大日本赤誠会愛知県本部ブログ版”一撃必中”

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土岐 核融合科学研究所 高エネルギー粒子の電磁波によるプラズマ加熱を発見

2022年10月20日 18時55分11秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度
高エネルギー粒子から生じる電磁波により、プラズマが加熱されることを発見した、と核融合科学研究所(岐阜県土岐市)などの研究グループが発表した。将来の夢のエネルギー技術と期待される核融合発電では、核融合反応で生じる高エネルギー粒子がプラズマを加熱し、反応を持続する。この時、高エネルギー粒子がプラズマ粒子に直接衝突しない新たな仕組みが分かったことで、核融合発電の実現に向けた研究などに役立つと期待される。
プラズマは固体、液体、気体とは異なる物質の第4の状態。気体にエネルギーが加わり温度が上昇していき、電子が原子から離れ、電子とイオンが自由に運動して非常に活性化した状態となったものだ。


実験の模式図。大型ヘリカル装置内のプラズマ(緑色)に向け高速ビーム(赤色)を入射し、プラズマ粒子の速度の変化を調べた。

そこで研究グループは新たな計測システムを開発。同研究所のプラズマ生成装置「大型ヘリカル装置(LHD)」を使い、核融合反応の高エネルギー粒子に見立てた重水素と水素の原子を高速ビームにしてプラズマに入射。光の波長を基に、プラズマ粒子の速度を毎秒1万回の超高速で詳しく計ることに成功した。
その結果、電磁波の発生に伴ってビームが減速し、プラズマが加熱されていることを発見した。「ランダウ減衰」と呼ばれる仕組みにより、ビームのエネルギーが電磁波に移り、さらにプラズマ粒子へと移ったためであることを、観測により突き止めた。高エネルギー粒子によりプラズマで生じた電磁波が、そのプラズマを加熱できることを実証した。電磁波の発生の1万分の1秒後に、速度の変化が始まることも分かった。


実験結果の概要。電磁波が熱を運び、高速粒子ビームの減速とプラズマ粒子の加熱が起こった。

研究グループの同研究所の居田克巳教授(プラズマ物理学)は会見で「核融合研究では、プラズマに入れた分よりも多くのエネルギーが出るループを持続させることに取り組んでいる。外からエネルギーを入れずに加熱のループが何時間も正常に持続できることを目指す。今回の成果は、このような将来の核融合炉の重要な課題に答えを与えた」と述べた。
地球の周りの磁気圏でも、同様に電磁波を介した粒子の加速が起こっている。東北大学の加藤雄人教授(宇宙空間プラズマ物理学)は「LHDでエネルギー輸送の空間分布や時間変化を詳しく調べたことに大変、興奮した。磁気圏研究にとって大変参考になる」とした。
研究グループは核融合科学研究所、総合研究大学院大学、名古屋大学、東北大学で構成。

@>高エネルギー粒子によりプラズマで生じた電磁波が、そのプラズマを加熱できることを実証した。電磁波の発生の1万分の1秒後に、速度の変化が始まることも分かった。

前にも取り上げましたが、世界の核融合はトカマク型が支流になってしまい、来年以降土岐でやってきたヘリカルでの重水素実験は行わないと宣言していましたが、電磁波がプラズマに影響を与え高温状態が持続できればいい訳で、起死回生、是非継続して研究を進めて欲しいものです。