花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

おじいさんのひと言

2019-02-08 22:09:14 | Weblog
 会社帰りの電車の中でのこと。車内はそこそこ混んでいて吊革につかまりながら文庫本を読んでいると、斜め後ろあたりでおじいさんがふたり、やや大き目な声でしゃべっていました。どこかで引っ掛けた帰りなのか、ちょっといい気分のようでした。途中の駅で人が降りた時、私の斜め前の席に座っていた女性、20代後半でしょうか(女性の年齢を見る目に自信はありませんが)、その女性の前がクリアになりました(つまり、私の隣の人が降りたわけです)。そこで、おじいさんの姿が目に入ったのでしょう。「どうぞ」と言って立ち上がり、席を替わろうとしました。ふたりのうちのひとりが(老人の年齢を見る目にも自信はありませんが、80代半ばくらい)、座席に腰を下ろしました。女性を見上げながら口にした言葉が、「ありがとう。きっといい人に出会えるよ。」「えっ?」と私は思いました。「いい人に出会えるよ」と言ったって、もうすでにいるかもしれません。おじいさんの「いい人に出会えるよ」は親切に対する感謝の気持ちを込めた言葉なのでしょうが、でも真意が伝わったかどうか、言われた方が喜んだかどうかは疑問です。「そんなもの欲しそうな顔はしてませんよ。失礼ね」とか、「変なこと言うから、みんながこっちを見るじゃない」などと、不愉快に思ったかもしれません。おじいさんは次の駅で降り、その女性は元の席に戻りました。ちらっと見た女性の表情から内心は窺えませんでした。そして、一駅先でこの女性もまた降りていきました。ところで、おじいさんが言ったことはセクハラになるのでしょうか。