10歳の繁殖雌馬が、朝イベルメクチンで駆虫したあと、午後から疝痛を示すようになった。
激しい痛みではないが、前掻きし、横臥したそうだ。
治まらないので夕方来院した。
立っていられるが、前掻きする。
超音波検査で肥厚した内容のある小腸が見えるが、膨満してはいない。しかし、収縮運動はない。
PCV39%、乳酸値2.8mmol/l。
直腸検査では、腹圧は高くなく、明確な異常なし。
鎮静したら落ち着いていたので、入院厩舎へ入れて様子を観ることにした。
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鎮静が醒めたら、やはり痛い。滾転する。
開腹したら膨満部はない。
空腸の色調が悪く、粘膜が斑状に紫になっているのも見える。
円虫による栓塞で血行障害を起こしているのか?
イベルメクチンで動脈の中で死んだ仔虫がその先の動脈を閉塞させたのかもしれない。
前腸間膜動脈を触ってみる。
塊状になっているように感じる。しかし、しっかり拍動はある。
腸間膜の細めの動脈も拍動している。
盲腸、大結腸、小結腸もそれぞれ引き出すが、色調も正常、肥厚もない。
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手術後、入院厩舎でヘパリンを入れた持続点滴をすることにした。
翌日、馬の状態は良好で、疝痛もなく、退院していった。
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この馬が寄生虫性動脈栓塞による疝痛だったのかどうかわからない。
秋から冬の当歳馬に多い気がするが・・・・・
開腹手術して助かった記憶はほとんどない。
外科侵襲は血液凝固系を刺激し、血栓を悪化させるのではないだろうか。
もともと腸管壊死が始まっているので、進行したら希望はない。
イベルメクチンで駆虫後に疝痛を示す馬はときどきいるようだ。
今回の症例を含めて、それらが血塞疝なのかどうか、わからないし、調べる方法も難しい。
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動物の多くは、ヒトの眼と比べると色弱だ。
ヒトの眼がどうして色調判別に優れているかは諸説あるようで、
果物や木の実の熟成を判断できることが生存に有利だったからとか、
他の固体の顔色を判断できることが生存に有利だったからとか、も考えられているらしい。
獣医師として生き残るのにも、色調の判断に優れていることが有利、なのはまちがいない;笑
今まで診た症例の観察から言えば、やはり血栓症による腸管壊死なんです。
輸液バッグ20kg、高圧蒸気滅菌機の水タンク18kg、これを片手で持てないと、うちの獣医師は務まりません;笑 化粧をしないと人前に出れない獣医師は夜中の急患への対応が遅れます;笑
体質的にありうるとしたら死んだ寄生虫に対するアナフィラキシーとかですかね。
蕁麻疹体質みたいなのが消化管に出るとか。
重いもの見て重そうだねーではなくて僕も持てないーに共感が移っているんでしょうね。ハイビジョン対策に化粧するようになったらテレビがオワコンになったのは、見え過ぎというより興味の対象でないものにこだわってもという感じなのでしょうか。
無駄に鍛えるというのも生産性に繋がるのはエンターテインメント分野ならではなのでしょうけれども。
体張りすぎだよ。グッドカーラーさん...
イベルメクチン駆虫後に疝痛を示す馬がいる、というのも公式の情報があるのかどうか・・・
私はどういうわけか縫合糸の視認にさほど苦労していません。でも、ブルーベリーを食べようと思います;笑
最近は男が化粧するようになっています。そういう文明、国は衰退すると思います。淘汰選別が進む前にでしょうね。
ヘパリンで改善したということから虫による物理的な塞栓ではなく血栓の可能性ということなのでしょか?血栓性微小血管障害症(thrombotic microangiopathy;. TMA)でしょか?ヘパリン投与前に腸管の損傷の否定はしておきたいですよね。
イベルメクチンは肝代謝の薬剤だし、肝機能、線溶系の検査値もみたかったような。プロテインCやSとかあと、Dダイマーかな?たぶんどれかは保険では査定されそう
ウロキナーゼで溶解後、ヘパリンとワルファリンでしばらく治療を継続した症例が人では。
気泡はなんでしょ?
アジサイのお花はツンツンのとこ。見事な開花ですね。素敵です。
スマホ用の犬の見え方アプリがあるのですが、人からすると味気ない景色が展開します。
夏本番来ますが、目も大事にして診療がんばってください。
汎用されているだけあって神経に障っているとは思いませんが。
きれいですねー(この感性すら利用されるわけで)
色盲検査とかまだ学校でやっていましたっけ?
スマホに設定機能がありますが、動物相手にこれはできないのでというところはありますね。
wikiは狭鼻小目サルが色盲見るより興味深いです。
ヒトは狩猟始めて淘汰圧下がっているみたいですよ。
現代社会は人の顔色なんか見ないやつのほうが生存有利なのではないですかね笑
諂うのは全然違う尺度じゃないですか。
さらに淘汰圧下がるー
もっというとオスが色盲を脱したのはメスとの共感力なのではないでしょうか(上に戻る)