この時期、1歳馬はセリや、あるいは庭先取引される。
すでに売れている馬も引渡しの日が近づいている。
それでこの季節に怪我をしてしまったりすると困ったことになる。
腕節を打撲したらしく腫れてしまった1歳。
徐々に腫れてきたとのこと。
で、1ヶ月経っても治らない。
-
超音波画像検査すると、皮下に袋状の組織ができて漿液?血液?が溜まって、その中にフィブリン塊があるのがわかった。
関節や腱鞘とはつながってなさそうだ。
しかし、皮膚がまだ硬いのでもっと放置しておいて、炎症が治まり、肉芽組織が線維化し、治癒機転が終わってから袋状組織の摘出をしたい。
しなければ治らない。
しかし、のんびりしていられない。
-
それで、手術台に乗せて腕節の皮膚を切開した。
袋状組織は硬く、皮膚と癒合しているので、先に袋状組織を切開してしまう。
あとは、死腔をのこさないように皮膚を腕節に縫い付ける。
そして、圧迫包帯をしっかり巻く。
あとは安静にして袋がなくなり、炎症が治まるのを待つ。
/////////
私も実際に見たり聞いたりしたことがあります。
放っておいてしばらくすると腫れが硬く小さくなったもの(残りはしましたが)や、切開や穿刺しても結局元に戻ってしまったものなどです。
今回外科的に摘出することができると知り大変勉強になりました!
人のガングリオンの派生も厳密には把握されていないようですが、同じものだと思うのですよね。
一つ質問させてください。
Manual of Equine Practice(2版)を見ると、先生のおっしゃる「ガングリオン」と同じと思われる疾患がHygroma(腕節の滑液嚢水腫)と表記されており、「腕節の背側皮下における大きな液体貯留性の腫脹」となっています。これは言い方が違う(変わった?)だけで同じ疾患と考えてもよいのでしょうか?
「安静」ですね。オラ君みたいに、川に浸しておきたいところでしょうか?
足をつかないで泳げるところもあるんですけど、自分からは泳ぎませんでした。PFD着けてなかったから?エライエライ。
川の水、すごく少ないですね、オラ君。