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Burns, "Auld Lang Syne" (MS)

ロバート・バーンズ
「昔懐かしい日々」(手稿)

ありえるか? 昔のつきあいを忘れるとか、
心に思い浮かべないとか?
ありえるか? 昔のつきあいを忘れるとか?
昔の日々を忘れるとか?

昔懐かしい日々のために、
昔懐かしい日々のために、
友情の杯を高くかかげて、
昔懐かしい日々に乾杯。

おれたち二人、丘を走りまわって、
きれいな花を摘んだ。
でも別れて、遠くまでさまよって疲れた、
あの昔懐かしい日々以来。

おれたち二人、小川で遊んだ、
朝から晩まで。
でも、大きな海がおれたちを引き裂いてうなってる、
あの昔懐かしい日々以来。

ほら、この手を見ろ、親友、
ほら、おまえの手も出せ、握手だ。
真の友情の酒で、
昔懐かしい日々に乾杯。

ほら、もう一杯買ってこい。
おれも行く。
友情の杯を高くかかげて、もう一回、
昔懐かしい日々に乾杯。

*****
Robert Burns
"Auld Lang Syne" (MS)

Should auld acquaintance be forgot,
And never brought to mind?
Should auld acquaintance be forgot,
And days o' lang syne!

For auld lang syne, my Dear,
For auld lang syne,
We'll tak a cup o' kindness yet,
For auld lang syne.

We twa hae run about the braes,
And pu't the gowans fine;
But we've wander'd mony a weary foot,
Sin auld lang syne.
For auld &c.

We twa hae paidlet i' the burn,
Frae mornin' sun till dine:
But seas between us braid hae roar'd,
Sin auld lang syne.
For auld &c.

And there's a hand, my trusty feire,
And gie's a hand o' thine;
And we'll tak a right gude-willie waught,
For auld lang syne.
For auld &c.

And surely ye'll be your pint-stowp,
And surely I'll be mine;
And we'll tak a cup o' kindness yet,
For auld lang syne.
For auld &c.

https://www.themorgan.org/collection/Auld-Lang-Syne/8

*****
いろんな版でいろんな順にスタンザの並びが変わっているが、
個人的にはこれがいちばんストーリーを思い浮かべやすいと思う。
つまり--

丘や小川は「昔懐かしい日々」のこと、
今はたがいにさまよって、また海に引き裂かれて、もう会えない。
最後2スタンザの握手や乾杯は妄想。冒頭にあるとおり、
「昔のつきあいを忘れずにいて、心に思い浮かべている」ということ。

これが18世紀的なセンチメンタリズム。
読者の共感・感受性に訴える、ふつうの田舎の人の歌。

最後のスタンザの、酒を一杯ずつ「買う」というのは、
今でもふつうのパブのスタイル。

*****
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Burns, "A Red, Red Rose"

ロバート・バーンズ
「赤い赤いばら」

ぼくの好きな人は赤い赤いばらのよう
六月に咲いたばかり
ぼくの好きな人は歌のよう
すてきな曲のよう

君はとってもきれいで
ぼくはとっても君が好き
ぼくは君がずっと好き
海がぜんぶ枯れるまで

海がぜんぶ枯れるまで
岩が日差しで溶けるまで
ぼくは君がずっと好き
砂時計に命があるあいだ

さよなら、好きなのは君だけ
さよなら、しばらくのあいだ
またくるからね
一万マイルはなれていても

*****
Robert Burns
"A Red, Red Rose"

O my Luve is like a red, red rose
That’s newly sprung in June;
O my Luve is like the melody
That’s sweetly played in tune.

So fair art thou, my bonnie lass,
So deep in luve am I;
And I will luve thee still, my dear,
Till a’ the seas gang dry.

Till a’ the seas gang dry, my dear,
And the rocks melt wi’ the sun;
I will love thee still, my dear,
While the sands o’ life shall run.

And fare thee weel, my only luve!
And fare thee weel awhile!
And I will come again, my luve,
Though it were ten thousand mile.

https://www.poetryfoundation.org/poems/43812/a-red-red-rose

*****
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Burns, "Ae Fond Kiss"

ロバート・バーンズ (1759-1796)
「やさしいキスを一回」

やさしいキスを一回、そして別れよう。
さよならを一回、そして永遠に別れよう。
心臓からしぼりとられた涙で乾杯して、君に愛を誓うよ。
ため息とうめき声を武器にして君を攻めるよ。
不運で悲しい、なんていわせない。
希望の星が残されている人には。
ぼくには、楽しげにキラキラ輝いて照らしてくれる星なんてない。
暗い絶望で、ぼくのまわりは夜のように暗い。

ぼくが彼女だけを好きなのはしかたがない。
ナンシーは最強だから。
あの子を見たら、愛さずにはいられない。
あの子だけを、しかも永遠に、愛さずにはいられない。
ぼくたちがこんなに深く愛しあっていなかったなら、
ぼくたちがこんなに盲目に愛しあっていなかったなら、
出会っていなかったなら--別れていなかったなら、
心破れることなどなかったのに。

さよなら、最高の人、いちばん美しい人。
さよなら、最高の人、いちばん愛しい人。
すべて君のものとなるように、よろこびと富が。
安らぎと、うれしさと、愛と、楽しみが。
やさしいキスを一回、そしてさよなら。
さよならを一回、そして永遠にさよなら。
心臓からしぼりとられた涙で乾杯して、君に愛を誓うよ。
ため息とうめき声を武器にして君を攻めるよ。

* * *

Robert Burns
"Ae Fond Kiss"

I.
Ae fond kiss, and then we sever;
Ae fareweel, and then for ever!
Deep in heart-wrung tears I’ll pledge thee,
Warring sighs and groans I’ll wage thee.
Who shall say that fortune grieves him
While the star of hope she leaves him?
Me, nae cheerfu’ twinkle lights me;
Dark despair around benights me.

II.
I’ll ne’er blame my partial fancy,
Naething could resist my Nancy;
But to see her, was to love her;
Love but her, and love for ever.---
Had we never lov’d sae kindly,
Had we never lov’d sae blindly,
Never met---or never parted,
We had ne’er been broken hearted.

III.
Fare thee weel, thou first and fairest!
Fare thee weel, thou best and dearest!
Thine be ilka joy and treasure,
Peace, enjoyment, love, and pleasure!
Ae fond kiss, and then we sever;
Ae farewell, alas! for ever!
Deep in heart-wrung tears I’ll pledge thee,
Warring sighs and groans I’ll wage thee!

* * *

(スコットランド語: 英語)

Ae: One
Naething: nothing
Sae: so
Ilka: each, every

* * *

3 pledge
乾杯して友情や忠誠を・・・・・・に誓う(OED 5)。

4 wage
質、抵当として(約束などを保証するものとして)預ける(OED 1)。
Wage war: 戦争をする(OED 10)。

これらが混ざって、「戦うため息とうめき声を君においていくよ」
I’ll wage thee Warring sighs and groans

9 partial
一方の側を支持する、えこひいきする、不公平な(OED A.I.1)。

9 fancy
好きという根拠のない気持ち(OED 8a-b)。

* * *

英語(スコットランド語)テクストはThe Complete Works of
Robert Burns (1855) より。
http://www.gutenberg.org/ebooks/18500

* * *

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