1歳馬の疝痛。
かなりひどくて、発見して2時間ほどで来院し、超音波で重積が確認され即開腹。
盲腸結腸重積だった。
発症してから早いので整復できるかと思ったが、1時間ほどがんばってもほとんど抜けてこなかった。
そのうち右背側結腸が破裂してしまいあきらめた。
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解剖場ではなんとか整復できた。
葉状条虫が大量に寄生している。
それも盲腸全体に。
それで、盲腸が肥厚し、動きがおかしくなって、反転し、結腸に飲み込まれるのだ。
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開腹手術中はあれほどがんばっても整復できなかったのに、死亡後には整復できたのは、麻酔中でも腸壁に収縮があるからかもしれない。
次回はブスコパン(ブチルスコポラミン)かパドリン(プリフィニウム)
を投与してやってみよう。
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盲腸結腸重積を救命する外科手技はともかく、
発症させないようにするためには牧場の葉状条虫対策が必要だ。
この1歳馬は1.5ヶ月前にイベルメクチンとプラジクワンテルの合剤を投与していたそうだ。
その前にはイベルメクチンを投与している。
・葉状条虫はプラジクワンテルに耐性を示し始めているのかもしれない。
・濃厚汚染されていると、駆虫してもまたすぐ大量寄生するのかもしれない。
・きちんと駆虫剤を飲み下さなかった可能性もある。
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そして、もう駆虫薬だけに頼った寄生虫対策は無理がある。
放牧地とパドックが、葉状条虫に汚染されないよう対策する必要がある。
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私が退勤する道で側を通る牧場さんは、いつもその時刻に放牧地に軽トラックを止めて、馬糞を拾っている。
偉いな~ と感心して見ている。
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今日は、台風接近で雨と風のようだ。