真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
 



 一親等ともなると身内中の身内の不幸や非人道的な繁忙期に感け、すつかり忘れてゐた私選ピンク映画2012年ベスト・テンその他与太である。本当の本当に率直なところをいふと、一昨々年森山茂雄のヒッチハイク・ピンクや昨年のセカンドバージンに匹敵する、群を抜く圧倒的な一作には乏しい一年、といふ面に最も足を引かれたところではある。

 そんなこんなで簡略に、12年(昭和換算:79-8年)ピンク映画ベスト・テン

 第一位「おねだり狂艶 色情いうれい」(オーピー/監督:渡邊元嗣)
 ナベシネマの“強さ”に、ベタなメッセージにも関らず涙腺が決壊する。
 第二位「感じる若妻の甘い蜜」(オーピー/脚本・監督:田中康文)
 随一の映画力、撮影賞は飯岡聖英。
 第三位「新婚妻の性欲 求める白い肌」(オーピー/脚本・監督:吉行由実)
 偽装三番手が引つ繰り返す大どんでん返し。松浦祐也・沢田夏子・亜希いずみら―あと色華昇子も―錚々たる面子を押さへ、復帰賞は上加あむ。
 第四位「いんび巫女 快感エロ修行」(オーピー/監督:渡邊元嗣)
 オッパイの名作。
 第五位「お色気女将 みだら開き」(オーピー/監督:竹洞哲也)
 松浦祐也が三年ぶり奇跡の大復活、物語本体もエモーショナル。
 第六位「変態女課長 陵辱ぶち込む」(オーピー/監督:国沢☆実)
 前半のピンクと、後半の映画。
 第七位「乱交白衣 暴淫くはへ責め」(オーピー/監督・脚本・出演:荒木太郎)
 正体不明のパワー溢れる快作。
 第八位「発情バスガイド おしやぶり巨乳」(オーピー/出演・振付・小道具・殺陣・音楽・制作・脚本・監督:清水大敬)
 案外手堅く纏まつた、いい塩梅に愚直な娯楽映画。
 第九位「人妻娼婦 もつと恥づかしめて」(オーピー/監督:池島ゆたか)
 黒い津田篤がカッコいい、ソリッドな裸映画。
 第十位「どスケベ検査 ナース爆乳責め」(オーピー/監督:加藤義一)
 賑々しい周年作、最後の本格旧館映画か。

 更にサクッとワースト・スリー

 第一位「悩殺セールス 癒しのエロ下着」(オーピー/監督:渡邊元嗣)
 第二位「人妻の恥臭 ぬめる股ぐら」(オーピー/脚本・監督:山邦紀)
 伊沢役が致命傷、吉行由実は超絶。
 第三位「若未亡人 うるむ肉壺」(オーピー/監督・脚本:関根和美)
 関根和美が次なる御大の称号に手を届かせかねない、ネガティブな衝撃作。

 評価に窮して裏一位、「さみしい未亡人 なぐさめの悶え」(オーピー/出演・脚本・監督:荒木太郎)
 相ッ変らず東京物語では仕出かしつつ、石巻に届けたエモーションは買へる。
 殆ど定位置の裏二位は「美女家庭教師の谷間レッスン」(オーピー/監督:小川欽也)
 箱根経由花宴行き貫禄の伊豆映画。
 裏三位は「人妻家政婦 うづきに溺れて」(オーピー/監督:竹洞哲也)
 シリアスなメロドラマの進行もそつちのけに、キャストの過半数がコミック・リリーフといふある意味画期的な布陣の一作。


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