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『プラネット・グーグル』の世界図書館戦争

未唯へ。世界図書館戦争が起きています。といっても、アニメ「図書館戦争」ではありません。現実のデジタル・ライブラリ構想です。

『プラネット・グーグル』007.35ストに書かれた、グーグルの戦略です。この本からは色々なことが新しい企業(および起業)のあり方が学べます。皆に勧めています。

グーグルは「世界中の書籍をデジタル化する」ために、2001年から活動している。グーグルの中核となるアルゴリズムは、「皆が見ているサイトはいいサイト」であり、それを「機械的に」抽出することを可能にしている。その検索対象として、書籍全体も考えている。

私がUCバークレーの図書館でデジタル化の現場を見たのは、2000年2月です。バークレー図書館の蔵書数は日本の国立図書館と同数だと聞いていました。書庫は地下にあり、飛行機の格納庫の様相でした。本のデジタル化により、知の独占をアメリカが本気で狙っているを実感しました。帰りの飛行機では一睡もしないで、日本の図書館の役割と考えていました。

グーグルがすごいのは実現能力です。「書籍をデジタルビットに変換するためには、コンピュータサイエンスよりも機械工学(スキャンをするための装置を設計する)、外交手腕(最大の蔵書量を誇る大学図書館の協力を得る)、物流(書籍をスキャンセンターに運搬して無事に元の場所に戻す)、法務(著作権法に抵触しないようにする)といった分野の専門知識」を駆使しようとしている。

一冊のデジタル化コストを五十ドルとすると、世界中にある三千万タイトルの書籍だけで十五億ドルかかる。儲けるためであれば、「現存する書籍のうちユーザーにとって最も価値がありそうなものに絞ってデジタル化する」のがふつうだが、グーグルは「すべての書籍をデジタル化」に固執している。やはり、ソーシャルとして、社会との関係を考えている。

そして、「アマゾンはグーグルのために道を切り拓く役割を果たした」。グーグル+アマゾン=グルゾンで2015年に達成されるのでしょう。

私の問題意識は、デジタル・ライブラリというインフラ(グローバル)を日本の地方の図書館(ローカル)が活用できるようにしていくことです。そのためには、図書館を地域の人々の知の拠点にすることです。インフラをソーシャル化することです。これは、2000年に目覚めてから一貫しています。
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