さて、この2症例報告では、Discussionにおいて、子牛の体重と増体量が検討されている。
どうしてこんな手描きのグラフなんだかわからない;笑
アスタリスクの箇所だけが、実際の体重測定なので、それぞれ3回計っているだけだ。
生後5日齢で骨折したホルスタイン(青線)は4週間後まで0.23kg/日しか増体していない。
まあ、堪えたのだろう。
Beefalo(赤線)は12週間で骨折したが、その前後でも0.6kg/日と安定した増体だった。
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まだ未発表の成績なのだが、私たちの黒毛和種子牛の骨折プレート固定の経験では、
ほとんどが、0.6kg/日以上の増体が骨折後の1-2ヶ月に得られている。
骨折の手術に来たときと、プレート抜去手術に来たときには体重計で正確に体重測定できるので、算出できるのだ。
フルリムキャスト固定して、不自然な姿勢でしか伏臥できず、寝起きが不自由だとそうはいかないのではないか、と思っているのだがどうだろう。
どなたか、骨折子牛の増体量のデータを知っていたら教えてください。
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参考になるデータだが、
虚弱黒毛和種子牛で、0.75±0.11kg/日
正常黒毛和種子牛で、0.89±0.14kg/日
だったという日獣会誌への報告。
これは引用文献として使える。ありがたい;笑
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もっと日齢がいった時期では、
3ヶ月で離乳すると0.7kg/日
7.5ヶ月まで離乳しないなら、1.1kg/日
だった、とする日本畜産学会報への報告。
これも引用文献として使えるだろう。ありがたい;笑
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私たちが骨折をプレート固定で治した黒毛和種子牛は、雄なら肥育素牛として売買されていっている。
その値段は、飼い主さんが充分満足がいくものだ。
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牛の骨折手術は、静脈麻酔でするにしても、気管挿管しておきたい。
吸入麻酔してやるなら当然必要だ。
これは馬のTieback手術中の気管tubeのカフの様子。
あまり膨らませすぎると破裂するかもしれないし、気管粘膜を圧迫壊死させる。
気管tube自体を押しつぶすこともあるようだ。
膨らみが足りないとエアーが漏れる。
牛の気管挿管は、馬より難しいよ。
牛の骨折治療の経験ある先生方から体重の報告がたくさん集まるといいですね。
牛の気管挿管は馬より簡単とも言われますがやはりソウカンたんではないのですね。先生方は機会があれが実習しといたほうがよさそうですね。
牛の気管挿管は馬より難しいですよ。普及すると好いな、と思う手技のひとつです。
評価が難しいので無視されてますけどね。
コルチゾールが一応指標に使えるみたいなので、体重と並行して測定すればいいのかもしれませんね。
そういうとこできるのが大学でしょうけれども。
疼痛拘束と機械拘束は卵先鶏先問題でもあるので、早くエンドポイントすることでその評価から逃げることができます。
術後の写真だけ載せてはい治りました、としてるパターンですね。
挿管の困難以上に流涎とか胃内容の多さとか牛はより多くのリスクを抱えているのかもしれませんね。
新生子牛にフルリムキャスト・トマススプリントでは、まともには立ち上がれないでしょう。
この2症例報告も体重も数回しか量っていません。コルチゾールも測るなら、相当な回数測らないとならないでしょう。
腸閉塞、食道梗塞、鼓張症、etc. 気管挿管の適応症は多いと思います。できない、やったことない、習ってない、器材がない、が現状なので、改善の余地があると思います。