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Cowley, "My Diet"

エイブラハム・カウリー(1618-1667)
「わたしの食事」

わたしの愛にかけて、心から誓います、
わたしの半分ほどあなたを愛している人はいない、と。
だから愛してくれとはいいません。
ただ、神に誓っているのだから信じてください。でないと、死んでしまいます。
どんな召使いでも、
彼の仕えるご主人様の信用に値するはず。
信じてくれるなら、わたしも他の報酬はいりません、たとえ飢えて死んだとしても。

これは特にぜいたくな食事ではないし、それに
それで特に強く健康になれるわけでもありません。
だけど、よろこんでそれに耐えます、
生きて愛することさえできるなら。
あなたの囚人、あなたの奴隷として、
わたしは豪華なごちそうなど期待しません。
ほんの少しのパンと水があればいいのです。

わたしをあわれんでため息をついてくれたら、わたしは一年生きられます。
わたしのために涙を一滴流してくれたら、二十年は生きられます。
五十年は生きられます、やさしく目で見てくれたなら。
百年は食べていけます、一言やさしいことばをかけてくれたなら。
さらに千年はいけます、
もしあなたがわたしに気持ちを傾けてくれたなら。
それ以上のことをしてくれたら、わたしはずっと、永遠に、生きられるでしょう!

* * *

Abraham Cowley
"My Diet"

Now, by my Love, the greatest oath that is,
None loves you half so well as I:
I do not ask your love for this;
But for Heaven's sake believe me, or I die.
No servant e'er but did deserve
His master should believe that he does serve;
And I'11 ask no more wages, though I starve.

'Tis no luxurious diet this, and sure
I shall not by't too lusty prove;
Yet shall it willingly endure,
If't can but keep together life and love.
Being your prisoner and your slave,
I do not feasts and banquets look to have;
A little bread and water's all I crave.

On a sigh of pity I a year can live;
One tear will keep me twenty, at least;
Fifty, a gentle look will give;
An hundred years on one kind word I'11 feast:
A thousand more will added be,
If you an inclination have for me;
And all beyond is vast eternity!

* * *

マーヴェル、「はにかむ恋人に」のヒントになったと思われる
作品のひとつ。(とくに最終スタンザが。)

15歳で詩集を出したということもあって、カウリーは
17世紀にはとても高く評価されていた。が、このような
ラブソングを今読むと、特に第一スタンザの4行目など、
これでいいのかな、という感も。

* * *

英文テクストは、The works of Abraham Cowley (1806),
vol. 2 より。
http://archive.org/details/worksofabrahamco02cowliala

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