霜後桃源記  

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火に油を注ぐ

2018-04-20 21:18:50 | 社会

事務次官のセクハラ事件に、省をあげて戦うことを宣言した財務省。
「火に油を注ぐ」とは、正にこのこと。
一方、テレビ朝日は自らの不作為も顧みず、被害者の女性記者を「他社への取材データ提供」として
処分する意向を示したことにも呆れてしまった。

日本という国は、国民が考えているほど「健全な国」ではないのかもしれない。




毎日新聞「余録」2018.4.20

「火に油を注ぐ」という言い回しが便利なのは、非常事態に水と油を間違える人が多いからである。
混乱を収めようと打った手がさらにひどい混乱をもたらす。根本的な勘違いが背後にあると思った
方がいい。
危機管理の要諦(ようてい)は「失敗はしても、失敗の収拾には失敗せぬように」である。
火は出さない方がよいが、出た時にはちゃんと水をかけるようしておくことだ。
そんな時に水も油も見分けのつかない人たちが場を仕切ったらどうなるか。

今なら「財務省のようになる」というのが一番分かりやすい。森友問題の決裁文書改ざんや口裏あわせ
で炎上中の財務省で、今度は女性記者へのセクハラ疑惑で事務次官が辞任する。財務相や政権の命脈も
焼きかねない猛火となった。

週刊新潮の報じたセクハラ発言の下品さにも驚いたが、それよりびっくりしたのは財務省の対応である。
疑惑を否定する次官の反論を公表し、女性記者に名乗り出るよう求めたのだ。水をかけるかと思ったら
油をまきだしたのである。

むろん世論の反発の炎は激しく燃え上がり、ほどなく一転、当人の辞任表明となったのも成り行きだろう。
セクハラ、パワハラへの女性の抗議の声が世界をおおう時代に、なんとも浮世離れした組織風土をさらけ
出した財務省だった。
セクハラを受けた女性記者の訴えに応じなかったテレビ朝日を含め、火だねは今日のどんな組織にもひそ
んでいる。
あらゆるハラスメントへの公正な処断なしに、炎上は免れない今日の官庁と企業である。


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