シルバー・ウィークのある日、新幹線のホームで列車を待っていた時のことです。私が待つこだま号の隣のホームに先発の列車が入ってきました。アナウンスがこう告げていました。「○○番線は何時何分発のどこそこ行きのぞみ何号です。隣の△△番線には間もなく何時何分発どこそこ行きのこだま何号が到着します。合わせてご利用ください。」「合わせてご利用?」、「どうやって」と私は思いました。先発で行って、途中駅で後発に乗り換えれば、合わせて利用したことになりますが、それならホームのアナウンスだけでなく、車内でも「合わせてご利用ください」とアナウンスするのでしょうか。いやいや、ミスター・インクレディブルの奥さんなら身体がゴムのように伸びるから、ふたつの列車に同時に乗れるかもしれない。そんなくだらない想像をしながら、のぞみ号を見送りました。「合わせて」と、つい口を衝いて出ただけなのは分かりますが、こだま号に乗ってからも、しばらくは気になって仕方がありませんでした。