何の自慢にもならないが過去に二度もこの種の詐欺に引っかかっている。
今回も、冷静に考えれば直ぐに詐欺と気付けたのに、これまで同様に「パソコンが使えないのは困る」
との考えが先行し、パニック状態に陥ってしまったのだった。
電話の先の犯罪者は、例によってたどたどしい日本語で以下のように説明した。
・ロケーションは東京の港区の番地並びに所在するビル名まで詳細に述べた。
・Microsoftのエンジニアで、名前入りの顔写真をPCの画面上に掲示。
・詐欺の場合は契約のキャンセルが可能。
・修復代は2万円。「永遠の保守契約5万円」の場合は1万円。
・代金の決裁はカードでも可能だが、今はウィルスに汚染されているので盗まれるから
グーグルベイで支払って欲しい。MicrosoftとGoogleは業務提携している。
・PCと電話は繋いだままで、直ぐに近くコンビニでグーグルベイを購入し、裏面に記載さ
れている番号を通知して欲しい。
このようなやり取りがあったが、日中ならMicrosoft社に電話等をして確認するところだが、
夜の10時だったので、妻や娘が「詐欺だから騙されたらダメ」と引き止めるのを振り払い、
「早くPCを復旧させたい」との一心でコンビニに向かった。
そして、コンビニにアルバイトの若い男性だけでなく店長も居たのが幸いした。
「Microsoftが決済にグーグルベイを使うはずがない。詐偽なので警察に連絡した方がいい」と
断言され、ボケ老人はようやく「自分自身の馬鹿さ加減」に気が付いた。
家に戻って犯罪者に契約拒否を告げて電話とPCを切り、暫くしてからPCを立ち上げたら通常通り
に立ち上がり、そして犯罪者の顔写真は既にデリートされていた。
家の後の秘伝畑も電気柵で囲った。