真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
 



 「痴漢電車 締めつける女」(1996『痴漢電車 貝いぢり』の2002年旧作改題版/製作:旦々舎/提供:Xces Film/監督:浜野佐知/脚本:山崎邦紀/撮影:稲吉雅志・小山田勝治/照明:上妻敏厚・荻久保則男/音楽:藪中博章/編集:㈲フィルム・クラフト/助監督:森満康巳/制作:鈴木静夫/効果:時田滋/スチール:岡崎一隆/録音:ニューメグロスタジオ/現像:東映化学/出演:永尾和生・吉行由実・青木こずえ・リョウ・樹かず・荒木太郎・真央はじめ)。
 ある日銀行員の安東(真央)は、電車の中で痴漢(痴漢師は荒木太郎)される美貴(永尾)の姿を目撃する。その時から、安藤は美貴にピリオドの向かう側で一目惚れする、一言で片付けてしまへばストーカーもの。恥づかしながら、私は疲れ切つてゐたので、観てゐた際途中で寝てしまつた。もうこの映画は捨てて帰つてしまはうかとも真剣に迷つたが、旦々舎の映画でもあるゆゑ、もう一周して観た。私は一度目、起承転結に於ける承部の、美貴と恋人(樹)の濡れ場のところで寝落ちたのだが、二周目、転部から安東が豪快に暴れ出し、実は頗る面白い映画であつた。オチまではあへて自重するが、安藤は、まづ美貴を苦しめる痴漢師を排除する。その上で、自分が美貴を痴漢する(笑)。怒つた痴漢師から仁義を見せろ、と金品を要求されると、安藤はグーパン一発でノック・アウト。亀頭のやうな髪型で、偏執的なルックスの真央はじめがストーカー役にピッタリ―だから、古い話を蒸し返すが真央はじめが女にモテモテの色男といふ設定はナシだらう。さういふ辺りが、中野貴雄と浜野佐知との見識と、地力の差である―であるし、旦々舎の映画に変態役で出て来る荒木太郎は実に活き活きとしてゐる。昨今の体たらくでは、国沢実共々最早役者に専念してゐた方がマシかも知れない、といふのは意図的に滑らせた筆である。
 配役残り、青木こずえは安東の恋人。リョウは、美貴が勤めるコンサルティング会社のセクハラ社長、美貴をレイプする。吉行由実は、報復に安東に犯されるセクハラ社長婦人。夫が犯したレイプの報復に自分が陵辱されたと知るや、夫を捨て家を出る、といふシークエンスは実に浜野佐知らしい。

 主演の永尾和生は他に山﨑邦紀の映画に一本と、ピンクの出演作は二本しかない―多分とつくに引退されてゐるのであらう―が目と目の間の離れた、絶妙に表情のセクシーなそゝられる女である。
 DMM備忘録< 安東逮捕の一年後、新生活に羽ばたかうとする美貴を、何故か娑婆にゐる安東が電車の車中ロック・オン


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