す、女の健康、
楽しき遊戯、等しく皆与る愛祝し。
煙草喫ひつつ彼の人は、馬鹿話や
分かるやふで分らぬ洒落や嫌味を言ひ、さも楽しげなり。
対して吾輩、貧困に捻りつぶされ、
貧困にもれなく伴ふ空腹に包囲されし身なり。
残飯少々、酸つぱい酒少々、といふ
実に哀れな馳走にて痩せた体維持したる次第。
食後は孤独な散歩なり。あるひは転寝(うたたね)なり、家、
もとひ、汚き屋根裏部屋にて、ほかほか息なる馳走で
凍てつく指もてなしつつ。またある時には黒きこと
冬煙突の如し、磨き抜きたる黒石の如し、といはんばかりの
パイプにて焼け焦げし内臓味の煙草吸へり。
かくも黒き短きパイプで煙吸ふ
ヱエルズの民(正統、すなはち
古へのカドワラダア王とアヽサア王、浪漫話にて著名なる
王の血引く者たち)はおらぬと思しき。
数多(あまた)の岩山越へ、草木生へぬ崖越へ、
名立たるチエストリアン・チヒズの船荷運ぶ車に
高々仁王立ちにて道行く時であれども。目指すは
かの品売ることならん。アルヴオニアの市場にて
マリドフヌムにて、あるひは古への
モルガヌミアなる町にて、はたまたヴアヽガ川が
豊かなるアリコニフムの地取り囲むあたりにて。
そこ流れ出づるは神々聞こし召したる葡萄酒、
マツシクス、セテヒフス、彼のフアレルヌス産にも劣ることなし。

かくして吾輩、愉快ならざる時ぐだぐだ過ごす。
厳粛なる面持ちで音もなくそこに来たるは借金取り、
これおぞましき怪物なり! 神々の敵、人間の敵なる彼の者が
中空浮かぶ吾が城に昇り来たれり。
叫ぶ雷鳴の如く彼戸蹴ること三度、
恐るべき咆哮とともに吾呼ぶこと三度、まさに
来たるべき運命の予兆、厳かなる響きなり。
すわ、いかんせむ? どこへ逃げむ? 驚き
慌てふためき壁木の割れ目の
暗きところに吾身隠す。髪逆立ちたり。
話す術忘れ、舌固まれり。
何と恐ろしや。その色なき額に
刻まれし長年の睨み、長々伸びたる髯、
清らかなる者たち捕らへ死に至らしめし縄、
皆来たるべき吾が破滅物語れり。右の手には
長き巻物、彼これ厳めしく振りかざす。
そこ記されしは残虐なる文字記号、その
悲痛なること、人目に耐へ難し。(あゝ、神々各位、かやふな
禍(わざはひ)正しき者にふりかかることなきやふ!) 後に続くは
さらなる怪物、先の者とよく似たり。
人相悪きこの者、人呼んでお巡り、
岡つ引き、あるひは人さらひと言へり。その汚らはしき手に
授けられしは信じがたき魔法の力、
古への神々の仕業なり。その大ひなる手のひらにて
債務と悲運抱へし者の肩叩く、
すると哀れなるかな彼
否応なく(古への騎士よろしく)
いずこなるや魔法の城に飛び去りてゆく。
その門破る能はず。無敵の魔術にて
彼卑しき牢獄に閉じこめらるるなり、神か
金の救ひなき限り。

気つけられい、金借りし者、表出るならば気をつけよ、
あたり見よ。芳しからぬ意図とありへぬ眼力もて
この悪党、彼方よりそが足取り追ひたり。しばしば
山間、いと暗き洞穴に潜み、
哀れ油断したる者皆魔の術にかけたり。
汚らはしき手にて襲ひたり。これまさに(詩人歌ひて曰く)
三毛にゃんが屋根裏鼠の
天敵たること永遠なるが如し。彼の者、眠り知らざる目じと開き、
夜毎壁の裂け目にて待ち伏せたるなり。
恐ろしや彼の鉤爪、不用心なる鼠ことごとく
破滅せしむ。かたや女郎蜘蛛、腸(はらわた)より
糸引き出し広間や厨(くりや)に広ぐ、
宿なし虫飛び通る道。して網の部屋にて
ひとり待つ。ぶんぶん歌ひて獲物来たれり。
待ち受けたる運命知らず罠に突入、
もはや逃るる能はず。まるで意味なし、
術あれど武具あれど艶やかなる姿あれど。
意地悪き雀蜂、恋歌歌ふ色雄蜜蜂、
金羽広げ意気揚々たる蝶々夫人、
皆女郎の罠かかりて
あはれ無駄暴れ。果たしてそそそそそそくさ
蜘蛛飛ぶやふに獲物に向かひ、
毒持つ牙刺し生き血啜る。
敵皆足掻けども最早詮なし、万事休す。
屍と化し女郎勝者の巣穴に引き摺られゆくなり。

かやふにして吾昼間過ごす。して夜陰が
冷たき空の下この世界包みし折、
凍へし指温めん、ぱちぱち燃ゆる暖炉よし、
旨し葡萄酒よし、などと皆考へし頃、
吾只独り只座り居る。明かり弱し
ちびけた蝋燭あれども楽しき話
交はす友はなし。ああ悲しや孤独なり。
ああ恐ろしや長き夜、
闇の中吾溜息す。陰鬱なる思ひ食し生きるは
不安に怯へし吾が心。時に哀歌
書きてみる。森の歌、銀梅花の木陰の歌、
波立つ小川にて絶望せし貴婦人の歌、
恋破れ柳に首括りし騎士の歌。
にしても吾永遠なる渇きに悩めり。
安らぎなし。願あるのみ。喉からからにて
救ひなし。重き瞼に休みなし。
万一微睡(まどろみ)
疲れたる手足襲へども、吾が心眠ることなく
酒求む。むしろ夢の中
夢の麦酒に溺れ酔ふ。
して目覚めて渇き癒へざるを知る。
まさに心齧らるる思ひなり。呪はしきは楽しき夢なるかな。

かく歓楽より追放されし吾が暮らし。
もはや香味忘れたり、熱き日浴びて完熟せし
果実数々、渇き林檎や綿毛桃、
皺々鎧堅守なる胡桃、
朽ちて美味なる花梨の実。
何たる苦悩。されどさらなる苦悩吾襲ひたり。
吾が半ずぼん、長きにわたり
冬猛攻、霜侵略に耐へて来しが、
時には敵はず、険しき亀裂谷走らせたり。
時なる者、これ無敵なり!
布口広く対岸遠し。そこより
東風エフルス南風アフステル、はたまた怪力
北風ボレハス北極波凍らせんとばかり
ばふばふ吹き来たりて恐ろし冷たし痛し。
瘧(おこり)の来襲告ぐるなり。これ譬ふなら、
荷沢山の船エヘゲやイホニアの大海
長らく航行せしが、リヽベフム岸を
通りし折見事大衝突したるは
尖り岩、これスキユラかはたまたカリユブデヒスか。
船激突撥ね返らんばかりにてばきりぼきり、
かくも激しき衝撃耐へる能はず。
あんぐり孔開きたる脇より侵入せしは
波の大群狂乱疾風の如く、
最早抵抗敵はずなす術なし。
船人一同の目に映りしは死神の影。
しばし呆然、直ちに桶もてポムプもて只水掻き出し
呪ひ祈り虚しく励むも波拳連打怒涛突入
阻む能はず。遂に泡海に呑まれ
船沈みしは無限淵なり。

*****
John Philips
"The Splendid Shilling"

Happy the Man, who void of Cares and Strife,
In Silken or in Leathern Purse retains
A splendid Shilling: he nor hears with pain
New Oysters cry'd, nor sighs for cheerful Ale;
But with his Friends, when nightly Mists arise,
To Juniper's, or Magpye, or Town-Hall repairs:
Where mindful of the Nymph, whose wanton Eye
Transfix'd his Soul, and kindled Amorous Flames,
Chloe or Phillis; he each Circling Glass
Wisheth her Health, and Joy, and equal Love.
Mean while he Smoaks, and Laughs at merry Tale,
Or Pun ambiguous, or Conundrum quaint.
But I whom griping Penury surrounds,
And Hunger, sure Attendant upon Want,
With scanty Offals, and small acid Tiff
(Wretched Repast) my meager Corps sustain:
Then Solitary walk, or doze at home
In Garret vile, and with a warming puff
Regale chill'd Fingers, or from Tube as black
As Winter's Chimney, or well-polish'd Jett,
Exhale Mundungus, ill-perfuming Smoak.
Not blacker Tube, nor of a shorter Size
Smoaks Cambro-Britain (vers'd in Pedigree,
Sprung from Cadwalader and Arthur, ancient Kings,
Full famous in Romantick tale) when he
O're many a craggy Hill, and fruitless Cliff,
Upon a Cargo of fam'd Cestrian Cheese,
High over-shadowing rides, with a design
To vend his Wares, or at the Arvonian Mart,
Or Maridunum, or the ancient Town
Hight Morgannumia, or where Vaga's Stream
Encircles Ariconium, fruitful Soil,
Whence flow Nectareous Wines, that well may vye
With Massic, Setian, or Renown'd Falern.

Thus while my joyless Hours I lingring spend,
With Looks demure, and silent pace a Dunn,
Horrible Monster! hated by Gods and Men,
To my aerial Citadel ascends;
With Vocal Heel thrice Thund'ring at my Gates,
With hideous Accent thrice he calls; I know
The Voice ill boding, and the solemn Sound;
What shou'd I do, or whither turn? amaz'd,
Confounded, to the dark Recess I fly
Of Woodhole; straight my bristling Hairs erect,
My Tongue forgets her Faculty of Speech,
So horrible he seems; his faded Brow
Entrench'd with many a Frown, and conic Beard,
And spreading Band admir'd by Modern Saint
Disastrous Acts forebode; in his Right hand
Long Scrolls of Paper solemnly he waves,
With Characters and Figures dire inscribed
Grievous to mortal Eye, (ye Gods avert
Such plagues from righteous men) behind him stalks
Another Monster, not unlike himself,
Of Aspect sullen, by the Vulgar called
A Catchpole, whose polluted hands the Gods
With Force incredible, and Magic Charms
Erst have indu'd, if he his ample Palm
Should haply on ill-fated Shoulder lay
Of Debtor, straight his Body to the touch
Obsequious (as Whilom Knights were wont)
To some enchanted Castle is convey'd,
Where Gates impregnable, and coercive Charms
In durance vile detain him, till in form
Of Money, Pallas set the Captive free.
Beware, ye Debtors, when ye walk, beware,
Be circumspect; oft with insidious Ken,
This Caitiff eyes your steps aloof, and oft
Lies perdue in a Creek or gloomy Cave,
Prompt to enchant some inadvertent wretch
With his unhallow'd Touch. So (Poets sing)
Grimalkin to Domestick Vermin sworn
An everlasting Foe, with watchful eye,
Lyes nightly brooding ore a chinky gap,
Protending her fell claws, to thoughtless Mice
Sure Ruin. So her disembowell'd Web
The Spider in a Hall or Kitchin spreads,
Obvious to vagrant Flies: she secret stands
Within her woven Cell; the Humming Prey
Regardless of their Fate, rush on the toils
Inextricable, nor will ought avail
Their Arts nor Arms, nor Shapes of lovely Hue,
The Wasp insidious, and the buzzing Drone,
And Butterfly proud of expanded wings
Distinct with Gold, entangled in her Snares,
Useless resistance make: with eager strides,
She tow'ring flies to her expected Spoils;
Then with envenom'd Jaws the vital Blood
Drinks of reluctant Foes, and to her Cave
Their bulky Carcasses triumphant drags.

So pass my days. But when Nocturnal Shades
This World invelop, and th' inclement Air
Perswades Men to repel benumbing Frosts,
With pleasant Wines, and crackling blaze of Wood;
Me lonely sitting, nor the glimmering Light
Of make-weight Candle, nor the joyous talk
Of lovely friend delights; distress'd, forlorn,
Amidst the horrors of the tedious night,
Darkling I sigh, and feed with dismal Thoughts
My anxious Mind; or sometimes mournful Verse
Indite, and sing of Groves and Myrtle Shades,
Or desperate Lady near a purling stream,
Or Lover pendent on a Willow-tree:
Mean while I labour with eternal drought,
And restless wish, in vain, my parched Throat
Finds no relief, nor heavy eyes repose:
But if a Slumber haply do's invade
My weary Limbs, my Fancy still awake,
Longing for Drink, and eager in my Dream,
Tipples Imaginary Pots of Ale.
Awake, I find the setled Thirst—
Still gnawing, and the pleasant Phantom curse.

Thus do I live from Pleasure quite debarr'd,
Nor tast the Fruits that the Sun's genial Rays
Mature, John-apple nor the Downy Peach,
Nor Walnut in rough-furrow'd Coat secure,
Nor Medlar Fruit delicious in decay;
Afflictions great, yet greater still remain,
My Galligaskins that have long withstood
The Winter's Fury, and encroaching Frosts,
By time subdu'd, (what will not time subdue!)
A horrid Chasm disclose, with Orifice
Wide discontinuous; at which the Winds
Eurus and Auster, and the dreadful force
Of Boreas, that congeals the Cronian Waves,
Tumultuous enter with dire chilling Blasts,
Portending Agues. Thus a well-fraught Ship
Long sail'd secure, or through a Egean Deep,
Or the Ionian, till Crusing near
The Lilybean Shoar, with hideous Crush
On Scylla or Charibdis dangerous Rocks
She strikes rebounding, whence the shatter'd Oak,
So fierce a Shock unable to withstand,
Admits the Sea, in at the gaping Side,
The crouding Waves gush with impetuous Rage
Resistless overwhelming; Horrors seize
The Mariners, Death in their eyes appears,
They stare, they lave, they pump, they swear, they pray:
Vain Efforts, still the battering Waves rush in
Implacable, till delug'd by the foam,
The Ship sinks found'ring in the vast Abyss.

http://spenserians.cath.vt.edu/TextRecord.php?textsid=37978

*****
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From Whichcote, Moral and Religious Aphorisms

ベンジャミン・ウィッチカット
『道徳・宗教格言集』より


理解を放棄して、理解できないことを信じてはいけない。
理解できないことを信じる時でも明確な理由が必要である。

神を信じる人とは理性的に考えることができる人である。

信仰とは、一連の教え、儀礼に則った礼拝、熱い思い、
定式化された言葉、他に対するあら探し、などのことではない。

信仰とは協調性、そして愛である。分離や対立をもたらすような
信仰など信仰ではない。

信仰をもっていても意味がない、生きかたや心を
改める気がないかぎり。

真心こそ神について正しく知る近道である。

理性的でない信仰、根拠のない信仰はただの迷信である。
それは神がつくった宗教ではない。

わたしたちは過ちを犯す。知らないこともたくさんある。
だからたがいに優しくならなければならない。間違って
いるかもしれないから、自信満々に自分の意見を人に
押しつけてはいけない。独断的、強圧的になってはいけない。
不確かな教え、正しくないかもしれない真理よりも、
他に対する愛のほうが大切である。

真の友であれ。あるいはよく知らないどこかの人であれ。
真の友なら喜んで善をなすだろう。よく知らないどこかの人は
意地悪なことをしないだろう。

美しい性格、優しいふるまいこそ、キリスト教における
最高の愛である。

*****
Benjamin Whichcote
From Moral and Religious Aphorisms


We are not to submit our understandings to the belief of
those things that are contrary to our understanding. We must
have a reason for that which we believe above our reason.

He that useth his reason doth acknowledge God.

Religion is not a system of doctrines, an observance of modes,
a heat of affections, a form of words, a spirit of censoriousness.

Religion is unity and love: therefore it is not religion that
makes separation and disaffection.

A man hath his religion to little purpose, if he doth not
mend his nature and refine his spirit by it.

Sincerity of heart is a great advance towards orthodoxy
of judgment.

What has not reason in it or for it, if held out for religion,
is man's superstition: it is not religion of God's making.

Our fallibility and the shortness of our knowledge should
make us peaceable and gentle: because I may he mistaken,
I must not he dogmatical and confident, peremptory and
imperious. I will not break the certain laws of charity for
a doubtful doctrine, or for an uncertain truth.

Either be a true friend, or a mere stranger. A true friend
will delight to do good: a mere stranger will do no harm.

Fair construction and courteous behaviour are the greatest
charity.

https://archive.org/details/libercantabrigi00pott

*****
詩ではなく散文。ケンブリッジのプラトン派。

カルヴァン派的な熱狂・教条主義・排他性から
日々の道徳の指針としてのキリスト教へ。

*****
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Earl of Surrey, "A Complaint by Night of the Lover"

サリー伯ヘンリー・ハワード
「恋する男が愛されない悲しみを夜に語る」

はあ……何もかも沈黙している。
空も大地もまったく静かで、
もう獣も空気も鳥も歌っていない。
星たちが夜の戦車に乗せて月を連れてきた。
海は穏やかで、波もだんだん止まっていく。
ぼくだけが違う。愛の神がぼくの心をねじりあげる。
欲望が求めるあんなことやこんなこと、あんな人やこんな人を
無限に目の前にちらつかせる。ぼくは涙を流して歌う、
幸せの歌、悲しみの歌、どっちかわからない歌を。
好きな人のことを考えていると楽しい、気持ちいい。
でもそのうち病気のように
痛くなる。心に棘が刺さる。
悲しみを思い出してしまうから、痛みを
癒してくれるものがないまま生きつづけなければならないから。

*****
Henry Howard, Earl of Surrey
"A Complaint by Night of the Lover Not Beloved"

ALAS! so all things now do hold their peace!
Heaven and earth disturbed in no thing;
The beasts, the air, the birds their song do cease,
The nightès car the stars about doth bring.
Calm is the sea; the waves work less and less:
So am not I, whom love, alas! doth wring,
Bringing before my face the great increase
Of my desires, whereat I weep and sing,
In joy and woe, as in a doubtful case.
For my sweet thoughts sometime do pleasure bring;
But by and by, the cause of my disease
Gives me a pang, that inwardly doth sting,
When that I think what grief it is again,
To live and lack the thing should rid my pain.

http://www.luminarium.org/renlit/alas.htm

*****
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Wordsworth, "Seeing Miss Helen Maria Williams Weep"

ウィリアム・ワーズワース
「悲しい物語に涙を流すヘレン・マリア・ウィリアムズさん」

あの人が泣いている……そしてぼくの命の赤い血潮は流れ出す、
あふれるように、でも弱々しく、震えるすべての血管のなか。
ぼくの目は溺れてかすむ。脈は静まり、遅くなる。
胸がいっぱいになる、甘い痛みで。
命が抜けていく、重い心から、閉じた目から。
さまよい出そうな魂をため息で胸に呼び戻す。
命が一瞬止まる幸せ、でもほっとする、
さまよう魂をため息が呼び戻し、寝かしつけた時。
あの人の涙の意味……それは内に秘めた優しさ、
暗い悲しみの真夜中に輝く優しさ。
それは露に濡れる夕べに静かに光る星、
意地悪な太陽の力に溺れて見えなかった光と炎。
夜が来て暗くなってはじめて輝き、照らす、
行き場のないかわいそうな人たちを、励ますように、受け入れるように。

*****
William Wordsworth
"Sonnet on seeing Miss Helen Maria Williams Weep at a Tale of Distress"

SHE wept.--Life's purple tide began to flow
In languid streams through every thrilling vein;
Dim were my swimming eyes--my pulse beat slow,
And my full heart was swell'd to dear delicious pain.
Life left my loaded heart, and closing eye;
A sigh recall'd the wanderer to my breast;
Dear was the pause of life, and dear the sigh
That call'd the wanderer home, and home to rest.
That tear proclaims--in thee each virtue dwells,
And bright will shine in misery's midnight hour;
As the soft star of dewy evening tells
What radiant fires were drown'd by day's malignant pow'r,
That only wait the darkness of the night
To cheer the wand'ring wretch with hospitable light.

http://www.english.upenn.edu/~curran/250-96/Sensibility/ww.html
European Magazine, 40 (1787), 202.

*****
キーワード:
感受性 sensibility
詩人 poet

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