「○○の常識、世間の非常識」といった言い方があります。例えば、「永田町の常識、世間の非常識」のように、ある特定の組織や集団の中でだけ通用している考え方やカルチャーを否定的に見る時に使われます。ところで、これを逆さまにして「世間の常識、○○の非常識」とすればどうでしょうか。誤解を招くといけないので多少砕くとするなら、「世間に対しては常識的に、組織内の常識は疑ってみよう」と言い換えてみました。対外的な付き合いにおいては、常識を逸脱してトラブルを起こさないように気をつけるのは当然です。また、組織内で当たり前と思われていることについては、本当にそうなのか、惰性でそうなってはいないか、懐疑の目を向けてみるということです。環境の変化が激しい今、以前は通用していたことが段々通用しなくなってきていることもあると思います。安易な前例踏襲を戒める言葉ともなりえます。自らを測る物差しとして常識感覚を磨くとともに、慣れ親しんだ物差しがいつの間にか錆びついていないか注意するために、「常識と言う名のコインの表裏を間違えないようにしなくちゃな」、ひつじ年の初めにそんなことを考えました。