馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

子馬の大腸炎からのDIC

2015-07-13 | 馬内科学

前日から下痢をしていた子馬が朝、かなり具合が悪いと思ったら、昼には立てなくなったとのことで夕方来院。

子馬の様子を診て、「厳しいですよ」と言ったが、なんとか治療開始する。

口粘膜はチアノーゼ。

持続点滴して、酸素吸入して、抗生物質投与して・・・

入院厩舎で立てるようになり、蠕動も少しは出てきて、いくらか改善傾向かと思ったが、

夜、別な繁殖雌馬の開腹手術を終えて入院厩舎に居たら、突然倒れて死んでしまった。

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剖検すると、全身諸臓器の漿膜面に点状出血。

小腸粘膜は腫れているがさほど出血していない。

大腸の粘膜はひどい。

壊死と言ってよい状態で、ほとんどバリア機能を失っていただろうと思わされる。

肺も点状出血。

膨らんでしまってしぼまない。気管支枝が閉塞してしまっているのだろう。

典型的な大腸炎とエンドトキシン血症とDICだと思われる。

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若い獣医さん達、それから獣医科学生諸君、DICって言うけど何のことだか説明できるかい?

播種性血管内凝固?

じゃあ、DICって何の略?

診断は?治療は?予後は?原因は?

答えは明日にしようか;笑

                   //////////

とうちゃん、ひなたぼっこしてないでアソブべ~

これほしかったら取ってミレ~

ヨダレでベトベト~

取ったらカムゾ~

あ~おもしろかった

 

 



2 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2015-07-13 20:38:05
 下痢していて、その後チアノーゼで、となると、ほんとに苦しそうです。
 骨はおどろような回復を示すのに、こういうときは、儚いような印象をもちます。
 DICから回復した人の話は聞くのもお気の毒なほどで。治療した側の話はきいていないですが。かなり大変そう。
 早期に診断がついたとして、助けられそうですか?
 明日の答えあわせ、待ちつつも、悲しい気持ち。
 でも、オラ君!いいお顔。
 こちら、明日も
 
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>はとぽっけさん (hig)
2015-07-14 04:43:26
早期にDICだと判断して治癒すると、ホントにDICを起こしていたの?ということになりそうです。
重症化すると厳しいですね。
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