花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

冬雪さえて

2017-01-26 20:54:30 | Weblog
 このところ強い寒波が居座り多くの地域で雪の被害が出ています。被害を受けられた方々は大変だろうと思います。また、雪は降らなくても「寒いのは嫌だな」と思っている人も少なくないでしょう。私も通勤途中、びゅーっとくる北風で耳がちぎれそうなくらい痛い時など、「引き返して家に帰ろうかな」と思ったりします。そんな時は、冬の寒さを借方に置いたとして、貸方はどうなるだろうと考えます。「鍋が美味しい」、「朝、布団を出る時に自分の意志の力を感じることが出来る」、「空気が澄んでいるので青空がきれい」云々(「うんぬん」※「でんでん」ではありません)。バランスシートとは良く言ったもので、ネガティブな気持ちになった時は、その元となったものを借方-貸方で考えてみると、そんなに悪い訳じゃないなという気がしてきて、心のバランスがとれます。身を切るような寒さが熱燗を美味しくしてくれると思えば、楽しみも出てきます。さて、禅僧道元が残した歌に、「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷(すず)しかりけり」があります。季節季節をそのまま丸ごと受け入れようとする姿勢には、せこくバランスシートを考える凡夫とは次元の違う、深い悟りの境地を感じます。