2日前から40℃以上の発熱をしているという当歳馬。
ひどい疝痛になって来院した。
PCV44%、乳酸値4.6mmol/l。
開腹手術適応かと思うような症状と経過だが、超音波では小腸の肥厚と、大腸の液状内容のみが所見だった。
腸炎による疝痛か・・・・・・
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翌朝までそれなりに落ち着いた。
PCV64%、しかし乳酸値は0.8mmol/l未満。
変位疝なら乳酸値が下がることは考えにくい。
やはり腸炎か・・・下痢が始まれば楽になるか・・・と考えて輸液治療するが、
また疝痛がひどくなった。
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これ以上待っても回復すると思えず、消化管が破裂する恐れもあるtと考え、開腹手術することにした。
結腸動脈には触れるほどの血栓があり閉塞している。
結腸を亜全摘し吻合すれば助けられるかと考えたが、
結腸の基部の動脈に触れても拍動が感じられない。
超音波ドップラーで血流を確認しようとしたが、まったく血は流れていなかった。
盲腸尖も変色し始めていた。
小腸の肥厚も血行障害によるものなのだろう。
これでは結腸を切除吻合しても助からない。
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剖検で、結腸動脈を開いて血栓をもみほぐしても円虫子虫の虫体は確認できなかった。
しかし、結腸動脈の内膜には糸状隆起線があった。
やはり普通円虫の子虫が動脈を傷つけて血栓を作ったのだろう。
そして、腸粘膜の壊死が始まって発熱し、数日の経過で動脈が完全閉塞し、ひどい疝痛になった。
それほど膨満している腸管はなかったので、あの痛みは腸が壊死していく虚血痛だったのかもしれない。
きちんと駆虫しているそうなのだが・・・・・
この秋、寄生虫性血栓による腸管壊死で死亡した馬はもう3頭目だ。
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とりあえず、ゴロスリしとけ!
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