花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

何だか責任転嫁しているような

2018-02-10 13:20:30 | Weblog
 少し前ですが1月25日付の朝日新聞朝刊の衆議院での代表質問に関する記事に、次のようなことが書いてありました。「『命を賭して任務を遂行しようとする公務員の心に、尊厳と誇りと勇気を与えなければならない』。自民党の二階俊博幹事長は、自衛隊明記案を打ち出した昨年5月の安倍首相のビデオメッセージを取り上げつつ、こう水を向けた。首相は二階氏に同調するとともに、自身の打ち出した『自衛隊明記案』を念頭に、国会で憲法改正に向けた議論が進むことへの期待感を示した。」
二階幹事長の発言は、憲法を改正して自衛隊を明記したい自民党の考えを、自衛隊員の気持ちにすり替えているように聞こえます。「そんな理由で憲法を変えるかなぁ」と思うとともに、終戦後の東京裁判におけるやり取りを思い出しました。松井岩根陸軍大将が中国から兵を引くことは英霊に申し訳なくて出来なかったと弁明したことです。合理的な思考に基づくべき政治的判断に情緒的なものが持ち込まれると、責任の所在が曖昧になってしまいます。戦争継続の責任を英霊に負わせられないのと同じように、憲法改正発議の責任は自衛隊員にはありません。杞憂だとは思いますが、「誰々の気持ちを汲んで」と言っているうちに、いつの間にか「責任は誰々に」となってしまえば、気持ちを汲んだご本人のそれこそ思う壺ではないでしょうか。政治家には政治家の役割が、自衛隊員には自衛隊員の役割がそれぞれある訳ですから、誰かを隠れ蓑にすることはやめてもらいたいと思います。