yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

薫風通ふ春五月

2024-05-07 06:29:28 | 文学
宇田博氏は、今の時期にぴったりの名句「薫風通う春五月」とよくぞ言ってくれました。
 「薫風通ふ春五月」は旅順高等学校の最初の寮歌です。作詞は「北帰行」も作った故・宇田博氏です。今の季節に合う題名です。「紅萌ゆる丘の花」や「春爛漫の花の色」などと共通する伝統の寮歌の気分が感じられます。

 薫風通ふ春五月

 父祖奮戦の地に立てば
 肉弾の跡 草萌えて
 楊柳岸に陰淡く
 渤海湾の波青し
 旅順の海に船をやり
すずろに夢の櫓を漕げば
異郷の空に日が暮れて
陰茫々の海遠く
おお故郷の宵の星
異郷の日  (以下略)

戦時下らしい歌詞です。旅順高等学校を去った自由人、宇田氏は、この後、東京に帰り、東大文学部を卒業して東京放送に勤務し、1995年に73歳で永眠しました。葬儀には「北帰行」と「薫風通ふ春五月」が、くり返し演奏されたそうです。
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