<3533> 奈良県のレッドデータブックの花たち(112) コウスユキソウ(小薄雪草) キク科
[学名] Leontopodium japonicum var.spathulatum
[奈良県のカテゴリー] 絶滅寸前種
[特徴] 山岳高所の岩場や礫地に生えるウスユキソウ(薄雪草)の変種として知られる多年草。草丈は10~15センチ。茎は叢生し、葉は長さが2センチ弱のヘラ形で、毛が生え、全体に白っぽく見える。西洋のエーデルワイスはこの仲間。花期は7~8月で、花は茎頂や上部枝先につき、灰白色の頭状花が白い苞葉の上につく。
[分布] 日本の固有種。本州の紀伊山地(奈良県)、四国、九州(宮崎県)の山岳高所。
[県内分布] 五條市大塔町、天川村、上北山村、下北山村、十津川村の大峰山脈。
[記事] ウスユキソウ(薄雪草)の名は、白っぽい花や葉を薄く積もった雪に見立てたもの。コウスユキソウはウスユキソウより全体に小ぶりのためコ(小)が冠せられた。私は2008年2月、心筋梗塞を患い、開胸による心臓血管のバイパス手術を受けたが、その年の8月に大峰山脈の稲村ヶ岳(標高1726メートル)に登り、この花に出会った。貧弱な株で、シオガマギクと混生していた。私にとってこの花はある種記念すべき花で、このときはこの花に出会えたことを喜びとして下山した。
報われようが――
報われまいが――
生きてゆくものに
努力は欠かせない