山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

Ⅰさんのための北海道くるま旅ガイド(その2)

2011-05-24 05:09:41 | くるま旅くらしの話

【 第2日 】

 

道の駅:スペースアップルよいち→積丹半島・神威岬→(同じ道を戻って)→小樽運河等の散策→(銭函・当別町)経由→月形町・月形温泉&皆楽公園又は浦臼町の道の駅:つるぬま()

 

余市の道の駅の隣にはニッカウヰスキーの余市醸造所がある。ここはお酒を飲まない人にも一見の価値がある場所だと思う。時間があれば是非立ち寄ってその歴史などを垣間見、お土産売り場で何かを見つけたいものだ。なかなか洗練された雰囲気があるのは、ヨーロッパの本場で学んだ先駆者のセンスが伝統となって残っているからなのかもしれない。ただ、今日は開園時間を待つのが勿体ないので、一先ずパスして遅くとも9時頃までには出発することにしたい。

今日の最初の目的地は、積丹(しゃこたん)半島の神威岬(かむいみさき)である。北海道には幾つかの神威と呼ばれる場所があるけど、それらは皆アイヌの人たちがそこに神が住むのを感じた場所である。奇岩が連なったり、断崖絶壁が突き出ていたり、皆大自然の力に圧倒されるような場所なのだ。それらの中でも、積丹半島のここは特に印象深い場所のように思う。直ぐ手前にある積丹岬も有名だが、私的には神威岬の方が神の存在を実感できるような気がする。岬に着いたら、是非灯台のあるところまで歩いてみたいものだ。そうすれば確実に神を実感することができるはずである。勿論積丹岬の方も覗かれるのをお勧めしたい。キタキツネ君などにも会えるかもしれない。

また、この辺りはウニが名物となっている。どの店が魅力的なのか、あまりウニに関心のない私には特定のお店をお勧めできないのが残念だけど、お好きな方ならば近くの集落に行けばウニ丼などの海鮮類を扱う料理店を見つけるのは難しくないと思う。

積丹半島から先へ行くのは止め、ここからは来た道を戻ることにする。ウニ丼などにこだわらなければ、再度余市に戻って、ここで昼食にしたい。車は道の駅に留めて、5分ほどJR駅の方へ歩くことになる。お勧めは町のJR余市駅近くにある柿崎商店の食堂である。橙色(柿色)っぽい外壁の店が目印となる。この店の1Fは海産物や野菜類の他に一般食材を販売するなど、普通のスーパーの形をしているが、2Fが食堂になっており、ここでは安価で新鮮なメニューが用意され、旅の人には人気スポットとなっている。特段変わったメニューがあるわけではないけど、なぜか親近感を覚える食事処の雰囲気があるのは、地元の普通の家庭料理がほとんどだからなのかもしれない。因みに私のいつものオーダーは焼き魚(ホッケの干物)定食である。勿論ウニ丼なども並んでいる。

食事が終わったら、腹ごなしを兼ねて先ほどのニッカウヰスキーの工場を見学するのもよいと思う。勿論入場は無料だし、手入れの行き届いた場内の庭には木陰もたくさんあって、気分転換にはもってこいの場所だ。夏場は工場(といっても貯蔵所が多い)の中はひんやりとしているので、暑さを忘れるにはありがたい場所だと思う。

腹ごなしが済んだら、いよいよ旅の本番の始まりである。まずは昨日上陸した小樽をちょっと覗いてみたい。小樽市街の海側には、小樽運河とか、北一硝子だとか、石原裕次郎記念館だとかいろいろ観光名所があるけど、もし帰りも小樽から出港というのであれば、今日は下見程度にとどめて、最後の日にゆっくり散策した方が良いようにも思う。

もしそれができるのであれば、もう一つお勧めの場所として、小樽郊外の祝津の方にあるニシン御殿(青山別邸)の見学をお勧めしたい。これは余市から来る途中の道を左に入った海岸の方にある。その昔ニシンが豊漁だった頃のお大尽の屋敷を覗いておくのも、北海道の歴史の一端を知る上で参考になると思う。「石狩挽歌」というなかにし礼作詞の歌があるが、このニシン御殿やもう少し先にあるオタモイ海岸辺りに行って海を見ると、その昔の繁栄と現在の静けさとのギャップをしみじみと味わうことができると思う。諸行無常を実感するのである。青山別邸があるからには本邸もあるのだろうということになるが、本邸の方はお大尽の故郷の酒田市近く(遊佐町)にあり、見た感じではこちらの別邸の方がずっと豪華なように思った。

さて、小樽が終わったら、先に進むことにしたい。今日の宿は石狩市の北部にある月形町か浦臼町辺りにしたいと思う。月形町なら皆楽公園の駐車場、浦臼町なら道の駅:つるぬまが良いのではないか。どちらの場所にも直ぐ近くに温泉がある。月形町の場合は、月形温泉があり、その前の土手の向こうが公園で、そこにはキャンプ場もある。しかしキャンプ場内は少し道が狭いので、あまり車を入れたくない。泊るとすれば客車が置かれている、公園の土手側の傍の駐車場の方が良いと思う。ここは無料である。もしゴミの処理をしたいのなら、キャンプ場の受け付けで所定の料金を払えばOKだ。水道もあるので利用できる。

なお、くるま旅にはゴミ処理の悩みが常時付きまとう。北海道の多くの道の駅ではゴミ処理は出来ないと考えていた方が良い。だから普段からゴミを出さない工夫をする必要がある。例えばパックに入っている食材などは、買ったらすぐにタッパーウエアなどに移すようにして、包装材はその場で店に引き取ってもらうなどの対応をした方がいい。それから一時保管のためのゴミ箱を携行するのを忘れてはならないと思う。因みに私の場合は、40Lのゴミ箱をバイクキャリアの間に取り付けている。ゴミの処理はキャンプ場に泊った時とか、或いは処理OKの道の駅などで行うようにしている。ゴミが一杯になったからといって、間違っても山中に捨てたりしてはならない。エチケットやルールを守れない人は旅をしてはならない人だと思う。

さて、もう一つの浦臼町というのは月形町の一つ北隣の町である。ここの道の駅:つるぬまのすぐ近くにも、浦臼温泉保養センターという温泉がある。北海道は実に温泉に恵まれた大地でもある。温泉のない宿を探すのが難しいと言っても言い過ぎにはならないくらいだ。つるぬまの道の駅の名物は豆腐らしい。だが未だ一度も食べたことが無い。少し値段が高過ぎるのである。1丁200円を超すようでは、年金暮らしにはちょいと手を出しにくい価格設定である。量を半分にして半額で売ればいいと思うのだけど、地場の人たちの考えの中にはそのような発想は無いみたいだ。尚、近くの鶴沼湖畔には鶴沼公園キャンプ場というのもある。だが、私は未だ利用したことはない。有料で1泊2000円程度の料金だから内地と比べれば随分と格安だけど、ここにはAC電源はないので、水の補給とゴミ出しのために2000円も払うのはやはりためらってしまう。何しろすぐ傍の道の駅なら、多少騒がしいようなことはあっても無料なのだから。勿論、どこを選ぶかはご本人次第である。

いずれにしてもこの日は温泉に入って汗を流し、早めに寝て旅くらしのリズム作りに努めたいものである。 (明日へ続く)

 

※ 予めお断りをするのを忘れましたが、本当はこの案内には地図が不可欠です。添付できればいいのですが、私はその方法を知りません。それで、読まれる方には是非北海道の地図をご用意頂きたいと思います。ナビ主義の方でも、予め地図で確認されておくと、旅の実際はずっと楽しみが深まります。旅はただそこへ行くという目的を達成しさえすればよいというものではないという風にお考えいただき、是非とも地図を見る習慣を身につけられることをお勧めします。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする