人は、国という枠組みや国が行う政治の働きと無縁で生きていくことは、当然ながら出来ません。そうである以上、国や政治を視界から遠ざけて見ないようにするのではなく、時折国や政治に求めるものを整理し、自分事にしていくことが必要だと思います。日本に住んでいる限り、日本や日本の政治について考えることは、学校で言うところの必須科目になります。
安倍元首相の国葬が決まってから、マスコミは国葬に関して随分多くの時間を割いてきました。報道の過半を占めているのは、安倍氏銃撃に端を発した旧統一教会問題です。国葬は選挙などと同様、人々が国家や政治に目を向ける良い機会かと思います。故人の政治的事績を振り返り、一人ひとりがそれらをどう評価するか、活発に議論が行われることは、国家観や政治観を磨く得難い場となります。ですから、そういう流れが生まれて欲しかったところではあります。
安倍政権の中にあって、旧統一教会との関係はどれくらいの重みを持っていたのでしょうか。アベノミクスをはじめとする数多の政策や官邸主導の政治手法と比べた時、その比重はかなり小さいと思われます。けれども、ここ1、2ヵ月の扱いは全くバランスに欠けていて、安倍氏の政治活動の中心的な部分がないがしろにされています。旧統一教会問題は看過出来ないことではありますが、話題性のあるトピックが殊更大きく取り上げられ、政治家安倍晋三のもっと核心的な部分が、国葬を前にして顧みられないことを残念に思います。
安倍元首相の国葬が決まってから、マスコミは国葬に関して随分多
安倍政権の中にあって、旧統一教会との関係はどれくらいの重みを