<2617> 余聞、余話 「 啓 蟄 」
啓蟄や昨日の明日の今日の朝
三月六日の今日は、二十四節気の立春、雨水に次ぐ啓蟄。暖かさが加わり、冬眠していた虫や小動物が穴を啓いて這い出して来るという日。言わば、春が待ち遠しい私たちに気分を明るく弾ませてくれる日ではある。では、啓蟄に寄せて作った我が拙句を見ていただくことにしよう。
啓蟄や歩くその先待たれゐる 啓蟄や冬帽仕舞ひ外出す 啓蟄や目高も蟻も蜜蜂も
啓蟄や水の中にも動くもの 啓蟄や目高の目玉と向き合へり 啓蟄や目高並んで泳ぎゐる
啓蟄や蜜蜂が来て花にゐる 啓蟄や猫の鳴き声艶めけり 啓蟄やみなそれぞれにそれなりに
啓蟄や兆し明るき花畑 啓蟄や虫も天下の存在で 啓蟄や歩を止め花に見入るひと
写真は左から一面に姿を見せて並ぶチューリップの芽、温む水の流れの中で泳ぐメダカたち、花粉団子をつけオオイヌノフグリの花にぶら下がるミツバチ。 生きてゐるみなそれぞれに生きてゐる生きて命の意義を掲げる