花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

久闊を除す

2007-05-14 21:49:36 | Weblog
 シンガポールでの海外勤務から日本へ戻り、一年かそこらで今度はタイに赴任することになった友人と飲みました。彼とはこれまでもたまに飲んでいた訳ではなく、前回彼と飲んだのは遡ること二十数年前、夏に渋谷のカチカチ山という居酒屋でサントリーオールドを飲みながら始発電車までねばったの以来です。
 低気圧が西から東へ日本を横断して、ちょうど東京で雨が降り出した先週の夜、その友人と神田で飲みました。古い友人と飲むときはたいていそうですが、ポーズボタンを押していたDVDをOFFにしたかの如く、時の隔たりを感じることなく、いきなり昔ながらの調子で話すことが出来ます。少なくとも私は。
 これが、しばらくぶりに会った仕事関係の相手だとそうはいきません。時候の挨拶や当たり障りのない世間話で、お互いにほぐしにかからなければなりません。さしずめ今なら、「辻ちゃんと太陽くんのカップルはどうだろうか」みたいな話でほぐしていくのでしょう。
 この夜は、「辻ちゃん」の話が必要となる様子もなく、生ビールのジョッキがどんどん並んでいきました。思うに、昔の仲間と飲むときの心地よさは、昔よく聞いた音楽を聞き返したときの心地よさと相通ずるものがあるようです。例えば、The Beatlesのナンバーを久しぶりに聞いたときのようなリラックス感が、この夜の私にはありました。ただ、「私とBeatles」と「私と友人」で違うのは、「私とBeatles」の主体と客体の関係は固定ですが、「私と友人」では双方「主」であり「客」であるということです。私のとって彼はBeatlesであったとしても、逆が真である保証はありません。いったい、彼にとって私は‘something’だったでしょうか。ともあれ、‘A Hard Days Night’が好きだった彼が益々活躍されんことを!