その妙な形の舌骨がどのように機能しているかというのはなかなか難しい。
左図と以下の文章はEquine Surgery 3ed.から。
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鼻咽頭は呼吸と同様に嚥下にも関わっており、食道へ食塊を進めるために収縮し、かつ、肺へと肺からの空気の流れを邪魔しないように運動中には拡張しなければならない。
これらの機能は独特の位置にある筋肉により行われていて、一群の筋肉は咽頭の収縮と拡張を行うことができる。
馬におけるこれらの筋肉の正確な機能は完全には解明されていないが、馬と他の動物種での研究において、概要はわかってきている。
舌骨構造は非常に重要で、舌の根元と喉頭と同様に咽頭も支えている。
舌骨構造の筋肉は次のような仕組みで吸気時に収縮して咽頭を拡張させている。
頤(おとがい)舌骨筋と頤舌筋は吻側・腹側へ、一方胸骨舌骨筋と胸骨甲状筋は尾側・背側へ引っ張る。
この組み合わせ効果は、茎状舌骨と角舌骨関節を伸展させ、舌骨は腹側へ動き、鼻咽頭は安定しさらには拡張もする(上図)。
DDSPの推奨される手術の1つは、胸骨舌骨筋と胸骨甲状筋の切断である。
この手術の目的は、喉頭蓋を吻側へ動かし、そのことで軟口蓋に咬み合せることである。
先に述べたように、胸骨舌骨筋と胸骨甲状筋の切断は咽頭の拡張を妨げることは明らかで、咽頭の虚脱を促進するかもしれない。
運動中の馬で計測すると、胸骨舌骨筋と胸骨甲状筋の切断は運動中の馬の気道の抵抗をわずかに増やすことが示唆されている。
(つづく)
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大学で講義して、翌日はお隣の獣医師会の講習会に出てきた。
今年のテーマは「馬の呼吸器」。
競走馬の輸送性肺炎、馬の肺胸膜炎、Rhodococcus equi感染子馬のスクリーニング、子馬の間質性肺炎、子馬の気管裂傷、運動中喉頭内視装置、馬の喉頭の軟骨の個体差についての文献紹介、上部気道のLASER手術とたいへん興味深く、勉強になった。
参加者90名とのこと。
こんなに馬医者がいるんだね~。
もっとも本州からの参加者や学生さんもいたようだ。
良い内容なら人は集まるんだね~。
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