yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

開戦直前 勅語と奉答文(山本司令長官)

2024-07-12 06:20:01 | 歴史
「昭和天皇実録」の中に、太平洋戦争の開戦直前に昭和天皇が下された勅語と
   山本五十六司令長官の奉答文があります。昭和16年12月3日に山本五十六連合艦隊司令長官は、いよいよ出陣にあたり昭和天皇に拝謁し、勅語を賜りました。

    朕茲(ここ)ニ出師(すいし)ヲ令スルニ方(あた)リ卿ニ委スルニ聯合艦隊統率ノ任ヲ以テス
    惟(おも)フニ聯合艦隊ノ責務ハ極メテ重大ニシテ事ノ成敗ハ真ニ国家興廃ノ繋(かか)ル所ナリ
卿其レ多年艦隊錬磨ノ績ヲ奮ヒ進ンテ敵軍ヲ勦滅(そうめつ)シテ威武(いぶ)ヲ中外ニ宣揚シ以(もっ)テ朕カ倚信(いしん)ニ副(そ)ハンコトヲ期セヨ

  聯合艦隊司令長官は、勅語に対して奉答し、退下しました。

  昭和天皇は大元帥という立場から、責任重大の山本長官に励ましの言葉を与えた
のです。その後、城英一郎侍従武官を通じて山本長官の奉答文が天皇に届けられました。(その奉答文は下記です。)

      山本長官からの奉答文

     開戦ニ先(さきだ)チ、優渥(ゆうあく)ナル勅語ヲ賜リ、恐懼感激ノ至(いたり)ニ御座イマス。謹ンデ大命ヲ奉ジ、聯合艦隊ノ将兵一同、粉骨砕身、誓ツテ出師ノ目的ヲ貫徹シ、以ツテ聖旨ニ応ヘ奉(たてま)ツルノ覚悟デ御座イマス。

     天皇は、奉答文を、一度御朗読の後、三度ほど繰り返し熟読されました。翌四日、聯合艦隊司令長官の出発に際し、侍従武官鮫島具重(ともしげ)を海軍省に差し遣わし、「今回ハ真ニ重大ナル任務ニテ御苦労ニ思フ、充分成功シテ無事凱旋ヲ祈ル」との御沙汰を特に伝達せしめられました。

     山本長官に対する天皇の信頼と期待が充分に察せられます。そして最後の「特に」の文字に目が惹きつけられます。長官と同じ長岡中学の後輩としても嬉しい限りです。

   半藤一利、 他「「昭和天皇実録」の謎を解く」 文春新書

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夢無き者に成功はない 吉田松陰 | トップ |  海軍士官に学ぶ事 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

歴史」カテゴリの最新記事