yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

七高 北辰斜めにさす所

2016-12-05 06:56:39 | 文化
私は旧制高校世代ではありませんが、若い頃、七高(第七高等学校、薩摩造士館の流れを汲む、現・鹿児島大学)の寮歌、「北辰斜めに指す所」を愛唱しました。この寮歌は巻頭言から始まります。
   巻頭言      大正15年 小野宏 作詩

流星落ちて住む處
橄攬(かんらん)の實の熟るゝ郷(さと)
あくがれの南(みんなみ)の國に
つどひにし三年(みとせ)の夢短しと
結びも終へぬこの幸を
或ひは饗宴(うたげ)の庭に
或ひは星夜の窓の下(もと)に
若い高らう感情の旋律をもて
思ひのままに歌ひ給へ
歌は悲しき時の母ともなり
うれしき時の友ともなれば
いざや歌はんかな北辰斜め

アイン ツバイ ドライ

 一、
北辰斜めにさす所
 大瀛の水洋々乎
  春花かをる神州の
 正氣はこもる白鶴城
 芳英とはにくちせねば 
  歴史もふりぬ四百年

二、
紫さむる黎明(しののめ)の
  静けきに波に星かぞえ
  荒涼の気に咽ぶとき
  微吟消え行く薩摩潟

三、
悲歌に耳藉(か)す人もなく
  沈み濁れる末の世の
  驂鸞(さんらん)の夢よそにして
  疾風迅雨に色さびし
  古城の風に嘯ける
  健児七百意気高し

四、
南の翼この郷(さと)に
  三年(みとせ)とゞまる鵬の影
  前途(ゆくて)は萬里雲わきて
  雄圖もゆる天つ日や
  かどでの昔叫びにし
  理想の空に長躯せん

五、
ああ若き日の光栄は
  ことし十四の記念祭
  祝うもうれし向上の
  旅の衣にちりかかる
  楠の下露清らけく
  今日南明の秋にして
     作詩 梁田勝三郎 作曲 須川政太郎   大正4年

この「北辰斜め」は、寮歌蔡において、唯一、巻頭言から始めることが認められました。歌は太鼓に合わせて、足を踏みならしながら歌うのが通例です。

作詞者の梁田勝三郎氏は、長い間、消息不明でしたが、共に作詩をした親友の証言から、在学中に千葉県で病没したことが分かり、七高名簿に復帰したということです。
  














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