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Howard, "Praise of Meane and Constant Estate"

ヘンリ・ハワード、サリー伯
「中庸で安定した生きかたを讃える」

トマス、人生の指針としてよく覚えておきなさい。
いつも帆を広げて海に飛びだしてばかりではいけない。
逆に暗い嵐が怖いからといって
浅い岸にいてばかりでは船底をぶつけて危ない。
黄金の中庸に従って賢く生きれば、
家は平穏に保てる。家を
糞と泥にまみれた獣の巣穴みたいにしては駄目だ。
人を馬鹿する金ぴかの宮殿のようにしても駄目だ。
高い松の木は強い風にへし折られる。
さらに激しく地震で揺れれば高い塔も倒れる。
高い山や崖も稲妻に打ち砕かれる。
確固たる精神は、深い不幸のなかで
開運を待つ。甘い思いをしつつ辛酸に警戒する。
厳しい冬をもたらす神が、その冬を去らせてくれる。
今つらくても、それはいつまでも続かない。いつかアポロンが
弓を緩め、ほほえんでくれるだろう。竪琴にあわせて
歌ってくれるだろう。厳しい時こそ勇敢に立ちあがれ。
賢くなれ。運よく追い風で
帆がふくらんだら気をつけろ。そういう時こそ
帆はたため。急がばまわれだ。そのうちわかるだろう。

*****
Henry Howard, Earl of Surrey
"Praise of Meane and Constant Estate"

Of thy life, Thomas, this compass well mark:
Not aye with full sails the high seas to beat,
Ne by coward dread, in shunning storms dark,
On shallow shores thy keel in peril freat*.
Whoso gladly halseth* the golden mean
Void of dangers advisedly hath his home,
Not with loathsome muck, as a den unclean,
Nor palace-like whereat disdain may glome*.
The lofty pine the great wind often rives;
With violenter sway fallen turrets steep;
Lightnings assault the high mountains and clives*.
A heart well stayed, in overthwarts deep
Hopeth amends; in sweet doth fear the sour.
God that sendeth, withdraweth winter sharp.
Now ill, not aye thus. Once Phoebus to lour
With bow unbent shall cease, and frame to harp
His voice. In straight estate appear thou stout;
And so wisely, when lucky gale of wind
All thy puffed sails shall fill, look well about,
Take in a reef. Haste is waste, proof doth find.

http://www.theotherpages.org/poems/howard01.html

*****
『トテル撰集』 Tottel's Miscellany 所収。
ホラティウスのオード2.10の翻訳。
次の詩も参照のこと。

Sidney (tr.), Horace, Ode 2.10
Lovelace, "Advice to my best Brother"

*****
キーワード:
中庸 golden mean
幸せな人 beatus ille
心の安定 ataraxia
古典 classics
ホラティウス Horace

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Ronsard, ("Mignonne, allons voir si la rose")

ピエール・ド・ロンサール
「カッサンドルに」
(お嬢さん、薔薇を見に行きましょう)

お嬢さん、薔薇を見に行きましょう。
今朝、真っ赤なドレスを
太陽に向かって広げていましたが、
夕方の今、
そのドレスは消えてしまっているかもしれません。
あなたの頬のようだった色も褪せているかもしれません。

悲しいですね、あっという間です、
お嬢さん、朝の薔薇がもう
枯れて美しくない。残念です!
〈自然〉は本当にひどい継母です、
花は長く生きられないのですから、
朝咲いても夜の前に散ってしまうのですから!

だから、いいですよね、お嬢さん、
あなたが若く、花のように咲いているあいだに、
明るく新しい緑の葉があるうちに、
若さの花を摘んでください。
この薔薇のようにすぐに年をとって、
輝く美しさを失ってしまいますから。

*****
Pierre de Ronsard
"A Cassandre"
("Mignonne, allons voir si la rose")

Mignonne, allons voir si la rose
Qui ce matin avoit desclose
Sa robe de pourpre au Soleil,
A point perdu ceste vesprée
Les plis de sa robe pourprée,
Et son teint au vostre pareil.

Las! voyez comme en peu d'espace,
Mignonne, elle a dessus la place
Las! las ses beautez laissé cheoir!
Ô vrayment marastre Nature,
Puis qu'une telle fleur ne dure
Que du matin jusques au soir!

Donc, si vous me croyez, mignonne,
Tandis que vostre âge fleuronne
En sa plus verte nouveauté,
Cueillez, cueillez vostre jeunesse:
Comme à ceste fleur la vieillesse
Fera ternir vostre beauté.

http://poesie.webnet.fr/lesgrandsclassiques/poemes/pierre_de_ronsard/mignonne_allons_voir_si_la_rose.html

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