<2258> 余聞、余話 「啓蟄」
啓蟄や虫のごとくに室を出づ
今日六日は二十四節気の立春から数えて三番目に当たる啓蟄の日。陽気がよくなって土の中に閉じ籠っていた虫が這い出して来るという意による日で、二月節の始まりの日である。果たして虫たちは動き出している。今年は梅の花にこだわって、花を見に行くと、花につきものであるミツバチの類が既に花を巡って活発に動き回っていた。
その梅の花に目をやっていたら、ふわっと飛んだ影が見えた。蝶である。その影を追うとその影は紅梅の高枝にとまった。素早くカメラを振って撮った。暫く花見をするごとく高枝にいて飛び去って行った。図鑑で調べたところ、活動期が四月から六月のテングチョウのようである。ほかにもアブの類が見られたが、虫たちは梅の花に対し、自在に振る舞っている感じで、それは暖かな陽光の下、ともに至福を分かち合っているように見えた。 写真は白梅の花に向かうミツバチ(左)と紅梅の花に囲まれるテングチョウ(右)。