閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

毎日がクリスマス

2009-10-09 14:40:28 | 日々
玄関前にたまった落ち葉を掃いていたら、
近くの養護学校のグランドから、童謡メドレーが流れてきた。
運動会の練習なのか、スピーカのテストなのか、かなりの音量だ。
「おもちゃのチャチャチャ」など、昔懐かしい曲も混じるが、
すっかり現代ふうのアレンジになっている。
知らない曲もひとつふたつある。

聞くともなしに、耳が歌詞を拾った。

「♪サンタクロースを つかまえて
 うちだけ まいばん クリスマス
 そうだったらいいのにな」

うわぁ、怖いよ、それは…と苦笑しながら、
ふと、ひとつわかったような気がした。

子どもなら、きっとそう思うだろう
…と考えて、作詞家はこの歌詞を書いたのだ。
サンタクロースにしてみれば、迷惑この上ない。
親だって、たまったものではない。
作詞家自身、毎晩クリスマスなら嬉しいなんて、
おそらくこれっぽっちも思っていないはずだ。
プロの仕事だ、と思う。

子どもの気持ちになって、子どもの目線で書く、というのは、
そういうこと、かもしれない。
子どもの思いつきというのは、しばしばこのように自由で身勝手だ。
子どもたちは、この歌を面白がり、大きな声で歌うだろう、と想像できる。

しかし、わたしには、こういうフレーズは書けないし、たぶん絶対書かない。
いくら子どもが喜んだって、自分が喜べないものは駄目なんである。
我慢してサービスに徹しよう、という気持ちが欠けているらしい。
子どもだったときのわたしが好きだったもの、望んだこと。
いまのわたしが好きなもの、望むこと。
すべてがそれを基準にできている。
そこが決定的に違う。

違うから、どうということはない。
ただ、違うだけ。
わたしはこっち側が居心地いいから、
こっち側にいるんだなあと思う。
それだけ。


さて、「おもちゃのチャチャチャ」を耳にしたら
「おもちゃのマーチ」という歌のことも書きたくなりましたが、
それは次の機会に。

コメント
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