おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

タカハシ TG-SP スカイポートのEQ化改造

2010-12-10 18:05:58 | ポータブル赤道儀用改造改良

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以前にもご紹介した、スカイポートを改造したものです。製作箇所は4箇所あり、お持ちの方は画像を見れば直ぐに分かるものです。最初の改造は中央の極軸の黒いパーツです。これにウェイトシャフトを取り付けていますが、ウェイト自体はタカハシの純正品です。次に、カメラ雲台座です。L型フレームを作って、2本のM6ピンで固定しています。最後は、三脚ベースとTG-SPを繋いでいる35度に傾斜させた傾斜ベースです。

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L型フレームには円形の窓を開けており、極軸望遠鏡が常時使えるようにしています。こんなものを作っても、オリジナル製品があるから・・・と思われると思いますが、それでは満足ができなくて作った次第です。ただ、L型フレームが正直気に入らないので、今度は丸棒から削って一体ものとして作り直す予定です。どうせ作るからには、綺麗に格好良くつくりたいものです。


これまでいろいろな物を作ってみましたが・・・、売れるものもあれば売れないものもあります。正直なところ、売ることにはそれほどこだわってはおりません。だからこそ、いろいろな冒険ができるとも言えるでしょう。メーカーさんではこうはいかないでしょう。私が考えるようなものは既にメーカーさんでも考えているものでしょう。しかし、最終的にいろいろな障壁を越えて製品化されるには多くの時間と労力を要するものです。それらを考えないで、自由にデザインをして製作ができるのは、個人で楽しみながらやっているからでしょう。


Takahashi NJP-Meade 30ACF Telescope

2010-12-10 17:43:27 | ブログ

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立派な機材の組み合わせですが・・・、まずミードの大型スチール三脚をタカハシNJP用に改造しています。次に30cmのシュミットカセグレン鏡筒はミードの最新ACF(アドバンスド・コマ・フリー)タイプです。いずれも当方が製作或いはお譲りした機材です。鏡筒が大きいので、NJP赤道儀が小さく見えるくらいです。組み合わせとしてはベストマッチングでしょう。所有者様は大変喜んでおられたようで、画像を送っていただきましたのでご紹介いたしました。この次に目指すのは14インチ以上の大口径機になるでしょうか。末永く愛用していただきたいものです。


改造ライトブリッジ40その後-鏡筒延長ジョイント

2010-12-09 18:59:38 | ミード関連の加工改造

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本日やっと、鏡筒を伸ばすためのジョイントが完成しました。明日、アルマイト加工へ出してから、切断したオリジナルの鏡筒パイプに圧入して組み上げていきます。このジョイントだけでまるまる2日かかって加工しました。当初、パイプのどの部分を切断して装着するか考えていましたが・・・、鏡筒を延長することで、バランスが筒先へ移動しますので、主鏡側から20cmのところからカットして装着することにしました。たぶん、それでもバランスが十分でないので、主鏡側に何らかのウェイトを取り付ける必要があるでしょう。それは、完全に組み上げてから考えていきます。

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このジョイントはパイプの数だけありますので、6本あります。それぞれが2つのパーツからなっておりますので、トータルで12個のパーツ数になります。この1ジョイントだけでも普通に製作すれば2万円は最低でも請求される加工です。しかし、現実にはそこまでの請求をするつもりはありません。私自身も勉強を兼ねてやらせていただいているような改造製作ですので、自分でも楽しみながら、ご依頼者様に満足していただけるものをお作りしたいと思って、日々やらせていただいております。これで実質的な機械加工は終了しましたので、後は調整作業に入っていきます。完成間近です。


ピリオディックエラー極小超高精度のASAマウント

2010-12-09 18:43:35 | ブログ

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日本でこのマウントを使っている方がどのくらいいるのかわかりませんが、たぶんほとんど一部の天文ファンにしか知られていない製品でしょう。今朝、米国の友人とこのASAマウントについてお話をしましたが、驚くような話をしておりました。彼が使っているのはタカハシのTSA-102とカメラはFLI-8300ですが、それで20分露出でRGB合成用の単画像を撮影したそうです。使用しているマウントは、もちろんASAマウント60です。驚くのはオートガイダー無しだそうです。それまで、彼はNJP-Temma2を使っていたのですが、最近このマウントに変えてからは、オートガイダーを使うことが無くなったそうです。


他にも話題になったのが、ビクセンAXDマウントのことです。ピリオディックエラーが±4秒とのことですが・・・、いまどき4秒なんて・・・赤道儀が高精度化された現在では、それほど大きな意味はないとのことでした。確かに言われてみればそうとも言えます。去年まで使っていた「三鷹GN-170」は実測値が3秒程度かそれより小さいので、100万円もする赤道儀としては、果たしてどうなのか・・・という感じです。しかし、AXDマウントの良さはスターブックの使いやすさや洗練されたデザイン等にもあるので、単純にピリオディックエラーの数値だけで良し悪しを決めることはできないでしょう。


とは言っても、現地での価格差が1300ドルくらいあるので、もしどちらを買うか悩んだ時には迷わずASAマウントを買うでしょう。実のところ、買って使ってみたい衝動にかられており、来年早々には我が家にやってくるかもしれません。


Toast Pro 汎用カメラアーム

2010-12-09 18:23:47 | ポータブル赤道儀用改造改良

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最近ご依頼いただいた「Toast Pro 汎用カメラアーム」を製作して本日お届けいたしました。前回製作したものより、僅かに軽量化するためにデザインを変えました。基本的な構造は同じです。固定するのは中央の黒いハンドルネジを使います。2個お付けしておりますが、軽量システムなら1個で足りるでしょう。

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両サイドにカメラ雲台が取り付くようにしており、シルバーのハンドルネジで固定します。また雲台の回転防止のためにサイドにイモネジを付けています。これは私自身の撮影経験上から必要と考えて取り付けているもので、大変有効なものです。アームは左右上下にスライドするようになっており、極端に重量の違うカメラ同士でなければ、スライドによりバランスを取ることができるように考えています。1セットには4個のハンドルネジが付いていますが、これも全て加工して製作しております。実際の見た目よりは手間がかかっています。


今回は余分に2台製作しましたので、もう1台残っております。ご入用の方は即納いたしますので、必要な方はコメントより御知らせください。


改造ライトブリッジ40その後-鏡筒の伸長作業

2010-12-08 18:53:26 | ミード関連の加工改造

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ライトブリッジの鏡筒パイプがこんなになってしまいました。F4.5-F5.0の主鏡に載せかえたために、鏡筒の全長を20cmほど伸ばすことになって、そのためにパイプを切断しました。伸長作業をするのに、何処を伸ばすのが良いか、いろいろ悩んでおりましたが・・・、最終的にパイプを作り変えるか、パイプ自体を何らかの方法で伸ばすことにしました。

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結果、パイプを一旦切断した上で、その中間にジョイントを製作して伸長した上で繋ぐことにしました。ただ繋ぐだけでなく、後から微調整ができるように調整機能を持たせた構造にしています。このジョイントは全部で12点のパーツになっており、既成品はありませんので、全て加工製作します。今週中にはジョイントも出来て、いよいよ組み立てに入ります。その後に調整してから問題なければ納品となります。長いことお待たせいたしましたが・・、何とか年内にお渡しできそうです。


ペンタックス60.2-2インチアダプター

2010-12-07 19:05:33 | 特注製作品(ペンタックス)

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昨日ご依頼がありました、ペンタックス変換アダプターです。独自規格の60.2mmを標準規格の2インチに落とすことで、市販品の2インチアクセサリー等が使えるようにするものです。以前に良く作ってヤフオクに出しましたが、ペンタックスが天体望遠鏡部門から撤退してからはほとんど作っておりませんでした。明日からアルマイト処理に出して今週末にはお届けできるようになります。ご依頼されてから5日ほどの最短納期です。

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ペンタックス天体部品が入手困難となった今は、カメラアダプターも独自規格なので、探すのも大変かと思いますが、このアダプターと「2インチーT2AD」を組合すことで、市販のビクセンなどのカメラマウントが使えるようになります。このT2ADをカメラに予め取り付けておくことで、素早くカメラを交換して撮影ができますので、日食などの遠征では効果絶大です。ペンタックスのカメラマウントを介していると、その都度ねじ込んで交換する必要があるので短時間勝負の日食では大事なタイミングを逸してしまいかねません。

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このアダプターを使っても、2インチ天頂ミラーを介してのフォーカシングは厳しいでしょう。31.7-2インチADを介してアメリカンサイズの天頂ミラーなら問題ないと思います。2インチ天頂ミラーを自由に使いたい場合には、さらに接眼部大元の部分からアダプターを製作する必要があります。海外ショップでは以前販売されていましたが、現在は分かりません。こういうものは海外では直ぐに製作して販売をします。日本ではどうやら見たことがありませんが、どこやらのショップオリジナルでは販売されていたのかもしれません。ご要望でしたら製作いたしますので、コメントより御知らせください。


お問い合わせ・コメントされる方々へ

2010-12-07 11:12:00 | 機材のカスタマイズ・製作をお受けいたしま

お問い合わせ・コメントされる方で「投稿者」のところへは、ご氏名は極力書き込まれないようにしてください。この部分は一般に公開されてしまいます。それでも構わないという方はこの限りではありません。なるべくペンネームなどを使って書き込みをされてください。実際にご依頼等される場合にメールでのやりとりとなった場合には、もちろんお名前等でお願いいたします。メールアドレスに関しましては管理者となる当方以外は見ることができないようになっておりますので、正確なアドレスを記載してください。当方では基本的に登録アドレスへは1度メールさせていただくだけですので、書き込みより1週間を経過しても当方からのメールが届かない場合には、お手数ですが、再度コメントより御知らせください。


40cm主鏡セル部の軽量化

2010-12-06 18:47:27 | 40cmトラベルドブソニアン

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ライトブリッジの主鏡セルです。白いベース部を外しました。当初、セル丸ごと使う予定でしたが、その部分があることで、デザインに制限が生じてしまうことと、軽量化のために必要最小限度のパーツを使うことにしました。それで必要なのが、このセルです。このセルは大変良くできており、27点で支えるようになっています。仮に新たに製作するとしても、これ以上軽くて高機能なセルを作るのは困難というより、必要がありませんので、このままで行きます。


このセルに正方形のベースを取り付けて、まずミラーボックスを作ります。そのミラーボックスができれば、次にそれを高度方位回転させる機能を持ったベースを作ります。そこまでできれば、後は斜鏡スパイダーと接眼部を取り付けるボックスを作ります。最後に両方のボックスを繋ぐ部分を製作して完成となります。問題はそのボックス類をどのくらいの重量で作るかですが・・・、そこで悩んでいます。


主鏡とセルだけで、既に13kgあります。仮に全部で20kgにするとしたら、残りは7kgしかありません。それで全てを作るのは至難の業です。斜鏡金具がやや重たいので、それを支えるために、ある程度の強度が必要になります。とにかく、部分部分を軽くしながら構造も考えていかないといかないので、難しいことは確かです。


タカハシEM200用ピアー延長筒その後

2010-12-05 17:47:51 | 特注製作品(タカハシ)

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先日納品した「EM200用ピアー延長筒」の画像を送っていただきましたので、紹介させていただきます。立派な観測所をお持ちですが、見たところ、スライディングルーフにしては、屋根部が高すぎるようで、従来のままだと北極星が見えないというのが良く分かります。150mm延長しただけですが、今度は極軸合わせもできるようです。普通は観測所に設置した機材はめったやたらと動かさないことを前提としているのでしょうが、スライディングルーフタイプでは、必ずしもそうではないようです。末永くお役に立って欲しいものです。