<2606> 余聞、余話 「フキノトウとツクシ」
はやぶさ2着陸成功蕗の薹
三寒四温のこのところ四温を思わせる日々が続いている。ロウバイは花を終え、このところウメが花数を増やして辺りを明るくしている。奈良ではアセビがそろそろである。めっきり少なくなったが、山里の川筋ではネコヤナギがあの銀白色の花穂を軟らかな日差しに輝かせているころである。西吉野の里のフクジュソウは多分パラボラアンテナのような黄色い花を太陽に向け、申し分のない陽光を欲しいままにしているに違いない。
そんなこの時期、春を呼ぶように生え出して来るのがフキノトウとツクシである。フキノトウはフキの花芽で、湿潤なところに群がって出て来る。ツクシは日当たりのよい土手の草地などに生え、どちらも春の先きがけで、私たちには待たれる心持ちの存在である。今日はこのフキノトウとツクシを思いながら歩いた。フキノトウは我が家の庭の片隅に生えているので、簡単に写真に撮れる。
行く人に声かけられてつくしん坊
ツクシの方は毎年早く生え出す場所を知っているので、そこに出かけた。日がよく当たる遊歩道の土手で、このところの気温上昇によるものか、枯草が一面に広がる硬い土を割って坊主頭を覗かせていた。まだ、生え出したばかりのものである。撮影していると道の上から声がした。ツクシの写真を撮っているのがわかっているらしく、「ありますか」と。「まだ出たてですが」と答えながらそのツクシを撮った。 写真は我が家の庭のフキノトウ(左)と遊歩道の土手に生え出したツクシ(右)。