山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

ゆるやかな断酒

2011-05-09 06:05:53 | その他

  先月の24日の受診で、動脈硬化検査の結果90歳超のレベルにあるという診断には些かショックを受けました。もう古希を過ぎており、これからさほど長く生きたいとも考えておりませんが、反面そんなに早くこの世とおさらばしたいとも思っていません。とにかく生きている間は活き活きと生きて、もう少し旅などをしながら浮世のあり様を眺め、駄文を綴って見たいと思っています。そしてこの世とのお別れは何といってもPPK(ピン・ピン・コロリ)とゆきたいと願っています。

 そのような老計・死計からすると、現在20歳超の動脈硬化の進度では、PPKの前に脳溢血などで倒れて、あっという間にマカロニ症候群状態に突入するという危険性を身近に感ぜざるをえません。生きているのに自分の身体をどう動かすこともできず、又、死ぬこともできずに様々な管を身にまとって、病室の天井や壁を見詰めるだけの暮らしほど非人間的なものはないと思っています。そうなったときには、直ちに全ての処置の用具を外して欲しいと願っていますが、これは家族に頼んでも元気なうちはそうするなどと言ってくれても、いざとなったら決してそのような決断や行動はとってはくれないだろうと思っています。ですからそれを避けるためにも、このままではダメなのは判っていますので、そうならないように今から何とかしなければならないのです。

 ということで、本当は秘策があるのですが、いきなり変な暮らしに入るのはやめ、まともなやり方から始めようと、診断の二日後からそれを開始しました。ここでわざわざこんなことを書くのは、言いふらしておけば、挫折したなら嘘を公言したことになり世間を裏切ることになるという、自分に対する(かせ)(は)めるためなのです。それともしこれが成功すれば、同じような健康状況にある人たちに、何か参考になるような材料を提供できるかもしれないなどと考えたりしています。ま、一種人体実験ようしょう。今後時々状況報告をしたいとも考えています。

まず考えたことは2点。その一つは酒の量を少なくし、やがては常飲を止めること。もう一つはカロリーコントロールを行い、1日1600kcal(=20単位)以下に抑えた食事に徹すること。この二つです。これらのことをちゃんとやるためには、思っているだけではだめなので、食事の記録をとることにし、毎食の食べたメニューの内容と凡そのカロリー単位(糖尿病の食事コントロールでは、80kcalを1単位として計算します)を記入し、10日毎に体重も記入しておくことにしました。(記入表はA4のルーズリーフ用紙に、片側1週間分、両面2週間分記入できるものを印刷して作成)毎回何を食べたかというのは結構忘れがちで、昨日書き忘れると思い出すのが困難になります。ですから食事の後は必ず記入することにしています。これの記入については、糖尿病の食事療法のために以前にも経験していますので、さほど苦になることもなく真面目に取り組んでいます。

問題は酒の方です。開始した時にはウイスキーや焼酎などの在庫が結構あり、(何しろ毎月焼酎やウイスキーの類を8Lくらいは飲んでいるものですから)これを捨てるのは忍び難く、一日一杯塾飲は継続することにして、無くなったら買うのは止めることにしようと決めたわけです。何しろもう50年近くも酒を飲み続けて来たのですから、身体はアル中寸前でしょうし、精神的にはもう中毒感が行き渡っているのは間違いありません。煙草の方は20年前に止めて以降1本も吸っていないのですが、酒の方は糖尿病の宣告を受けた時に3カ月ほど断酒したことがあるだけで、それ以外はほぼ毎日その恩恵に(あずか)って来ているのです。一日一杯塾飲は最近思いついて取り組んできたことなのですが、実際は一杯の考えが膨らんでいて、お湯やソーダ水などで割る前のコップ一杯コップ意味ようっていら、ってはいったす。

このような甘い考えと行動を取り払うためには、何よりも酒の在庫を無くし、持たないということです。そんな当たり前のことを実行するだけなのです。ということで、簡単で難しいことを開始しました。在庫を無くすのに1週間ほどかかりました。ウイスキーも焼酎も無くなって、この世は終わりかとも思いましたが、ま、地獄を見るのも悪くはなかろうと、只今はその地獄もかすれて来た感じがしています。

私は酒というのはさほどに悪いものではないと思っています。悪いのは酒が引きずっている食べ物(=肴)の類で、これが時として動脈硬化につながるものを選ばせるのです。なるべく野菜類を選ぶようにはしているのですが、野菜だけの肴というのには限界があり、どうしても柿の種などに手を出したり、時にはチーズの類などにも手を出してしまいます。分かっちゃいるけど止められねえ、というのは真に困ったもので、ずるずると長い間悪循環を続けて来たのでした。

酒がなくなってから1週間近くになりました。この間孫たちがやって来た時、庭でのバーベキューの際に缶ビールをちょこっと飲んだだけでした。ビールというのは酒ではないというのが私の判断です。1Lほど飲んでようやく酒に昇格出来る可能性を持った飲み物です。しかしアルコール分はありますから、多飲は禁物です。せいぜい夏になったら風呂上りに一杯といったところでしょうか。今のところ禁断症状もなく、体重も1kgほどは減っていますから、この調子で行けば少しは改善につながるのではないかと思っています。

しかし、最も怖いのはリバウンドです。リバウンドを防ぐためには無理をしないことが必要だと思っています。目的達成に性急なあまり限界に近いような無理をし続けると、一旦その無理の壁がほころびた時に、今までの我慢が一気に奔流して目的を根こそぎ台無しにしてしまうというのは良くあることです。ですから、私の場合も酒を止めるのではなく、時々はその恩恵に与りながら、昔はいい友達だったと、末期(まつご)の時に唇を濡らしてもらって、ハイ、さようならをしたいものだと思っています。ゆるやかな断酒ということになるのでしょうか。それにしても断酒というのは如何にも響きの悪いことばですね。

コメント
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