花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

アードベッグ 前編(買う)

2015-01-26 22:22:08 | Weblog
 前から欲しかったグレンケアンのグラスを手に入れました。これはウィスキーのテイスティング・グラスで、根元が膨らんで先がすぼまっている形は、ぱっと見傘をとったランプか漫画に出てくる海賊船の大砲みたいです。膨らんだ根元部でウィスキーをくゆらせ、狭くなった先っぽで香りを楽しみ、そして飲む、といったティスティングに合った形状なのだと思います。
 さて、新しいグラスには新しいお酒をと、今まで飲んだことがないウィスキーのうちどれを飲もうかと考えた時、村上春樹さんの「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」(平凡社刊)を思い出しました。スコットランドのアイラ島訪問記が収められているこの本によると、村上さんはアイラ島で飲んだシングルモルト・ウィスキーを次のような順番で癖のある順に並べています。①アードベッグ(20年)、②ラガヴリン(16年)、③ラフロイグ(15年)、④カリラ(15年)、⑤ボウモア(15年)、⑥ブルイックラディー(10年)、⑦ブナハーブン(12年)。「最初の方がいかにも土臭く、荒々しく、それからだんだんまろやかに、香りがやさしくなってくる。ボウモアがちょうど真ん中あたりで、ほどよくバランスがとれていて、いわば<分水嶺>というところだ」は、村上さんの評です。何となく癖のある、ガツンとくるのが飲みたいなと思ったので、百貨店へ行って一番癖があるとされたアードベッグを買ってきました。(ただし、20年ものではなく10年ものです。村上さんが飲んだものとは違います)