<848> 薬師寺のお身拭い行事
新しき 年に向かひて お身拭ひ
二十九日、奈良市西ノ京の薬師寺で恒例のお身拭いが行なわれた。お身拭いはすす払いと同じで、仏像に溜まった一年の埃を拭って新しい年を迎えるもの。午後一時から大きな注連縄飾りが掲げられた白鳳伽藍の金堂(本堂)で、本尊の薬師三尊像(国宝)の魂を抜く法要が営まれ、その後、僧侶や全国から参加した薬師寺青年衆のボランティア約五十人が鏡餅を搗くとき用いたお湯を使って、薬師如来像と脇侍の日光、月光の両菩薩像の埃を一斉に拭った。その後、大講堂や東院堂などでも諸仏像のお身拭いが順次行なわれていった。
この日は、法要の後、普段はお目にかかれない我が国最古の彩色画で知られる福徳円満の吉祥天女画像(国宝)が納められた厨子が金堂の正面、薬師如来像の前に置かれ、開扉された。これも迎春準備のためで、一旦閉じられ、三十一日の深夜に行なわれる吉祥天悔過法要で再び開扉され、一月十五日まで開かれる。薬師三尊像のお身拭いのときは堂内が参拝者でいっぱいになった。
写真は左から金堂に掲げられた大注連縄のお飾り。本尊薬師如来像のお身拭いとお身拭いの後の薬師如来像の尊顔(ともに金堂で)。彌勒如来像など諸仏像のお身拭いと青年衆によるお身拭い(ともに大講堂で)。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます