<3305> 奈良県のレッドデータブックの花たち(13) イナモリソウ(稲森草) アカネ科
[別名] ヨツバハコベ
[学名] Pseudopyxis depressa
[奈良県のカテゴリー] 希少種
[特徴] 山地の林内や林縁に生える多年草。細い地下茎を伸ばし、地上茎は直立して高さ5センチ前後、大きいもので10センチほどになる。葉は長さが3~6センチの卵形で、先がやや尖り、全面に毛が生え、対生して2~3対つく。茎が短いので、密接して輪生しているように見える。花期は5~6月。茎頂や枝先に1、2個の花がつく。花冠は筒状鐘形(ラッパ状)で、先が5~6深裂し、裂片は7ミリほどで縁が波打つ。花色には青色、淡紅紫色、白色などの変化が見られ、白色のものはシロバナイナモリソウという。
[分布] 日本の固有種。本州の関東地方以西、四国、九州の暖温帯域。
[県内分布] 平地と山岳の高所を除き県内全域に見られるが、自生地も個体数も少なく、花に出会うのは結構難しい。
[記事] イナモリソウ(稲森草)の名は三重県の稲森山で最初に見つかったことによるという。この花を求めて十津川村三田谷から熊野古道の小辺路を伯母子峠まで往復を歩き、その甲斐あって感動の出会いを得たことがあった。 写真はイナモリソウ。
山に出向かなければ
山の花には出会えない
その花との出会いは
縁によるものだと思うが
出会うには出向く意志と
それなりの努力がいる