「ぎょしゃ座AB星b」の位置や同スケールの海王星公転軌道(半径約30天文単位)などの注釈を加えた図
国立天文台と東京大、米アリゾナ大などの研究チームは、若い恒星の周囲を取り巻く円盤状のガス(原始惑星系円盤)の中から生まれたばかりの惑星を直接観測することに成功したと発表した。
生まれたての惑星が見つかったのは、地球から約460光年先にある恒星「ぎょしゃ座AB」。この恒星は年齢約200万年と若く、惑星のもととなる原始惑星系円盤があるのは知られていたが、これまでのすばる望遠鏡の観測でも、惑星そのものの姿は捉えられていなかった。
東京大の田村元秀教授らは、新型の補償光学装置(大気の揺らぎによる画像の乱れを打ち消す装置)を搭載し「視力」を向上させたすばる望遠鏡で、この恒星を観測。原始惑星系円盤の中に、木星の約4倍の質量を持つ巨大な惑星(AB Aur b)があるのを見つけた。
この惑星は、地球―太陽間の距離(約1億5000万キロ)の93倍も離れた軌道を周回。円盤内のガスの濃い部分が、自己の重力でさらに周囲のガスを集め、ごく短い時間で惑星に成長したと考えられるという。
日米などの国際研究チームが、木星の約4倍の質量を持つ形成過程の原始惑星を直接観測することに成功した。4日付の英科学誌ネイチャー・アストロノミーに掲載された。
研究者らがすばる望遠鏡(米ハワイ州)やハッブル宇宙望遠鏡など用いて、約500光年の距離にある誕生後約200万年の若い恒星「ぎょしゃ座AB星」を観測したところ、その周辺を円盤状に取り巻くガスとちりの中に原始惑星「AB Aur b」の姿を捉えた。
太陽系外惑星はこれまでに約5000個発見されているが、今回見つかったものは最大級のもの。
研究者によると、この惑星は地球─太陽間の距離の93倍の軌道を公転。太陽系の巨大惑星のようにコア成長後に周囲のガスを集めて成長したのではなく、自己重力によって形成されたと考えられるという。
天の川銀河 幅は10万光年。
@138億年前、ビッグバンによって宇宙が形成され、初期形成は130億年前の天の川銀河。50億年前、その一片に私たちの太陽系が属する2500億個もの恒星が集まった太陽系銀河が形成されます。天の川銀河の直径は10万光年以上にもなるとされていますが、太陽系外でのこうした生まれたて(200万年)の惑星の中に、又生まれたての惑星の発見は、この大宇宙が未だに膨張を続けているということの証でもあります。宇宙は無限に広がります。