朝、地区の獣医さんから帝王切開しなければいけないかもしれないんですけど・・・と電話。
しかし、なぜ帝王切開をしなければいけないのか、どういう状況なのか要領を得ない。
まだ診てもおらず、農場から連絡があった、というだけなのだが、こちらが訊きたいことを把握していない。
農場から直接、その牛についてわかっている人に連絡してもらうようにことにする。
-
分娩予定を3日過ぎて、過大子になりそうだ、と農場が判断して分娩誘発した、のが2日前。
昨夜は産道は開いては来ているが、まだ破水もしていない。
しかし、子牛の蹄がとても大きく、今朝も子宮頚管の開きも不十分で経膣で産めそうにない、との判断。
それなら、来て下さい。
診てみますけど、必要そうなら帝王切開します。
-
来院して、帝王切開の術野の準備をしている間に、産道から診てもらう。
「出せそうだ」と言うので、羊膜を破って、産科チェーンを着けて、引っ張ってみるが・・・・
見えてきた蹄はとても大きく、両前肢を引っ張ると頭も捻れる、と言う。
子牛は生きている。
「帝王切開しよう」
子牛を生きて娩出させることが大切。
1年で200頭、牛の分娩を観る人が帝王切開して欲しいと言っているのだ。
経膣分娩でてこずって子牛を死なせるわけにはいかない。
-
私がやるのが速いのだけど、もう私が経験を積むことには意味はない。
女性獣医師二人にやってもらう。が、患畜は練習台じゃない。
大きな雄子牛が生まれた。
”未経産”の母牛は知らぬ顔。
それでも、手術が終わって子牛をトラックへ運ぶときには少し反応した。
自分のものだと、少しはわかっていたのかも。
-
この農場では、2産目以降に角を短く切るのだそうだ。
長くなって、牛同士の怪我を防ぐため。
現実的な方法かもしれない。
---
午前中は、当歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。
午後は、直腸膣瘻の修復手術。
続いて、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。
季節はずれの臨床実習生ひとり。
前夜に手術した結腸捻転の競走馬は退院していった。
///////////
白金温泉付近から観たオプタテシケ山。
林道の遠く奥から登らねばならず、夏は水場もなく、山容も険しいので登る人は少ない。
しかし、鷲が翼を広げたような姿は美しく、私はこの山が好きだ。
頂上から二本の岩稜が続いていて、それぞれにB壁とA壁と呼ばれる岩壁が途中にある。
学生のとき3月に凍っていたこの岩稜を登った。
あの頃は元気で・・・・・○○だったな;笑
今は雪の林の中を歩くのも楽しめますが、若い頃は危険な氷壁の方が面白かったです。「馬鹿」だったかもしれません;笑
この農場は、大きくならない種牛をつけていたらしいですが、この農場は栄養管理がしっかりしているのでしょう。母牛も大きいし、子牛も大きいです。
母性の目覚めには、産道の刺激も大きな因子なのでしょう。泌乳開始にも重要な役割をするようです。
黒毛生産牧場の哺乳・離乳状況はいろいろです。でも、しばらくはお母さんといっしょにいます。
元気以外には、「無謀」「過激」ですかね;笑
秋のクマは怖いです。特に近年のクマは。
肥育農家さんはサシが入るだけの血統の種雄牛の子では安値傾向です。
子牛にはサシも枝重も求めます。
なので、繁殖農家は初産からサシも枝重も出る種雄牛を使いがちです。
枝重と生時体重はある程度の相関があると思います。
なので、かなりの危険を犯しています。
我が家で使う種雄牛の中には、1頭だけ、大きくない子牛で生まれて子牛市の頃には大きくなって枝重サシもかなり良いというのがいます。
初産や大きくない経産にはこの種雄牛を使うことが多いです。(このことは全国的に有名になりつつある。)
我が家にはこの種雄牛の娘牛を繁殖に使って初任なのですが、お腹の父は枝重が出にくいタイプなので、子牛市までに相場が戻らないと怖いです。
手術の母牛は経膣分娩していないので、脳のずっと奥にある母性が覚めにくかったのかもしれませんね。
オーナーの意向に反するアプローチ進めるには相当結果に自信がないと厳しいですね。
その手技に関係なくても意図しない結果に至れば責任転嫁されがちですから。
まあデカい仔なのでしょう。
黒和が黒和を産める段階じゃなくなってきているような気がします。
普通のお産を母体に経験させて、それにどうリアクションするか世話人が把握するのって大事だと思います。
無関心ならともかく、仔牛だったり世話人を攻撃するの常に居ますからね。
3月なんて雪山ではないのですか。
普段車で行けるところも歩かなければならないという、それだけで楽しめそうなんですけれど。
>経膣分娩でてこずって子牛を死なせるわけにはいかない。
破水前に経験豊富な二人の判断と、先生方(あえて女性獣医師とは書かない)による帝王切開で無事に大きな子牛が生まれてよかったですね。
乳牛と違って、しばらくお母さん牛と過ごすのでしょか?
元気で○○な若きhig先生。
今年の春山で、どうやら子熊の鳴き声を牛と聞き違えたようで、いとこわんわんに怖い思いをさせちゃったようです。ので、もういとこわんわんとは熊の山に行きません。が、熊のいない山を知りません。