久しぶりに岩登りをしようと、15年くらい行っていないと思うが、八巻山へ。四国のアルプスと言われている。
平日なので駐車場に他の車はない。誰にも遭わないか、ひょっとすると頂上で、別の登山口から登ってきた人に遭うかも。
里では、クマゼミのシャアシャアという、騒々しい鳴き声が主流だが、薄暗い湿った森では、ヒグラシが静かに鳴いている。登り三分の一くらいのところで、お爺さん、娘さん、孫娘という3人組に出遭った。人恋しいところ、しばし立ち止まって話をする。お爺さんは川之江の方、山は経験豊富らしかった。孫娘は少しポッチャリ型、小学3,4年生くらい。登山靴にストック、サポート用タイツをはいて、決まっている。「山が好き なんやね?」と聞くと、かぶりを振った。山好きのお爺ちゃんに引っ張られたかな。でも、お爺ちゃんとたくさん登っているらしい。
小屋手前の、やや背丈が低い樹林帯に、ナツツバキの花が沢山落ちている。見ると、まだら模様のツルっとした茶色のはだの木が数本。
小屋の前に四国電力が充電器を設置している。「ご自由にどうぞ」だって。
小屋から直に八巻へ行く。立ち入り禁止のロープと、道しるべの目印がずっと付いていて、迷うことなく亀岩鞍部まで来られた。
八巻大権現にお参りして、さっきの鞍部まで降り、東赤石までの縦走路を捜す。道らしき踏み跡があちこちにあって、私もそれについてウロウロする。道らしき踏み跡を歩いては失い、「違う・・・」
北側の樹林帯に入り込み、やぶこぎになりそうだった。このまま突っ込んだら登山道に出られるかも、でもちょっと危ない。リベンジは次回に。反対方向、東赤石から八巻へ歩こう。正しい道が見つかるだろう。多分Air、間違った思い込みをしている。
この日は諦めて早々に下ることにした。雨がポツポツきて、やがて雷雨となった。夕立ならすぐ通り過ぎると思ったのに、雨も雷もなかなか止まず、2時間続いた。カッパも靴も水を通し、全身びしょびしょだ。私が八巻へ行ってる間、3人組は多分東赤石へ登っただろうが、足はそう速くないので、どうしているかと気になっていた。沢沿いを歩いたり、渡渉したり、丸太の橋を渡ったり、危険な場所は沢山ある。木の根や岩も滑りやすい。沢は増水して、ゴウゴウと白いしぶきをあげている。落ちたら流され溺れるなあ。あの女の子、雷、怖くないかなあ。お爺さんもバランスが少し悪そうだし、どうか無事下山できますようにと願って下った。
雨降りにはカエルがノソノソ出てくる。大きなヒキガエル、動作が鈍いのだけど、だれかに襲われて食べられてしまうのでは?
帰り道、やっと雨が止んだ。富郷ダムの放流。