花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

過去と向き合わない人

2015-03-17 22:18:48 | Weblog
 今朝、朝日新聞朝刊にびっくりする記事が載っていました。それは見落としそうな小さな記事でしたが、私に与えたインパクトは大きなものでした。記事によると、自民党の三原じゅん子参院議員は参院予算委員会において、太平洋戦争中に戦争を正当化するためのスローガンとして使われた「八紘一宇」を「日本が建国以来、大切にしてきた価値観」とした上で、「八紘一宇の理念のもとに、世界が一つの家族のようにむつみあい、助け合えるような経済、税の仕組みを運用することを確認する崇高な政治的合意文書のようなものを、安倍総理こそが世界中に提案していくべきだと思う」と述べたそうです。「世界が一つの家族のようにむつみあい、助け合えるような」と言えば聞こえは良いですが、「八紘一宇」における家族とは現在の民主的な家族ではなく、天皇を頂点とする上下関係に支配される人間関係です。かつて丸山眞男さんは天皇との距離(近さ)によって人間の価値が決められることを、ニーチェの言葉を使って「へだたりのパトス」と呼びましたが、「八紘一宇」はそのような価値観に基づいたものでした。歴史性などまったく無視した三原議員の乱暴な発言に本当にびっくりしてしまいました。この歴史認識の欠如ぶりからすると、「大東亜共栄圏はWin-Winの関係を目指したものだった」なんてことも言い出しかねないと思いました。