花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

あなたの数ではありません

2016-02-18 23:25:49 | Weblog
 政治家がふさわしくない行為を行った場合、新聞では政治面ではなく社会面で扱われることが多いようです。2月18日(木)の朝日新聞朝刊の社会面に「『米は黒人が大統領。これ奴隷』 自民・丸山議員が発言」の見出しがありました。記事によると、丸山和也議員は参院憲法審査会で「アメリカは黒人が大統領になっている。これ、奴隷ですよ。建国当初、黒人、奴隷が大統領になるなんて考えもしない。ダイナミックな変革をしていく国だ」と発言し、後で「意図するところと違う発言をした」と謝ったそうです。「意図するところと違う」かどうかに関係なく、何をか言わんやです。
 さらに驚いたのは、朝日新聞デジタルに出ていた発言の詳細を見た時です。丸山議員はこう言っています。「例えば、日本がですよ、アメリカの第51番目の州になるということについてですね、憲法上どのような問題があるのか、ないのか。(中略)これはですね、日本がなくなることではなくて、例えば、アメリカの制度になれば、人口比において下院議員の数が決まるんですね。比例して。するとですね、おそらく日本州というのは、最大の下院議員選出数を持つと思う、数でね。上院もですね、州一個とすれば2人ですけれども、日本もいくつかの州に分かれるとすると、かなり十数人の上院議員もできるとなる。これは、世界の中の日本と言うけれども、要するに、日本州の出身が米国の大統領になるって可能性が出てくるようなんですよ」。参院憲法審査会はいつから行列のできる何とかになり下がったのでしょうか。テレビで面白おかしく話すような発言が求められる場ではないはずです。
 それから、この発言から透けて見えるのは、「数こそはすべて」の意識です。数はもちろん大切ですが、政治の目標ではありません。普段から多数派の動向をうかがって、うまいことやっていこうと思っているから、こんな考えになるのだろうかと邪推したくなります。もしそうなら、私たちのことも「数」として利用しようと考えているのかもしれません。同じ朝日新聞朝刊には、マイナンバー制度に引っかけたサラリーマン川柳のことも載っていました。マイナンバーのナンバーとは番号ですが、丸山議員から見れば自分の手持ちの人数ということになるのでしょうか。「日本の有権者数は1億人。国会前のデモはそのうちの何パーセントなんだ?ほぼ数字にならないくらいだろう。こんな人数のデモで国家の意思が決定されるなら、サザンのコンサートで意思決定する方がよほど民主主義だ」とツイートした橋下さんはテレビにお帰りになるそうです。「丸山さんもご一緒にいかがですか」と言いたくなります。