弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

太陽まもなく「冬眠」

2010-03-21 21:48:56 | サイエンス・パソコン
去年のシルバーウィーク、私は家内とオーロラを見にアラスカに出かけました。そのときの記録は、赤祖父俊一「オーロラ―その謎と魅力」オーロラ観察の前準備オーロラ観察と写真撮影としてここでも記事にしました。
オーロラは、太陽から地球に到来する荷電粒子(太陽風)が地磁気の影響で特定の地域上空に降り注ぎ、地球高層のガス分子を励起して蛍光を発することによって作られます。
太陽風が強いほどオーロラも激しく乱舞します。太陽の黒点活動が活発であるほど、太陽風は強くなります。そして太陽の黒点活動は11年周期で強弱を繰り返します。
去年2009年は、本来であれば、黒点活動の最少期を脱して活発になりつつあるべき年でした。
ところが、宇宙天気予報によると、黒点活動はちっとも活発にならず、去年の秋の段階では無黒点の状態が続いていたのです。このまま、太陽に黒点が現れなかったらどうなるのか。最近の地球の歴史を紐解くと、黒点活動が弱い時期が継続したときがあり、そのときは地球が冷えて氷河期になっていたという記録があります。このまま黒点が現れなかったら、地球は氷河期に突入するのではないか。

3月19日の朝日新聞朝刊に、最近の黒点活動の記事が載っていました。
『太陽まもなく「冬眠」 国立天文台 複数の徴候を観察』
 
まず、去年の秋までずっと「無黒点」状態が続いていたのに対し、昨年末から今年にかけて、太陽に久しぶりに黒点が現れ、研究者らの話題がこれで持ちきりになったようです。取り敢えずは黒点が現れたのですね。
今までずっと、黒点活動の周期は11年だったのに、その周期が今回は12年7ヶ月と長くなりました。

「周期が延びるのは、太陽が冬眠の時期に入る前の特徴とされる。」

太陽活動は11年周期に加え、ほぼ100年ごとに活動が弱まる大きな波があります。特に1700年前後の冬眠はマウンダー極少期と呼ばれ、ほぼ70年間にわたってほとんど黒点が現れませんでした。そのときはテムズ川が凍るなど寒冷化の現象が起きました。

最近の地球の気温については、人間活動で増えた温暖化ガスの影響による温度上昇と、自然に増加した温度上昇との相乗効果が見られていました。ここに来て太陽活動に起因して地球の気温が低下傾向に転じるとしたら、取り敢えずは温暖化ガスの影響を相殺してくれる可能性があり、その点では有り難いことです。
ただし、太陽の冬眠によって地球が寒冷化するのもせいぜい数十年でしょうから、その間に温暖化ガスの影響を抑えるための対策をうち立てる必要はありますが。
もっとも、地球の化石燃料資源が枯渇する時期が近々到来するかもしれません。そうしたら、温暖化ガス対策どころの話ではなくなります。

ps 3/23 朝日新聞の記事全体がこちらに掲載されています。
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