大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2021年05月17日 | 創作

<3410> 写俳百句 (58)  梅雨入り

          梅雨入りや万物に雨 雨の時

            

 気象庁は昨日、近畿、東海地方の梅雨入りを宣言した。近畿地方において五月十六日の梅雨入りは平年よりも半月以上早く、これまでで一番早い梅雨入りで、経験がない。何に起因しているのか、今日は降ったり止んだりのどんよりとした蒸し暑い一日だった。

 思うに、梅雨入りが早いということは、梅雨明けも早いと考えておいた方がよいのではないか。そして、梅雨明け後、暑くなるのも早まる。つまり、今年の夏は早いうちから暑くなると見ていた方がよい。とにかく、梅雨入りが異常に早いのは異変に違いない。 写真は咲き始めたウツギの花。

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 新型コロナウイルスの影響により賛否が真っ二つの世論にある東京五輪の開催について、主催者は予定通りの日程(七月二十三日から八月八日、パラリンピックは八月二十四日から九月五日)で開催の意志を固めているようで、そのような政治の動向がうかがえる。果たしてこれでよいのか。新型コロナウイルスの感染状況とともにこの梅雨入りの早いのも気になるところである。

 もっと適切な時期があるにもかかわらず、何故無理を通してこの時期にオリンピックを断行しなければならないのか。もともとそこのところに疑義があった。これにコロナウイルスの感染拡大が加わった。前回の東京五輪は秋天の下で開催された。あのときと同じように秋に行なえば、ワクチンももっと行き渡り、競技にも好適な季節で、観客も入れられ、競技に臨む選手にもよい。何故、最悪のタイミングで開催するのか、全く理解出来ない愚の骨頂であるとしか思えない。

 この最悪のタイミングによる開催日程には一つの理由があると言われる。それはアメリカのテレビにおける放映権によってテレビ局の意向、つまり、マネーが絡んでいるからと言われる。所謂、この仕儀は放映権料によるマネーに五輪が歪められているという。この噂は間違いないのだろう。

 二〇二〇東京五輪のドタバタは、新型コロナウイルスの脅威もさることながら、このテレビ局のエゴによって狂った日程の選択がもとにあって展開していると見なせる。このエゴに何も言えず、そのテレビ局の思惑に追随し、加担している主催者の光景が五輪という人類の美徳を冒していると見て取れるところが何とも情けない光景として見えて来る。果たして東京五輪は出来るのであろうか。

           

 エゴを通し抜いて行なうとして、ホスト国日本はこれでよいのか。七年前の秋に行われたIOC(国際オリンピック委員会)の総会におけるプレゼンテーションの際、喝采を得たスピーチの「おもてなし」の精神ははたしてこのドタバタにあって発揮出来るのだろうか。このどたばたで、内向きの対策ばかりが取りざたされ、世界から迎えるお客さまを十分にもてなすことが出来るのかどうか。金メダルを競う競技だけがオリンピックではない。平和に基づくスポーツの祭典であり、親和の構築が大切である。一テレビ局の思惑に振り回される悪弊は除いた方がよい。

 果たしてコロナウイルスの感染拡大のどさくさでこの「おもてなし」が出来るかどうか。ワクチンの行き届いているアメリカや中国のような大国から、まだ感染状況に収まりが見られないウイルスに不安を抱く国の多い中で、大会に参加しても、事前合宿の練習も思うにまかせないような大会では不公平限りなく、参加者には不平、不満が出るであろう。すでに、合宿を受け入れがたいとしてキャンセルする自治体が五十以上になっているという。どうしようもない有様である。

 十分に準備が出来るホスト国日本はメダル獲得に有利だろうが、メダルを多く獲得すればするで、この点の指摘がなされよう。五輪関係の医師や看護師を確保だけが問題点ではない。果たして、「おもてなし」の配慮は五輪実行の関係者の間に共有されているのだろうか。梅雨明けになって感染がぶり返して来なければよいが、梅雨入りの異常に早いことにも心配がつき纏う。 写真は梅雨入りで曇天模様の大和地方。

 


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