閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

背中合わせ

2009-10-11 16:49:39 | 日々
干したお布団をたたんで床に置いておいたら、
お茶々(左)がさっそく来て「わぁい、ふっかふっかだ~」と。
しばらくして、そこへ、さんちゃん(右)もやって来た。

茶々は、さんちゃんが大の苦手。
ふだんは、ちょっと目が合っただけで
「ふーっ! しゃーっ!」とまったく寄せつけません。

しかし、さんちゃんも、ふかふかお布団は大好き。
茶々姉ちゃんにはあんまり近寄りたくないんだけど、
どうしてもどうしてもここで寝たいっ!
静かに後ろにまわり、熟睡している姉ちゃんを起こさないように、
そーっと、そーっと…。

背中と背中をちょっとつけて、、一見、2匹仲良くおやすみ中。
でも、実は一触即発の危機と隣り合わせ、という
なかなかスリルのある場面。


ところで、
昨日の記事を書くついでに、国語辞典で「かば」をひいたら、
「アフリカ特産の大型の哺乳動物で、泥水にすむ」云々
と書いてあった。
「特産」という言い方もなんとなくおかしいが、
好き好んで泥水に住んでいるわけでもないと思うけど。
たまたま余っていて、大きさが手ごろだったから、という理由で
「新明解」をメイン辞書にしているのがやっぱり変なのかな?
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河馬の選択

2009-10-10 15:04:03 | 日々
どうにか晴れたので、冬用の布団をひっぱり出して干す。
タオルケットや綿毛布など、薄いものを重ねてしのいでいたが、
そろそろ厚手の布団が恋しくなってくる季節だ。

「カバーも洗わなきゃ」と呟き、
「河馬の洗濯」と変換して、ひとりで遊ぶ。
どう考えても家庭用洗濯機には入らない。
ガソリンスタンドの洗車機ならどうだろう。
しかし、ふだんから川にとっぷり浸かっている河馬を、
わざわざ水洗いするのも馬鹿馬鹿しい。
ワックスがけだけでいいでしょうか。

かつては「せんたく」といえば「洗濯」だったけれど、
近頃は「選択」のほうが上位にくるのかもしれない。
では、河馬の選択。

川辺の瀟洒なレストラン。
河馬専用のテラス席がある。
ウエイターがランチメニューを持ってくる。
本日のサラダ。
キャベツととうもろこしとりんごの中から2つお選び下さい。

…あまり面白くない。

川辺の瀟洒なレストラン。
かたわらに船着場がある。
川には橋がない。
向こう岸へ行くにはここから渡し舟に乗る、
とガイドブックに書いてあるが、
あたりに船らしいものも見あたらない。
はて、と思っていると、渡し守が近づいてきて言う。
河馬と象と鰐の中から1つお選び下さい。

人気のあるのはやっぱり象で、次が河馬。
当然でしょう、という顔をしている象。
なぜそうなのか、ということは深く考えない河馬。
鰐を選ぶお客がひとりもいないので、鰐は不機嫌だ。
誰か乗ったら食ってやろうかとひそかに考えている。
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毎日がクリスマス

2009-10-09 14:40:28 | 日々
玄関前にたまった落ち葉を掃いていたら、
近くの養護学校のグランドから、童謡メドレーが流れてきた。
運動会の練習なのか、スピーカのテストなのか、かなりの音量だ。
「おもちゃのチャチャチャ」など、昔懐かしい曲も混じるが、
すっかり現代ふうのアレンジになっている。
知らない曲もひとつふたつある。

聞くともなしに、耳が歌詞を拾った。

「♪サンタクロースを つかまえて
 うちだけ まいばん クリスマス
 そうだったらいいのにな」

うわぁ、怖いよ、それは…と苦笑しながら、
ふと、ひとつわかったような気がした。

子どもなら、きっとそう思うだろう
…と考えて、作詞家はこの歌詞を書いたのだ。
サンタクロースにしてみれば、迷惑この上ない。
親だって、たまったものではない。
作詞家自身、毎晩クリスマスなら嬉しいなんて、
おそらくこれっぽっちも思っていないはずだ。
プロの仕事だ、と思う。

子どもの気持ちになって、子どもの目線で書く、というのは、
そういうこと、かもしれない。
子どもの思いつきというのは、しばしばこのように自由で身勝手だ。
子どもたちは、この歌を面白がり、大きな声で歌うだろう、と想像できる。

しかし、わたしには、こういうフレーズは書けないし、たぶん絶対書かない。
いくら子どもが喜んだって、自分が喜べないものは駄目なんである。
我慢してサービスに徹しよう、という気持ちが欠けているらしい。
子どもだったときのわたしが好きだったもの、望んだこと。
いまのわたしが好きなもの、望むこと。
すべてがそれを基準にできている。
そこが決定的に違う。

違うから、どうということはない。
ただ、違うだけ。
わたしはこっち側が居心地いいから、
こっち側にいるんだなあと思う。
それだけ。


さて、「おもちゃのチャチャチャ」を耳にしたら
「おもちゃのマーチ」という歌のことも書きたくなりましたが、
それは次の機会に。

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野分のまたの日

2009-10-08 10:56:23 | 日々
台風が来る前に真鈴が帰ってくればいいのに、
と思っていたら、本当に昨夜帰ってきた。
動物の勘で、と言いたいところだが、
いつものただの気まぐれかもしれない。

強風にそなえて2階のベランダの日除けをたたみ、
雨戸も閉めて寝たが、一晩中ざあざあと音が聞こえていた。
熟睡したような、ちっとも眠れなかったような感じで、
早朝のTVニュースを見に行く。

雨の量はそれほどではなかったらしい。
強い風が不規則な吹き方をしているが、
木々の揺れ方には余裕がある。
山桜や栗などの雑木のいりまじった斜面では、
枝ぶりの違い、葉の形や厚さなどの違いで、
非常に複雑なハーモニーが生じ、実際の風力以上に騒がしい。
大きな朴の木が、周囲とは無関係にゆったりと左右に揺れ、
ときおり一斉に白い葉裏をひるがえすのが見事だ。

西洋朝顔の支柱がそっくり倒れてしまっている。
アトリエの入り口近くに吊るしてあった鐘も、
とうとう腕木が折れたらしく、地面に座り込んでいる。
かずこさんちのエンジェルトランペットが何本か折れていた。
見回りがてら、道に落ちた山栗を拾う。
ポケットに一杯。両手に一にぎりずつ。

もう台風はだいぶ過ぎただろうと思う頃、
急に空のどこかが、かっと明るくなり、
同時にばらばらと雨が落ちてきた。
大量に余ってしまったサンプル品をまいたような…
びっくりするような大粒の雨だ。
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あめふらにゃん

2009-10-07 09:39:05 | 日々
アトリエの水槽のアメフラシさんに名前がつきました。
「あめふらりん」といいます。
(そもそもは、わたしが言い間違えたことから。
面白いというので、そのまま愛称に採用されました)
じつは3匹いて、あめふらりん大・中・小です。

ついでに、猫たちも、
珊瑚=さんごろりん
真鈴=まりこまりん
きなこ=きなころりん
…などと呼ばれて、家じゅう混乱ぎみであります。

先日、2泊3日のお仕事から帰ってきたM。
きなこを抱き上げて、
「こーら、あめふらにゃん、元気にしてたか」って…

いや、その子は猫なんだってば(笑)
(しかし、どことなく似てるといえば似てるかも?)

というわけで、上の写真は、
捕獲された珍しい「あめふらにゃん」。



まりっこさんへ。
メールありがとうございます。
『木苺通信』は長らく絶版のままでご迷惑おかけしています。
わたしにとっても、これは大切な本なので、
なんとかしたいと思っているのですが、
書くのは作家、出すのは出版社、それぞれの事情もあり、
なかなか思うように話が進みません。

復刊ドットコムで投票してくださったみなさまにも、
少しでも早く良いご報告ができたらと思っています。
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はるさめ

2009-10-06 14:51:20 | 日々
TVニュースにて。
インド洋の海賊対策にあたっている海上自衛隊の
護衛艦の名前は「はるさめ」というらしい。

はるさめ、ね。
あんまり強そうな名前じゃないですね。

他にどんな名前の護衛艦がいるか、気になり、調べてみた。
さざなみ、さみだれ、むらさめ、はつゆき、あさぎり…
雅な名前の船ばかりである。
戦わなくてもいいんだけれど、護衛を頼むには心細い感じだ。
いかづち、いなづま、こんごう、あたりが、かろうじて勇ましい。
じんつう、というのは「神通」だろうと想像できるけれど、
ひらがなで書いてあるからどうも変だ。
あぶくま、というのもいるが、これはもともと熊ではないし、
やはりひらがなでは、妙に可愛らしくなってしまう。

何かこう、「おにがみ」とか「やまんば」とか、
敵が逃げ出すような怖い名前をつけたらどうなんだろう。
と思ったけれど、その名前の意味を説明してあげなくちゃ
外国の海賊には理解できないから、やっぱり駄目か。

「はるさめ」があるなら、「しらたき」も、と思ったが、
さすがにそれはないようだった。
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レストランに、ようこそ

2009-10-05 22:09:47 | 木苺通信

高い天井と、よく磨かれた窓。
そして、もちろんお皿はブルー。

「雲のレストラン」(「木苺通信」より)

 

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十六夜

2009-10-04 22:59:32 | 日々
月は、昨夜よりずっと高いところにあるように見える。
星は西のほうにぽつんとひとつきり。
空全体があかるいので、飛行機雲がはっきり見える。
飛行機から月を見たら、どんなふうに見えるだろう。



録画した映画を見ていた。
珊瑚が外から帰ってきたのに気づかなかった。

台所から、ぱったん、とってん、と断続的な物音が聞こえる。
きなこがマットで遊んでいる音だろうと、気にも留めなかった。

しばらくして…ふと廊下のほうに目をやった。
真鈴が敷居ぎわにすわって、じいっと台所をのぞきこんでいる。
なぜ中に入らないの? 何を見ているの?
そこでようやく異変に気づいた。

台所の床に散乱している薄茶がかったグレイの毛。
素早く物陰に移動した黒い奴は、たしかにうちの珊瑚だが、
うなっている声は低く、まるで黒ヒョウのようだ。
その足元に、猫のものではない耳が見える。
うさぎ。
まだ柔らかい。
離さないのを、無理やり取り上げ、そのまま外に埋めに行く。
月明かりだ。

野うさぎのおとなの大きさではないが、そう小さくもない。
くわえて運ぶにしても、大部分はひきずることになる。
どこで獲ったんだろう。
猫穴の入り口まで、どうやってひっぱり上げたんだろう。

戻ってきたら、テーブルの下で、珊瑚はすでにくつろいでいた。
さすがに相当疲れたようだ。
「さんちゃん」
声をかけたが、次に言うべき言葉がない。
「ほめないからね」
「いいよ、べつに」
やや反抗的な目のまま、長々と身体をのばした。


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十五夜

2009-10-03 21:16:13 | 日々
月の出時刻から約4時間。
ようやく東の山の上にあがってきたところ。
霧があるので、ぼんやり、しています。
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大きなかぶの謎

2009-10-03 09:38:30 | 

昨日のつづき。

貰った野菜の中で、デトロイトという名前が初耳。
そういえば外食のサラダに混じっているのを最近よく見かける。
調べたら、若採りするレッドビートの品種名とわかった。

ビートといえば、ロシアのボルシチにつきものの、赤紫色の。
赤かぶみたいに見えるけれど、かぶではないそうだ。
(あ、そうなの? 知らなかった)
白いビートもあって、和名はテンサイ(甜菜)、別名サトウダイコン。
名前のとおり、根をしぼった汁から砂糖を作る。
ところが、これが、じつは大根でもなく、アカザ科の植物、
つまり、ほうれん草の親戚というのだから、ややこしい。

なるほど、だから、アブラナ科特有の辛味がないわけだ。
種が手に入るんだったら、うちでも来年つくってみよう。

などと考えているうちに、ふと…
ロシアの昔話の「大きなかぶ」を思い出す。
小学校の教科書にも載っていたりして有名だけれど、
あれは、本当に「かぶ」だろうか?
巨大な「ビート」だった、なんていうことは、ないですよね?

古い絵本をひっぱり出してきて眺める。
日本の白いかぶとよく似たものが描かれている。
英訳タイトルにも turnip とあるくらいだから、
きっとそれでいいんだと思うのだが、
ロシア語はわからないのでそれ以上確かめようがない。
「甘い」「大きい」と描写されているだけで、
「白い」とはひとことも書かれていないのに気づく。
これが赤いかぶだったら、ずいぶん印象の違うものになっただろう。

ロシアのおじいさんは、大きなかぶをどうやって食べたのか。
わたしも子どもの頃、この絵本が好きだったけれど、
収穫後の用途についてはあまり思い至らなかった。
子どもは、かぶが抜ければ、そこでもう満足なのである。
しかし、大人になった今は、満足せず、いろいろと考える。

千枚漬、かぶらずし、ってことはないだろう。
漬けるなら、スパイスのきいたピクルスだろう。
この大きさだからサラダにはちょっとかたいかもしれない。
食べ盛りの孫娘も、犬も猫もねずみもいることだし、
できれば食べごたえのある主菜に使ってもらいたい。

しかし、煮込んでボルシチにして食べました…なんて話では、
これほど日本で長く愛される絵本にはならなかったはず。
もちろん、にんじんでも、かぼちゃでも駄目。
ロシア色のうーんと濃い人物に、淡白な白いかぶだからこそ、
この絵本はよかったのだと思う。


写真は、みかこさんにいただいたロシアのおみやげ。
マトリョーシカのキーホルダが可愛いです。
このマトリョーシカの前面に描かれている赤い模様が、
りんごなのか、赤かぶなのか、気になるところ。

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